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2026.09.16

  • 豊胸
吉田 直樹

同じバッグでも仕上がりが変わる「バッグを入れる位置」の話

乳腺下法・大胸筋下法・デュアルプレーン法、ハイブリッド豊胸の違いと向き不向き

シリコンバッグ豊胸を検討するとき、多くの方が最初に気にするのが、

・「どのメーカーのバッグを選ぶか」
・「何ccのバッグを入れるか」

といった、バッグの種類やサイズだと思います。

しかし、実際の仕上がりを大きく左右するもう一つの重要なポイントがあります。
それが、シリコンバッグを「どの位置・どの層に入れるか」です。

同じメーカー、同じサイズのシリコンバッグを使ったとしても、

・乳腺下
・大胸筋下
・デュアルプレーン

のどこにバッグを入れるかによって、見た目の自然さや触り心地、術後の経過は大きく変わります。

さらに、皮下脂肪が非常に薄い方では、バッグを入れる位置を工夫するだけでは十分にバッグの輪郭を隠せないことがあります。
そのような場合には、シリコンバッグを挿入したあと、皮下に脂肪を注入して組織の厚みを増やす「ハイブリッド豊胸」という方法もあります。

今回は、「乳腺下法」「大胸筋下法」「デュアルプレーン法」の違いに加えて、脂肪注入を組み合わせるハイブリッド豊胸についても詳しく説明します。

なぜバッグを入れる位置で仕上がりが変わるの?

シリコンバッグ豊胸は、バストの中にシリコンバッグを入れて、ボリュームや形を整える手術です。
ただし、一言で「バストの中」といっても、バストはさまざまな組織でできています。

外側から順番に、

皮膚 → 皮下脂肪 → 乳腺 → 大胸筋

といった組織があります。

シリコンバッグを入れる主な位置としては、

・乳腺と大胸筋の間に入れる「乳腺下」
・大胸筋膜と大胸筋の間に入れる「大胸筋膜下」
・大胸筋と肋骨の間に入れる「大胸筋下」

などがあります。

ここで、自然なバストに見えるかどうかを左右する重要なポイントがあります。
それが、シリコンバッグの輪郭がどれくらい目立つかです。

バッグの上に皮下脂肪や乳腺、筋肉などの組織が十分にあれば、バッグの輪郭は目立ちにくくなります。
反対に、バッグを覆う組織が薄いと、バッグの縁や形が表面から分かりやすくなることがあります。

つまり、「バッグの上にどれだけ厚みのある組織を作れるか」によって、仕上がりの自然さは大きく変わります。

そして、この考え方はハイブリッド豊胸にもつながります。
バッグを適切な位置に入れるだけで十分に自然な仕上がりになる方もいれば、皮下脂肪が非常に薄いため、さらに脂肪注入でバッグの上の組織を厚くした方が自然に仕上がる方もいるということです。

それでは、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

乳腺下法とは

乳腺下法は、乳腺と大胸筋の間にシリコンバッグを入れる方法です。
大胸筋を切ったり、大きく剥がしたりする必要がないため、比較的身体への負担が少なく、術後の痛みも軽い傾向があります。

また、バッグが大胸筋の上にあるため、大胸筋を動かしてもバッグが筋肉に強く影響されません。
そのため、「アニメーション変形」が起こりにくいというメリットがあります。

アニメーション変形とは、大胸筋に力を入れたときに、筋肉によってシリコンバッグが押され、バストが不自然に動いたり、形が変わったりする現象です。

一方で、乳腺下法では、バッグを覆っている組織が基本的に皮膚・皮下脂肪・乳腺だけになります。

そのため、もともと乳腺や皮下脂肪が薄い方では、

・バッグの輪郭が目立つ
・バッグのシワが皮膚表面から見える「リップリング」が起こる
・触ったときにバッグの存在が分かりやすい

といったことがあります。

特に大きなバッグを入れた場合には、バスト上部に丸みが強く出て、やや人工的な印象になることもあります。

また、乳腺のすぐ下に異物であるシリコンバッグを入れるため、カプセル拘縮が他の術式よりやや起こりやすいとする報告もあります。
カプセル拘縮とは、バッグの周囲にできる膜が硬く縮み、バストが硬くなったり、形が変わったりする合併症です。

