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2026.08.29

  • 傷跡
櫻井 洸貴

美容外科の傷跡をきれいに治す「設計」:形成外科医が、カウンセリングから抜糸後まで考えていること

二重(切開法)の手術を受けた方の傷跡は、数ヶ月かけて赤みが落ち着き、多くの場合、二重の折り目に紛れて目立ちにくくなっていきます。もちろん経過には個人差がありますが、同じ皮膚を切っているはずの体の他の場所と比べると、その差は際立っています。この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

まぶたには、傷跡にとって有利な条件が三つそろっています。一つは、血流が非常に豊富であること。二つ目は、皮膚が薄く、炎症の主な舞台となる真皮の網状層が薄いうえに、周囲の組織が緩いため、傷に引っ張る力がかかりにくいこと。そして三つ目が、傷そのものが二重の折り目という「もともとあるしわ」に隠れることです。

裏を返せば、これは「傷跡がきれいに治るための条件」の一覧でもあります。血が届くこと。炎症が長引かないこと。引っ張られないこと。しわに沿っていること。

つまり、まぶたはたまたま条件に恵まれた場所だということです。では、条件のよくない場所では、誰が、どうやってその条件をつくるのでしょうか。

これまでの連載では、傷が治っていく過程で体の中に何が起きているのかをお伝えしてきました。今回はその続きとして、視点を「医師の側」に移します。カウンセリングから手術、そして抜糸後の管理まで、私たちがどの場面で何を考え、何を決めているのかを、順を追ってご紹介します。

1. 前提の確認:傷が治る4つの時期と、二つの原則

はじめに、これまでの連載の内容を簡単に振り返っておきます。今回から読み始めた方も、ここだけ押さえていただければ、この先の話は追えるはずです。

皮膚の傷は、大きく4つの時期を経て治っていきます。

・出血・凝固期(直後〜数時間):血が止まり、フィブリンという網によって仮のふたができます。
・炎症期(〜3日):白血球が現場に入り、細菌や壊死した組織を片づけます。
・増殖期(3日〜3週間):線維芽細胞がコラーゲンを産生し、新しい血管が伸び、表面が上皮で覆われます。傷が最も赤く、硬くなるのがこの時期です。
・成熟期(3週間〜1年、場合によってはそれ以上):作りすぎたコラーゲンが入れ替わり、血管が退いて、白く柔らかい傷跡へと落ち着いていきます。赤みが引くのは、おおむね3〜6ヶ月です。

それぞれの時期に体の中で何が起きているのかは、これまでの4回で詳しくお伝えしました。そして今回の話に必要なのは、そこから導かれる二つの原則だけです。

一つ目は、「炎症が長引くほど、体はコラーゲンを作りすぎて、傷が盛り上がる」ということです。増殖期が長引くと、コラーゲンの過剰な蓄積が起こり、肥厚性瘢痕へとつながっていきます。

二つ目は、「傷が閉じるまでの日数が長いほど、残る瘢痕は多くなる」ということです。傷の深さと、閉じるまでの時間と、残る傷跡の関係を並べると、これは驚くほどはっきりしています。

・表皮のみ:閉じるまで数日/残る傷跡はありません
・真皮の浅い層まで:閉じるまで1〜2週間/ほとんど目立ちません
・真皮の深い層まで:閉じるまで2週間以上かかることもあり/肥厚性瘢痕や引きつれを生じることがあります
・皮下組織まで:長期化しやすく/長引くほど、肥厚性瘢痕や引きつれが起こりやすくなります

すりむいた傷で、かさぶたを繰り返しはがしてしまったところだけ跡が残った、という経験はないでしょうか。あれは、閉じるまでの日数が延びた分だけ、瘢痕の量が増えたということです。

もう一つ、身近な例があります。耳たぶには本来、皮膚を引っ張る力はほとんどかかりません。それにもかかわらず、同じように開けたピアスの穴が、片方だけ腫れを繰り返して硬く盛り上がることがあります。体質だけでは説明のつかない左右差ですが、そこには「炎症が続いたかどうか」という違いが関わっていると考えられています。

