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2025.11.3
アイラインアートメイクで叶える!すっぴんでもぱっちりした目元

「朝のメイク、アイラインだけはどうしても時間がかかる…」「夕方になるとパンダ目で、鏡を見るのが憂鬱」。そんな経験、ありませんか?アイラインは目元の印象を左右する重要なパーツですが、綺麗に描くのは至難の業。正直、私もこの業界に長くいながら、自分のアイラインが日によってガタガタになってしまい、朝から気分が落ち込むことが何度もありました。

そんなメイクの悩みを根本から解放してくれるのが、アイラインアートメイクです。水や汗にもびくともせず、すっぴんの時でさえ、まるで生まれつきであるかのように、自然でぱっちりとした目元を維持できる。それはもはや、単なる時短メイクという言葉では片付けられない、自信と心の余裕をもたらしてくれる技術です。これから、私が現場で見てきた多くの実例や経験を踏まえながら、その基本からデザインの選び方、皆さんが最も気になる痛みやダウンタイムの真実まで、余すところなく徹底的に解説していきます。

 

1.アイラインアートメイクの基本情報

「アートメイクって、昔流行ったタトゥー(刺青)と何が違うの?」

これは、カウンセリングの現場で最も多くいただく質問の一つです。両者は皮膚に色素を入れるという点で似ていますが、その目的と技術は全くの別物と考えてください。

タトゥーが皮膚の深い層(真皮層)に色素を入れ、半永久的にデザインを残すのに対し、アートメイクは皮膚のごく浅い層(表皮層)に色素を定着させます。これは、例えるなら油絵と水彩画の違いのようなもの。一度描いたら消せない油絵がタトゥーだとすれば、時間の経過とともに薄れ、修正や変更が可能な水彩画がアートメイクです。

表皮は肌のターンオーバーによって常に新陳代謝を繰り返しているため、アートメイクの色素も1年~3年ほどで徐々に薄くなっていきます。この「薄くなる」という特性こそが、アートメイク最大のメリットなのです。なぜなら、年齢とともにお顔の骨格や好みは変化していくから。その時々の自分に最も似合うデザインに、メンテナンスしながら寄り添い続けられるのが、アートメイクの魅力と言えるでしょう。

施術の基本的な流れは以下の通りです。

  • カウンセリングとデザイン: どんな目元になりたいか、どんな悩みがあるかを丁寧にヒアリングし、骨格や目の形に合わせて最適なデザインをミリ単位でデッサンしていきます。
  • 麻酔: 施術部分に専用のクリーム麻酔を塗布し、痛みを最小限に抑えます。
  • 施術: デザインに沿って、専用の医療用ニードル(針)を使い、色素を少しずつ入れていきます。

衛生管理が徹底された医療機関で、専門の知識と技術を持った施術者が行う医療行為である、という点をしっかりと理解しておくことが、安心して施術を受けるための第一歩です。

 

※関連記事:アイラインとは

 

2. ナチュラルに見せるデザインのポイント

「アートメイクをしたいけど、いかにも『やりました感』が出るのは嫌…」

そうですよね。特にアイラインは、やりすぎてしまうと修正が難しく、すっぴんの時に不自然に浮いて見えてしまうのではないか、という不安を抱える方が非常に多いです。プロの視点から断言できるのは、成功するアイラインアートメイクの鍵は「いかに引き算できるか」にある、ということです。

これは、オーダーメイドのスーツを仕立てるのに似ています。自分の体にぴったりと合ったスーツは、着ていることを忘れるほど自然で、それでいてその人の魅力を最大限に引き出してくれますよね。アイラインも全く同じ。あなたの目の形、まつ毛の生え方、そしてライフスタイルに寄り添ったデザインこそが、最高の仕上がりを生むのです。