大胸筋下法とは

大胸筋下法は、大胸筋の下にシリコンバッグを入れる方法です。
大胸筋という厚みのある筋肉がバッグを覆うため、バッグの輪郭が目立ちにくいことが大きなメリットです。

そのため、

・乳腺が薄い方
・皮下脂肪が少ない方
・痩せ型の方

には適した方法とされています。

また、乳腺そのものへの圧迫が少なく、マンモグラフィでも乳腺を観察しやすいという指摘があります。
カプセル拘縮についても、乳腺下法より発生率が低いとするデータがあります。

一方、大胸筋下法では、大胸筋を周囲の組織から剥がしてバッグを入れるスペースを作る必要があります。
そのため、乳腺下法と比べると、術後の痛みが強くなりやすく、ダウンタイムもやや長くなる傾向があります。

手術直後は大胸筋の緊張によってバッグが上から押され、バストが高い位置にあるように見えることもあります。
その後、数週間から数か月かけて少しずつ自然な位置に落ち着いていきます。

また、大胸筋の下にバッグがあるため、大胸筋に力を入れるたびにバッグが動き、アニメーション変形が起こりやすいというデメリットがあります。
特に、筋力トレーニングやスポーツなどで日常的に大胸筋をよく使う方は、この変形が気になる場合があります。

アニメーション変形が必発するという点からも、現在では大胸筋下法が行われることはほとんどありません。

デュアルプレーン法とは

デュアルプレーン法は、乳腺下法と大胸筋下法の中間にあたる方法で、海外でも主流となっている術式の一つです。

簡単にいうと、バッグの上半分は大胸筋の下、下半分は乳腺下に入れる方法です。

大胸筋の下側を部分的に切離し、バッグを入れるスペースを作ります。
また、大胸筋をどこまで切離するかによって、Type 1、Type 2、Type 3に分類されます。
乳房の下垂の程度や、皮下脂肪・乳腺の厚みなどを見ながら、切離する範囲を調整します。

デュアルプレーン法の特徴は、乳腺下法と大胸筋下法のメリットを組み合わせられることです。

バストの上部では、バッグの上を大胸筋が覆います。
そのため、バッグの上縁が目立ちにくく、デコルテからバストにかけて自然なラインを作りやすくなります。
一方、バッグの下部は乳腺下に位置するため、バスト下部の柔らかさも残しやすくなります。

さらに、大胸筋を切離する範囲を調整することで、自然な丸みと、筋肉によるバッグのカバーのバランスを、一人ひとりの体型に合わせて調整できることも大きな特徴です。

ただし、大胸筋を部分的に切離する必要があるため、乳腺下法と比較すると身体への負担は大きく、ダウンタイムも長くなる傾向があります。
また、どこまで筋肉を切離するかという判断には、執刀医の経験や技術が求められます。
そのため、デュアルプレーン法を希望する場合には、この術式の症例経験が豊富な医師のもとで手術を受けることが重要です。

ハイブリッド豊胸とは

ハイブリッド豊胸は、シリコンバッグ豊胸と脂肪注入を組み合わせる方法です。
まずシリコンバッグを適切な位置に挿入し、そのあと、バッグの上にある皮下組織へ脂肪を注入します。
目的は、皮下の厚みを増やしてバッグの輪郭をより目立ちにくくすることです。

特に痩せ型の方では、乳腺や皮下脂肪そのものが薄いため、デュアルプレーン法を選択しても、すべての部分を大胸筋で覆うことはできません。

特に、

・デコルテ
・バスト上部
・バスト内側
・バッグの外側や下側

など、もともとの皮下脂肪が少ない部分では、バッグの縁が目立ちやすくなることがあります。

このような部分に脂肪を注入することで、バッグと皮膚の間に自分の脂肪によるクッションを作り、よりなめらかで自然なバストラインを作りやすくなります。

つまり、シリコンバッグでしっかりとバストのサイズや土台を作りながら、脂肪注入によって細かな輪郭を整える方法です。
ハイブリッド豊胸は、「バッグのサイズアップ効果」と「脂肪による自然なカバー」の両方を活かせることが特徴です。