つまり、私たちが手術室でしていることは、突き詰めれば一つに集約されます。

「炎症を短く、閉じるまでを短くする」

これからご紹介する判断は、すべてこの一点のためにあります。

図4.傷の強さの回復曲線。抜糸(顔なら4〜5日)の時点では最初の2〜3週間ほとんど強度がなく、6週で到達点の半分に届き、6〜12ヶ月かけてゆっくり上がるが、正常な皮膚には戻りきらず上限は約75%(曲線の中間の形は説明用の模式図)。

2. カウンセリング:切開線は、切る前に決まっている

2-1. 何をお聞きしているのか

カウンセリングで医師が確かめようとしているのは、突き詰めると「この方の傷は、どれくらい炎症が長引きやすいか」という一点です。そのために、次のようなことをお尋ねします。

・ケロイドや肥厚性瘢痕になったことがあるか、そしてご家族にそうした方がいるか
・ピアスの穴が盛り上がったことがあるか
・過去の手術の傷が太くなった、あるいは赤みが長く残った経験があるか
・喫煙、持病、内服中のお薬(この点は次回、詳しくお伝えします)

これらはご本人の努力で変えられる条件ではありません。しかし、変えられないからこそ、手術の前に知っておく価値があります。切開線の設計も、縫い方も、術後に予防的な治療を加えるかどうかも、この情報によって変わってくるからです。

2-2. 部位の条件を見立てる

同じ人の体の中でも、傷跡の治りやすさには大きな差があります。
条件がよいのは、顔面です。血流が豊富で創傷治癒が良好であり、なかでもまぶたは皮膚が薄く緊張がかかりません。
一方、条件がよくないのは、肩、前胸部、上腹部のみぞおち付近、下腹部の恥骨のあたりです。いずれも、もともと皮膚の緊張が強い部位です。関節をまたぐ傷や、筋肉の収縮方向と垂直に走る傷も、繰り返し伸ばされる刺激を受けることになります。
また、まぶたの縁や唇の縁といった「遊離縁」は、傷跡そのものが小さくても、引きつれによって形が変わってしまうため注意が必要です。目頭(内眼角)も、もともと余っている皮膚が少なく平坦なため、まぶたに比べると傷跡が目立ちやすい部位とされています。

図1.部位別の傷跡マップ。顔面・まぶたは血流が豊富で比較的治りやすい(ただし、まぶたの縁・唇の縁は引きつれが目立ちやすい)。一方、肩・前胸部・上腹部(みぞおち付近)・下腹部(恥骨のあたり)・関節をまたぐ傷は緊張が強く、瘢痕やケロイドが目立ちやすい。

2-3. どこを、どの向きに切るかを決める

皮膚には、緊張の方向を示す線があります。RSTL(relaxed skin tension line:皮膚割線、緩和皮膚緊張線)と呼ばれるもので、力を抜いた状態の皮膚をつまんだときにできる細かいしわの向きが、真皮の膠原線維の走行を反映しています。
RSTLに沿って切開すれば、傷にかかる引っ張る力を最小にできます。引っ張る力は増殖期のコラーゲン産生を増やす方向に働きますので、切開線の向きは肥厚性瘢痕の予防に直結する判断ということになります。

図2.顔の皮膚の緊張線(RSTL)。額は横向き、眉間は縦向き、目尻は放射状、頬は斜め下向き、顎・首は横向きの線。線の向き=皮膚の緊張の向きであり、実際の診察では表情をつくって出てくる皺線を確認して、その方固有の線を読み取る。

もっとも、実際の診察では教科書のRSTLの図をそのまま当てはめるわけではありません。しかめ顔をしていただく、目をすぼめていただく、笑っていただく。そうやって実際に出てくる皺線を確認し、その方固有の線を読み取ります。RSTLと表情でできる皺線はおおむね一致しますが、完全に同じではなく、顔面では動かして出てくる線のほうが実用的だからです。
冒頭にお話しした二重の手術は、その考え方が分かりやすく表れた例です。重瞼線という「もともとあるしわ」に沿わせ、しかも折り込まれて隠れる位置に傷を置く。切開線の設計としては、非常に条件のそろった部位と言えます。
顔にはもう一つ、サブユニット(aesthetic subunit:整容的単位)という考え方があります。顔は額、鼻、頬、上口唇といった、いくつかの面のまとまりで構成されています。傷跡そのものが目立たなくても、RSTLと直交する傷や、このサブユニットの境界を横切る傷は、影の出方が変わるために目立って見えてしまうのです。逆に言えば、傷を境界線上に置ければ、それは「顔のもともとの区切り」として認識されます。