ナチュラルに見せるための具体的なポイントは3つあります。

  • まつ毛のキワを埋めることに徹する: 最も重要なのがこれです。まつ毛とまつ毛の間の粘膜に近い部分を、点で埋めていくように色素を入れる「ラッシュライン」と呼ばれる手法。これにより、アイラインを「描いている」のではなく、「まつ毛が密集して濃く見える」という錯覚を生み出せます。すっぴんでも全く違和感のない、自然な目ヂカラのベースはここで作られます。
  • 欲張りすぎない目尻のライン: 目尻の「ハネ」は、長ければ長いほど、太ければ太いほど、メイク感が強くなり、すっぴんとのギャップが生まれます。初めての方は、まず笑った時にも不自然にならない程度の、ほんの数ミリのラインに留めるのが鉄則。物足りなければ、メイクで描き足せば良いのです。アートメイクはあくまで「すっぴんの底上げ」と考えるのが成功の秘訣です。
  • 色味の選択: 真っ黒なインクのような色を選ぶと、どうしても人工的な印象になりがちです。肌の色や髪の色に合わせて、少し柔らかいナチュラルブラックや、ダークブラウンを選ぶことで、肌なじみが格段に良くなります。

カウンセリングの際に、「とにかく目を大きく見せたい」とオーダーされる方もいらっしゃいますが、私はいつも「まずはご自身の魅力を最大限に活かす、ミニマムなデザインから始めてみませんか?」と提案します。足りない部分は、いつでもメイクでプラスできる。その安心感が、結果的に最も満足度の高いデザインに繋がることを、私は数多くの経験から知っています。

3. 目の形別おすすめデザインカタログ

アイラインは、ほんの1ミリの角度や長さで、その人の印象を大きく変える力を持っています。ここでは、代表的な目の形別に、その魅力を最大限に引き出すためのデザインの考え方をご紹介します。ご自身の目の形と照らし合わせながら、理想のデザインを見つけるヒントにしてください。

  • 一重(ひとえ)の方:
    一重さんの悩みは、アイラインを引いてもまぶたに隠れて見えなくなってしまうこと。だからといって太くしすぎると、目を開けた時に不自然な極太ラインになってしまいます。ポイントは、目を開けた状態で、目尻側にほんの少しだけラインが見える程度の太さと長さに調整すること。目頭から中央にかけては、まつ毛のキワを埋める程度に留め、黒目の上をやや太めにすると、目の縦幅が強調され、丸く可愛らしい印象になります。
  • 奥二重(おくぶたえ)の方:
    目尻側の二重幅がラインを隠してしまうことが多い奥二重さん。こちらも一重さんと同様に、太くしすぎないことが重要です。おすすめは、二重のラインを潰さないように、目尻のラインを少し長めに、スッと流すように描くデザイン。これにより、目の横幅が自然に強調され、涼しげで洗練された目元を演出できます。
  • 二重(ふたえ)の方:
    デザインの自由度が高いのが二重さんの強みです。しかし、自由度が高いからこそ、やりすぎには注意が必要。基本はやはり、まつ毛のキワを丁寧に埋めること。その上で、二重のラインに沿うように、細く、均一なラインをまつ毛の上に入れると、二重の美しさが際立ち、上品でぱっちりとした印象になります。目尻は、なりたいイメージに合わせて少しハネさせたり、タレ目風に下げたりと、アレンジを楽しむことができます。
  • 切れ長の目の方:
    クールで知的な印象の切れ長の目。その魅力を活かすには、目の形に沿って、目尻を少しだけ延長させるのが効果的です。ラインを太くする必要はありません。細くシャープなラインが、目の長さをさらに強調し、エレガントで印象的な目元を作り出します。

これらはあくまで基本的なセオリーです。実際には、左右の目の形の違いや、まぶたの厚み、骨格など、様々な要素を考慮して、あなただけの「黄金比」を見つけ出していくことになります。経験豊富な施術者ほど、このパーソナルなデザイン提案力に長けていると言えるでしょう。

 

4. 施術中の痛みと安全対策

「目のキワに針を入れるなんて、絶対に痛いでしょう…?」

アートメイクをためらう最も大きな理由が、この「痛み」に対する恐怖心だと思います。結論から言うと、「無痛ではありませんが、多くの方が耐えられる程度の痛み」というのが、最も正直な答えです。