一方で、脂肪注入を追加するため、脂肪を採取する部位への手術も必要になります。
また、注入した脂肪がすべて残るわけではなく、一部は吸収されるため、術後の仕上がりを予測しながら適切な量を注入する必要があります。
そのため、バッグの挿入位置だけでなく、どの部分に、どの程度の脂肪を注入するかというデザインも重要になります。

それぞれ、どんな人に向いている?

どの方法が最適かは、体型や皮下脂肪の厚み、乳腺の量、乳房の形などによって変わります。

乳腺下法が向いている方

乳腺下法は、

・もともと乳腺や皮下脂肪にある程度の厚みがある方
・術後の痛みをできるだけ抑えたい方
・ダウンタイムを短くしたい方
・スポーツや筋トレなどで日常的に大胸筋をよく使う方
・アニメーション変形を避けたい方

などに向いています。

デュアルプレーン法が向いている方

デュアルプレーン法は、

・痩せ型の方
・皮下脂肪が少ない方
・バッグの輪郭をできるだけ目立たせたくない方
・自然な見た目と触り心地の両方を重視したい方
・軽度〜中等度の乳房下垂がある方

などに向いています。

ハイブリッド豊胸が向いている方

ハイブリッド豊胸は、

・痩せ型で皮下脂肪が非常に薄い方
・デコルテやバスト内側の骨感が目立つ方
・バッグの輪郭をできるだけ目立たせたくない方
・シリコンバッグだけでは不自然さが出やすい方
・しっかりサイズアップしながら、より自然な見た目を目指したい方

などに向いています。

特に、バッグの上に十分な組織の厚みがない方では、バッグを入れる位置だけでなく、脂肪注入によって皮下組織そのものを厚くするという考え方が重要になります。

バッグの種類やサイズだけでなく「入れる位置」と「覆う厚み」も重要です

シリコンバッグ豊胸では、

・「乳腺下法が一番良い」
・「デュアルプレーン法が一番良い」

というように、単純にどの術式が優れているというものではありません。

重要なのは、自分の体型や乳房の状態、ライフスタイル、理想とするバストに、どの方法が合っているかということです。

同じシリコンバッグ豊胸でも、バッグを入れる位置が変われば、

・見た目の自然さ
・触り心地
・バッグの輪郭の目立ちやすさ
・術後の痛み
・ダウンタイム
・合併症のリスク
・将来の乳房検診への影響

なども変わってきます。

さらに、皮下脂肪が薄い方では、バッグをどこに入れるかだけではなく、バッグの上にどれだけ組織の厚みを作れるかも重要です。
そのため、場合によってはデュアルプレーン法などでバッグの位置を工夫するだけでなく、脂肪注入を組み合わせたハイブリッド豊胸を検討することもあります。

カウンセリングではバッグのメーカーやサイズだけでなく、

・「なぜ私にはこの位置を勧めるのか?」
・「バッグの輪郭を隠すために、十分な組織の厚みがあるのか?」
・「脂肪注入を追加する必要があるのか?」

まで確認することが大切です。

触診や超音波検査などで、乳腺や皮下脂肪の厚みを客観的に確認し、それぞれの術式のメリット・デメリットを比較したうえで方法を選ぶことが重要です。
バッグのサイズだけではなく、「どこに入れるか」「そのバッグを何で覆うか」まで考えて手術を設計することが、自然で満足度の高いシリコンバッグ豊胸につながります。

written by

医師

吉田 直樹

NAOKI YOSHIDA

脂肪吸引や豊胸を中心に理想のボディライン形成に取り組んでいます。丁寧なカウンセリングを通して、一人ひとりに最適なご提案をいたします。
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