2-4. お伝えする

そして、小さな手術ほど説明が大切になります。小さなほくろの切除や、ごく軽い傷の処置では、患者さんは当然きれいに治ると期待され、医師の側の説明も簡単になりがちです。そこに落とし穴があります。傷跡がわずかに残る可能性、赤みが長く続く可能性は、手術の大小にかかわらず存在します。

3. 手術当日:「切る」「閉じる」「仕上げる」

3-1. 切る:組織を、傷めない

炎症期そのものは、傷を治すために必要な工程です。問題になるのは、それが長引くことです。ですから手術中は、炎症を長引かせる「燃料」を残さないことに神経を使います。
一つは、創縁を挫滅させないことです。ピンセットで強くつまめば、その部分の血流は落ちます。「組織を優しく扱う」というのは、精神論ではなく酸素の話なのです。
もう一つは、電気メスでの止血範囲を最小限にとどめることです。出血をコントロールするために欠かせない器具ですが、広く使いすぎれば、その分だけ壊死した組織を作ることになります。そして当然ながら、壊死した組織を残さないこと。これらはすべて、炎症期を短く終わらせるための配慮です。

3-2. 閉じる:緊張を、どの層で受け止めるか

これまでの連載で「真皮縫合」についてお伝えしましたが、ここではもう一段踏み込んだ話をします。
大原則は、真皮に緊張を担わせないことです。ケロイドは真皮の網状層から発生しますので、そこに引っ張る力がかかり続けることは、再発の温床になります。
そこで、皮膚より深い層で先に組織を寄せておきます。脂肪の中にある浅筋膜や、筋肉の表面にある深筋膜といった層です。深いところで緊張を吸収してしまえば、皮膚は「緊張がまったくかかっていない状態で、ただ合わせるだけ」で済みます。
真皮縫合の役割は三つあります。創縁の張力を減らすこと、死腔をなくすこと、そして創縁同士を密着させることです。縫合してから6週間ほどでコラーゲンの産生が最大となりますので、その間もちこたえる糸を選ぶ必要があります。

図3.緊張をどの層で受け止めるか。皮膚だけで寄せた場合は真皮に張力が集中し、肥厚性瘢痕・ケロイドの温床になる。深い層(筋膜)で先に寄せた場合は張力を筋膜の縫合が引き受け、真皮は緊張がかからない状態で、ただ合わせるだけで済む。

意外に思われるかもしれませんが、この縫い方は部位によって変えます。縫合した直後に創縁をどれくらい盛り上げる(外反させる)かの目安は、次のとおりです。

・顔面:ほとんど盛り上げません
・四肢・体幹:約5〜10mm程度
・前胸部・下腹部など、瘢痕やケロイドの好発部位:1cm強

ここで大切なのは、この数字が「縫合した直後の創縁の高さ」であって、最終的な傷跡の高さではないということです。
この隆起は、時間の経過とともに平坦化していきます。手術の直後に傷が土手のように盛り上がって見えるのは失敗ではなく、そうして平らになっていくことを見込んだうえでの設計なのです。このことを知っておいていただくだけで、術後の不安はずいぶん減るはずです。
逆に、まぶたや手のひら、足の裏では、真皮縫合を行わないのが原則です。薄い皮膚や角質の厚い部位に太い糸を入れることのほうが、害が大きくなるためです。
そして、締めすぎないこと。皮膚の縫合は「表皮を軽く合わせるだけ」という感覚で行います。強く締めれば縫合糸の痕(suture mark)が残るだけでなく、創縁が虚血に陥ります。脂肪の層を強く締めすぎると脂肪が壊死し、それが手術部位感染の主な原因になることも知られています。
なお、縫合糸そのものが体にとっては異物である、という視点も忘れてはいけません。天然素材の糸は組織の反応が強く、糸を核とした膿瘍の原因になります。糸や毛嚢炎による持続的な炎症は、瘢痕に対する「化学的な刺激」として働き、肥厚性瘢痕やケロイドの発生要因になると考えられています。