施術前には、必ずクリーム状の麻酔を20分〜30分ほど塗布し、しっかりと時間を置きます。これにより、皮膚の感覚はかなり鈍くなります。多くのお客様が、その感覚を「シャーペンでカリカリと引っ掻かれているような感じ」「毛抜きで毛を抜く時のような、チクっとした刺激」と表現されます。もちろん、痛みの感じ方には個人差があり、その日の体調によっても左右されますが、「耐えられないほどの激痛だった」という方は、私の経験上ほとんどいらっしゃいません。

とはいえ、痛みへの不安は当然です。私が施術に入る際に心がけているのは、お客様がリラックスできる環境を作ること、そして施術中も「今から少し響きますよ」「あと少しで終わりますからね」と、こまめにお声がけをすることです。こうしたコミュニケーションが、お客様の心の負担を大きく和らげると信じています。

そして、痛み以上に絶対に妥協してはならないのが、安全対策です。アートメイクは医療行為。その基本中の基本は、徹底した衛生管理にあります。

  • 針や色素の容器は、必ず新品・使い捨て: お客様一人ひとりに対して、滅菌パックされた新しい針を使用し、施術が終わったらその場で破棄するのが大原則です。他のお客様と共有することは、感染症のリスクを考えるとありえません。
  • 施術者の衛生管理: 手袋やマスクの着用はもちろん、施術に関わるすべての器具が、医療機関レベルで滅菌・消毒されているかを確認しましょう。
  • 色素の品質: 安価な色素の中には、アレルギーを引き起こす成分が含まれていたり、時間が経つと変色(青や赤に変色する)したりするものもあります。安全性が認証された、高品質な色素を使用しているかどうかも、重要なチェックポイントです。

カウンセリングの際に、これらの衛生管理について質問し、明確に、そして自信を持って答えてくれるクリニックこそが、信頼できる場所だと言えるでしょう。

 

※関連記事:痛みの感じ方と個人差

 

5. 腫れはどのくらい?ダウンタイムの実際

施術後の「ダウンタイム」も、痛みと並んで多くの方が心配される点です。特にアイラインは、泣いた後のように目が腫れてしまうのではないか、と不安になりますよね。ここでは、ダウンタイムのリアルな経過と、過ごし方のポイントを解説します。

まず、腫れは必ず出るものと考えてください。皮膚のデリケートな部分に針で刺激を与えているわけですから、炎症反応として腫れや赤みが出るのは、ごく自然な体の反応です。

  • 施術当日~翌日:
    腫れのピークです。個人差はありますが、「号泣した後のような腫れ」「二重の幅がいつもより広くなった感じ」と表現される方が多いです。施術直後から、保冷剤などで優しく冷やすことで、腫れを最小限に抑えることができます。
  • 施術後2日~3日:
    大きな腫れは引き始め、徐々に普段の目元に近づいていきます。まだ少しむくんでいるような、寝起きのような感覚が残るかもしれません。この時期から、施術部位にかさぶたができ始め、少し色が濃く見えたり、アイラインが太く見えたりすることがあります。
  • 施術後4日~7日:
    かさぶたが自然に剥がれ落ちていきます。この時、絶対に無理に剥がしてはいけません。かさぶたと一緒に、定着しかけている色素まで剥がれてしまい、色ムラの原因になります。痒みを感じることもありますが、掻かずに我慢するのが重要です。かさぶたが全て剥がれ落ちると、色素が定着した完成形に近い状態になります。

面白いことに、かさぶたが取れた直後は、「あれ、色が薄くなってしまった?」と感じることがあります。これは、新しくできた皮膚の下に色素があるためで、肌のターンオーバーとともに、1ヶ月ほどかけて徐々に色がはっきりと浮き上がってきます。

ダウンタイムを上手に乗り切るためには、以下の点を心がけましょう。

  • 施術当日は、激しい運動や飲酒、長時間の入浴など、血行が良くなることは避ける。
  • 施術後1週間は、アイメイク(特にマスカラやアイシャドウ)を控える。
  • 処方された軟膏があれば、指示通りに塗布して乾燥を防ぐ。

大切な予定がある場合は、最低でも1週間、できれば2週間ほどの余裕を持って施術のスケジュールを組むことを強くお勧めします。

6. アイラインアートメイクの費用と持続期間

「一体いくらかかるんだろう?」費用は、クリニックを選ぶ上で非常に重要な判断基準ですよね。アイラインアートメイクの料金は、決して安いものではありません。しかし、その金額の裏側にある「価値」を理解することが、後悔のない選択に繋がります。

まず知っておいていただきたいのは、多くの場合、表示されている料金は2回セット(初回の施術+1ヶ月~3ヶ月後のリタッチ)の価格であるということです。なぜ2回必要なのでしょうか?