3-3. 仕上げる:すきまと、血のたまりを残さない

死腔、つまり組織と組織のあいだにできるすきまと、血腫(血のたまり)は、組織同士がくっつくのを妨げる最も大きな要因の一つです。
血のたまりは、酸素と細胞の通り道を物理的に断ち切ってしまいます。皮膚移植が生着しない最大の原因は血腫である、とされるほどです。放置すれば、色素沈着や、瘢痕が硬く残る原因にもなります。
ですから手術の最後には、止血を確認し、必要に応じてドレーンを入れ、圧迫をして終えます。特に脂肪の層は縫い合わせにくく死腔ができやすいため、注意を要する部分です。
手術のいちばん最後に行うこの処置が、そのあとに続く炎症期の長さを決めることになります。

4. 術後1週間:炎症を短く終わらせ、抜糸の時期を決める

4-1. 診察で何を見ているか

術後の診察では、主に三つのことを確認しています。
血腫がないか。片側だけ腫れていないか、強く張っていないか。
感染がないか。赤みが広がっていないか、熱をもっていないか、痛みが日ごとに増していないか。
そして創縁の状態です。一次治癒に乗っているかどうか。もし創が開いてしまえば、そこから先は二次治癒の経過をたどることになり、瘢痕は確実に増えます。
処置としては、明らかな感染がある場合を除いて消毒液は用いず、適度な湿潤環境を保つのが現在の考え方です。この点は、これまでの連載でもお伝えしてきたとおりです。

4-2. 抜糸をいつにするか

抜糸の時期は、「早すぎれば傷が開き、遅すぎれば糸の痕が残る」という綱引きです。以下は一般的に言われている目安であり、術式や部位、創にかかる緊張の程度によって変わります。

・顔面(糸の痕を残したくない部位):4〜5日
・四肢・体幹:7日前後
・真皮縫合が確実な創:3〜5日でも可能(半分抜いてから全部抜く方法もあります)
・緊張のある創・真皮縫合が不十分な創:遅らせますが、遅くとも2週間まで
・内眼角(目頭切開):早期の抜糸では創が広がるため、10日〜2週間置く考え方もあります

顔で早く抜糸できるのは、深い層で緊張を受け止めてあるからです。3-2でお伝えした縫い方と、この抜糸の時期は、セットで決まっているとお考えください。

5. 抜糸後から3ヶ月:傷の強さは、抜糸のあとに作られる

5-1. 「閉じていること」と「強いこと」は別です

抜糸が済むと、多くの方が「もう治った」と感じられます。しかし、傷の「強さ」という物差しで見ると、話はまったく違って見えてきます。

・最初の2〜3週間、傷にはほとんど強度がありません
・6週で、ようやく最終的に到達する強さの半分に届きます
・そこから6〜12ヶ月かけて、ゆっくりと上がり続けます
・そして、どれだけ時間をかけても、正常な皮膚の約75%までしか戻りません

抜糸は、「表面のふたが閉じました」という報告にすぎません。中身の強度は、その時点ではまだほとんどできあがっていないのです。「傷が広がってしまった」というご相談の多くは、この見落としから生まれています。