アートメイクは、1回の施術だけでは色素が均一に定着しにくい性質があります。1回目の施術でベースを作り、かさぶたが剥がれ落ちた後の色の定着具合やデザインの微調整を、2回目のリタッチで行う。この2回のプロセスを経て、初めて理想のデザインが完成し、持続性も高まるのです。1回で終わらせようとするのは、いわば下地作りだけでファンデーションを塗らないようなもの。完成度が大きく変わってきます。

費用の内訳には、以下のような要素が含まれています。

  • 施術者の技術料
  • カウンセリング、デザイン料
  • 高品質で安全な色素や麻酔などの材料費
  • 徹底した衛生管理にかかるコスト

これを「高い」と感じるか、「投資」と捉えるかは、人それぞれです。しかし、例えば毎朝5分かかっていたアイラインの時間がゼロになり、その時間を1年間(365日)続けると、約30時間もの時間が生まれます。さらに、パンダ目を直す手間や、高品質なアイライナーを買い続けるコストからも解放される。そう考えると、時間と自信、そして精神的な余裕を手に入れるための自己投資として、十分に価値があると感じる方が多いのも事実です。

持続期間は、前述の通り平均1年〜3年です。ただし、これには個人差が大きく影響します。

  • 肌質: 脂性肌の方は、皮脂と共に色素が排出されやすいため、乾燥肌の方に比べて薄くなるのが早い傾向にあります。
  • 新陳代謝: 年齢が若く、新陳代謝が活発な方ほど、ターンオーバーのサイクルが早いため、色素の抜けも早くなります。
  • ライフスタイル: 日光(紫外線)に当たる機会が多い、サウナやホットヨガなどで汗をかく習慣がある、といった方は、色素の退色が早まる可能性があります。

「一度入れたら一生もの」ではないからこそ、ライフスタイルの変化に合わせてメンテナンスを続けられる。それがアートメイクの賢い付き合い方なのです。

 

※関連記事:医療アートメイク

7. まつ毛への影響と施術後の注意点

「目のキワを施術するってことは、まつ毛が抜けたり、生えてこなくなったりしない?」

まつ毛への影響を心配されるお気持ち、とてもよく分かります。特に、まつ毛育毛(まつ育)を頑張っている方にとっては、死活問題ですよね。

結論から言うと、適切に施術を行えば、まつ毛の毛根にダメージを与え、まつ毛が抜けてしまうリスクは極めて低いです。アートメイクの針が届くのは、皮膚の浅い表皮層です。一方、まつ毛を作り出す毛母細胞は、もっと深い真皮層に存在します。つまり、針が届く深さと、毛根が存在する深さが違うのです。

熟練した施術者は、まつ毛とまつ毛の「間」を狙って、皮膚の正しい層に色素を入れていきます。まつ毛そのものや毛根を傷つけることはありません。むしろ、まつ毛のキワが濃くなることで、まつ毛が増えたかのような視覚効果(増毛効果)も期待できます。

ただし、これはあくまで「正しい知識と技術を持った施術者が行った場合」の話です。経験の浅い施術者が、誤って深く針を入れすぎたりすると、毛根にダメージが及ぶ可能性もゼロではありません。だからこそ、信頼できる医療機関を選ぶことが何よりも重要なのです。

施術後の注意点としては、ダウンタイム中の過ごし方と重なりますが、特に以下の点に気をつけてください。

  • 1週間はアイメイクを避ける: 特にビューラーやマスカラは、施術部位に雑菌を付着させたり、かさぶたを無理に剥がしてしまったりする原因になります。
  • クレンジング剤に注意: オイルクレンジングなど、油分の多いクレンジング剤は色素の定着を妨げることがあります。施術後1週間程度は、施術部位を避けて優しく拭き取るか、クリニックで推奨された洗顔方法を守りましょう。
  • コンタクトレンズの使用: 施術当日は、コンタクトレンズを外してメガネで過ごすのが安全です。翌日以降は、腫れが引いていれば装着可能ですが、違和感がある場合は無理をしないようにしましょう。

デリケートな部分だからこそ、施術後の丁寧なケアが、美しい仕上がりを長持ちさせる秘訣です。

※関連記事:必ず守るべきアフターケアの鉄則5ヶ条

8. 失敗例から学ぶクリニック選び

どんなに素晴らしい技術でも、残念ながら「失敗」と呼ばれるケースは存在します。しかし、そうした失敗例から学ぶことで、自分が後悔しないための「クリニック選びの目」を養うことができます。私がこれまでに耳にした、あるいは見てきた代表的な失敗例は以下のようなものです。

  • デザインの失敗:
    • ラインが太すぎる・長すぎる: すっぴんの時に、アイラインだけが顔から浮いてしまい、常に「メイクしている顔」に見えてしまう。
    • 左右非対称: 目尻のハネの角度や長さが左右で異なり、修正が難しい。
    • デザインが古臭い: 数年前に流行ったような、極端な跳ね上げラインなど。
  • 色の失敗:
    • 色が青や灰色に変色: 時間の経過とともに、黒いはずの色素が青みがかったり、灰色っぽくくすんでしまったりする。これは、質の悪い色素や、色素を入れる層が深すぎることが原因です。
    • 色がまだらになっている: 色素が均一に定着せず、ムラになってしまっている。

これらの失敗は、なぜ起きてしまうのでしょうか?その根本には、施術者の技術力不足、経験不足、そしてカウンセリング不足が潜んでいます。

では、私たちはどうすれば、そうしたリスクを回避できるのでしょうか。クリニック選びで絶対に確認してほしいポイントは以下の通りです。

  1. 症例写真の「質」をチェックする:
    ただ綺麗な症例写真を数多く載せているだけでは不十分です。注目すべきは、施術直後だけでなく、「施術から1ヶ月後」や「1年後」といった、時間が経過した後の写真が掲載されているか。色素がどう定着し、どう変化していくかを見せてくれるクリニックは、技術に自信があり、誠実である証拠です。
  2. カウンセリングの丁寧さで見極める:
    あなたの希望を一方的に聞くだけでなく、あなたの骨格や目の形を分析し、プロとして「あなたには、こういうデザインの方が似合いますよ」という提案をしてくれるか。メリットだけでなく、デメリットやリスクについても、きちんと時間をかけて説明してくれるか。このカウンセリングこそが、仕上がりの9割を決めるといっても過言ではありません。もし、流れ作業のように感じたり、少しでも不安が残ったりした場合は、即決せずに一度持ち帰る勇気を持ちましょう。
  3. 口コミや評判を多角的に調べる:
    公式サイトの情報だけでなく、SNSやレビューサイトなど、第三者のリアルな声にも耳を傾けましょう。ただし、情報に惑わされすぎず、あくまで参考程度に。最終的には、あなた自身がカウンセリングで感じた「直感」や「相性」を信じることが大切です。

良いクリニックとは、単に施術が上手い場所ではありません。あなたの人生に寄り添い、長期的な美のパートナーとなってくれる場所のことなのです。

9. メイク時間が短縮できる具体的なメリット

「アイラインアートメイクで、毎朝のメイクが5分短縮できます!」

これは、よく使われるキャッチコピーですが、私はこの「5分」という数字だけでは、その本当の価値は伝わらないと感じています。その5分がもたらすのは、単なる時間の節約ではありません。それは、私たちの日常を、もっと豊かで、もっと自由にしてくれる「質の高い時間」への変換なのです。

想像してみてください。その5分があれば、何ができるでしょうか?