5-2. だから、3ヶ月なのです

この数字は、そのまま術後の指示の根拠になります。
抜糸のあと、なぜ3ヶ月もテープを貼っていただくのか。それは、増殖期の終わりと成熟期の前半をカバーし、傷の強度が半分に届くまでのあいだ、外から引っ張る力を肩代わりするためです。増殖期の線維芽細胞は、引っ張られるとコラーゲンを産生するスイッチが入ります。まだ強度のできていない傷を、テープが守っているとお考えください。
遮光もまた、3ヶ月から半年を目安にお願いしています。瘢痕の色素沈着は、炎症によって生じた物質がメラノサイトを刺激し、メラニンの合成が増えることで起こります。そしてこの反応は、日焼けによって強調されます。まだ成熟していない傷跡は、紫外線に弱いのです。
なお、この時期に傷が赤く、硬く、少し盛り上がって見えるのは正常な経過です。決して失敗ではなく、深部での工事が最も活発に進んでいる証拠です。赤みが引いてくるのは、おおむね3〜6ヶ月と考えてください。この点は「増殖期」「成熟期」の回で詳しくお伝えしています。

6. 3ヶ月から1年:「待つ」ことも、ひとつの判断です

最後に、修正手術のタイミングについて触れておきます。
(以下は一般的に言われている目安であり、術式や部位、個人差によって大きく変わります。実際の判断は、必ず主治医とご相談ください。)
形成外科の一般的な考え方として、大原則があります。「手術は、瘢痕が成熟して軟らかくなるのを待ってから行うのが原則であり、それまでは保存的な治療を続ける」というものです。

・二重(切開法):癒着の左右差など明らかな原因があるものには早期に対応します。ただし早期修正の期限は術後2週間程度とされ、それを過ぎた場合は、瘢痕が成熟する術後3ヶ月以降まで待つのが一般的です。
・眼瞼下垂手術後の左右差:腫れが引くのを待って判断するのが通例です。
・脂肪吸引:術後3〜6ヶ月は組織が硬くなる「硬縮」の時期とされ、この時期に無理に修正手術を行わないのが一般的です。凸凹の一部は、マッサージやストレッチで改善するとも言われています。
・鼻:術後の変形が年単位で生じてくることがあるため、年単位の経過観察が必要とされます。鼻尖形成術のあと、自然な形になるまで最低3ヶ月とご説明することが多いのも、このためです。

まぶたの手術については、瘢痕が目立たないからといって成熟期の終了前に再手術を行うと、炎症が消退しきっていないために内出血や腫れが遷延し、かえって瘢痕形成を強める結果になることが指摘されています。
「今すぐ直しましょう」と言わないことが、最も誠実なご提案である場面が確かにあります。

まとめ:すべては、たった一つの目的に集約される

不意の怪我でできた傷跡と、手術でできた傷跡には、決定的な違いがあります。手術では、どこを、どの向きに、どの層で閉じるのかを、あらかじめ選ぶことができるということです。
形成外科の成書にも、だからこそ手術後の瘢痕は医師の責任であり、切開の位置や方向に配慮し、正しく縫合して一次治癒させることによって、肥厚性瘢痕やケロイドはある程度まで予防できる、という趣旨のことが記されています。私自身もそのように考えています。
カウンセリングでの見立て。切り方。閉じ方。仕上げ。術後の管理。そして、待つという判断。今回ご紹介したすべてが、次の一点に向かっています。

「炎症を短く、閉じるまでを短くする」

当院のカウンセリングでは、仕上がりのデザインだけでなく、次のような設計の部分まで、手術の前にご説明することを大切にしています。

1. 傷は、どの向きに入るのか
2. 傷にかかる緊張を、どの層で受け止めるのか
3. 抜糸はいつで、その後のケアをいつまで続けていただくのか

ご説明の中で分かりにくいところがあれば、どうぞ遠慮なくお尋ねください。ご自身の傷がどのような設計で治っていくのかを知っておくことは、術後の不安をずいぶん軽くしてくれるはずです。
とはいえ、手術に要する時間は数十分から数時間にすぎません。傷が育っていくのは、そこから1年です。つまり、時間のほとんどは患者さんご自身の側にあります。
次回は、4つの時期それぞれで「あなたに変えられること」、そして「変えられないこと」についてお伝えします。

(本コラムの内容は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針は主治医にご相談ください。)

written by

医師

櫻井 洸貴

KOKI SAKURAI

形成外科で培った精密な技術を活かし、傷跡までを見据えた美しいボディライン形成を追求しています。
細部にこだわるデザインと確かな手技で、理想の仕上がりをともに実現していきます。

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