  • 慌ただしくパンを口に詰め込むのではなく、ゆっくりとコーヒーを一杯味わう時間ができる。
  • バタバタと家を飛び出すのではなく、鏡の前で「今日も大丈夫」と自分に微笑みかける余裕が生まれる。
  • 「アイラインが滲むかも」という不安から解放され、ジムの汗も、夏の湿気も、突然の雨も怖くなくなる。
  • 温泉旅行やプールサイドで、すっぴんになることをためらわずに、心からその瞬間を楽しめるようになる。

私のお客様で、こんな話をしてくれた方がいました。「今までは、災害時の避難用バッグに、他の何よりも先にアイライナーを入れていたんです。でも、アートメイクをしてから、その一本をバッグから抜くことができました。それが、何だかすごく自由になれた気がして、嬉しかったんです」と。

アイラインが決まらないだけで、その日一日の気分が左右されてしまう。そんな小さなストレスの積み重ねから、完全に解放される。それは、時間という物理的なメリット以上に、計り知れないほどの精神的なメリットをもたらしてくれます。

もはや、アイラインは「描く」ものではなく、「まとう」ものへ。その意識の変化が、あなたの毎日を、もっと軽やかで、自信に満ちたものに変えてくれるはずです。

10. リタッチのタイミングとメンテナンス方法

アイラインアートメイクは、「一度入れたら終わり」ではありません。美しい状態を長く保つためには、適切なタイミングでのリタッチ(修正・色の追加)が不可欠です。それはまるで、お気に入りの洋服を長く着るために、定期的にクリーニングやメンテナンスに出すのと同じ感覚です。

まず、施術後1ヶ月〜3ヶ月のタイミングで行う2回目の施術。これは、前述の通り、デザインを完成させるための極めて重要なプロセスです。1回目の施術で定着しなかった部分に色を足し、ラインの太さや長さを微調整することで、より完成度が高く、長持ちするアイラインに仕上げます。

その後、美しい状態を維持するためのメンテナンスリタッチは、1年〜2年に一度が目安となります。では、具体的にどんな状態になったらリタッチを考えるべきなのでしょうか?

その最も分かりやすいサインは、「最近、アイラインを描き足すことが増えてきたな」と感じた時です。全体的に色が薄くなり、目ヂカラが物足りなくなってきたと感じたら、それがメンテナンスのタイミング。完全に消えてしまう前にリタッチを行うことで、初回よりも短い時間、そして多くの場合、初回よりもリーズ-ナブルな価格で、美しい状態を復活させることができます。

日々の生活の中で、少しだけ意識することで、アートメイクを長持ちさせることも可能です。

  • 紫外線対策を徹底する: 紫外線は、色素の退色を早める最大の原因です。日差しの強い日には、サングラスや帽子、UVカット機能のあるメガネなどを活用し、目元を紫外線から守る習慣をつけましょう。
  • ピーリング製品に注意する: ハイドロキノンやトレチノインなど、肌のターンオーバーを促進する成分が含まれたスキンケア製品をアイラインの施術部位に使用すると、色素の排出を早めてしまう可能性があります。使用する際は、施術部位を避けるようにしましょう。

アートメイクは、施術者とあなた自身が、二人三脚で育てていくものです。施術という「種まき」の後、日々の丁寧なケアと適切なメンテナンスという「水やり」を続けることで、その美しさは長く花開き続けるのです。

 

※関連記事:リスク・副作用

自信をまとう、新しい「すっぴん」のカタチ

ここまで、アイラインアートメイクの様々な側面について、詳しく解説してきました。もはやアートメイクは、特別なものではなく、自分らしい美しさを、もっと自由に、もっと快適に楽しむための、非常に現実的で賢い選択肢の一つです。

大切なのは、それがあなたの顔を別人にするための魔法ではない、ということです。アイラインアートメイクの本当の目的は、あなた自身が本来持っている目元の魅力を、最大限に引き出し、素顔の状態を底上げすること。それは、メイクという鎧を脱いでも、揺るがない自信を与えてくれる、お守りのような存在になり得ます。

朝、鏡に映る自分。夜、メイクを落とした後の自分。どんな瞬間の自分も、少しだけ好きになれる。そんな前向きな変化をもたらす力が、この技術には秘められています。もしあなたが、日々のアイラインに少しでも悩みやストレスを感じているのなら、信頼できる専門家のもとで、新しい「すっぴん」の可能性を探ってみる価値は、きっとあるはずです。

 

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。