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2026.09.13

  • 脂肪吸引
村上 大悟

美容外科医が本当に解説する顔の脂肪吸引完全ガイド:第7章 デザイン理論

【連載目次】美容外科医が本当に解説する顔の脂肪吸引完全ガイド

第1章 顔の脂肪吸引とは何か
第2章 顔が大きく見える本当の原因
第3章 顔面解剖学から理解する顔の脂肪吸引
第4章 顔の老化と脂肪の役割
第5章 適応・適応外
第6章 術前診察で美容外科医が見ているポイント
第7章 デザイン理論
第8章 ベイザー脂肪吸引とは
第9章 実際の手術
第10章 ダウンタイム
第11章 合併症
第12章 他施術との違い
第13章 症例ごとの治療戦略
第14章 FAQ
第15章 Casa de GRACIA GINZA が目指す輪郭形成

美しい輪郭は「脂肪を取る技術」ではなく「設計する力」で決まる

この記事のポイント
・顔の脂肪吸引で最も重要なのは、吸引量ではなくデザインです。
・美しいフェイスラインは、骨格・皮膚・脂肪・筋肉の調和によって生まれます。
・黄金比やEラインは重要な指標ですが、それだけで理想的な輪郭は決まりません。
・Casa de GRACIA GINZAでは、一人ひとりの骨格と将来の加齢変化まで考慮したオーダーメイドの輪郭設計を行っています。

はじめに

「先生、何ccくらい脂肪を取りますか?」

カウンセリングでよくいただくご質問です。
しかし、美容外科医の視点では、吸引量そのものは最終的な仕上がりを決める指標ではありません。
同じ20mLの脂肪を吸引しても、輪郭が大きく変わる方もいれば、変化が控えめな方もいます。
その違いを生むのは、「どれだけ取ったか」ではなく、「どこから、どの層を、どのようなバランスで整えたか」です。
顔の脂肪吸引は、余分な脂肪を取り除く処置ではなく、顔全体の立体感を設計する輪郭形成術です。

デザインとは「引き算」ではなく「調和」をつくること

美容外科では、「引き算の美容」という表現が使われることがあります。
しかし、顔の脂肪吸引は単純な引き算ではありません。
本当に重要なのは、脂肪を減らすことで顔全体のバランスを整え、光と影のコントラストを自然に作り出すことです。
頬の丸みが適度に保たれ、フェイスラインが滑らかにつながり、顎下から首への境界が自然に見えることで、正面だけでなく横顔や斜めから見ても美しい輪郭が生まれます。

黄金比は「参考」であり「絶対」ではない

美容の世界では「黄金比」という言葉がよく使われます。
確かに、顔面の縦横比や各パーツの位置関係には、美しく見えやすい傾向があります。
しかし、黄金比はあくまで目安の一つです。
性別や年齢、民族的背景、骨格の特徴によって、美しいと感じるバランスは異なります。
そのため、診察では黄金比だけに合わせるのではなく、その方が本来持っている顔立ちを生かしながら、より調和の取れた輪郭を目指します。

Eラインと横顔の印象

横顔は、他者から最も見られる角度の一つです。
Eライン(Esthetic Line)は、鼻先と顎先を結んだラインに対する口唇の位置を評価する指標として広く知られています。
ただし、Eラインだけでは横顔の美しさを十分に説明することはできません。

美容外科医は、

・顎先の前後的位置
・鼻の高さ
・オトガイの形状
・顎下から首への移行
・Jawlineの明瞭さ

などを総合的に評価します。
脂肪吸引によって顎下のボリュームが改善すると、Jawlineがより明瞭になり、横顔全体の印象が引き締まって見えることがあります。

Jawlineが輪郭の印象を決める

Jawline(下顎縁)は、輪郭形成において最も重要な要素の一つです。
若々しく洗練された印象では、下顎骨のラインが自然に認識でき、顎下から首への移行が滑らかです。
一方で、顎下脂肪やジョールが目立つと、Jawlineが不明瞭となり、輪郭全体が重たく見えます。
顔の脂肪吸引では、このJawlineを「強調する」のではなく、「自然に際立たせる」ことが理想です。

「どこを取るか」より「どこを残すか」

経験を積むほど、美容外科医は「残すこと」の重要性を実感します。
頬の脂肪は、若々しい印象を保つために必要なボリュームでもあります。

そのため、頬全体を均一に減らすのではなく、

・中顔面の立体感
・頬骨周囲の自然なボリューム
・フェイスラインへの滑らかな移行

を意識しながら、減量する部位と温存する部位を設計します。
「どこを吸引するか」ではなく、「どこを残すか」。
この考え方が、数年後も自然な仕上がりにつながります。

正面・側面・斜位、すべてが美しい輪郭へ

患者様は正面の変化を気にされることが多い一方で、周囲の人は横顔や斜め顔を見る時間の方が長いと言われています。
そのため、デザインでは三つの視点を重視します。

正面

フェイスラインが左右対称で滑らかにつながっているか。

側面

JawlineとCervicomental Angleが自然に形成されているか。

斜位

頬からフェイスライン、顎下までの立体的な流れが美しいか。

どれか一方向だけが美しくても、他の角度で違和感があれば、自然な輪郭とは言えません。

加齢を見据えたデザイン

顔の脂肪吸引は、その場の変化だけを考える治療ではありません。
若い頃に過度な吸引を行うと、加齢によるボリュームロスが進んだ際に、頬のこけや疲れた印象が目立つ可能性があります。
そのため、術前には現在の輪郭だけでなく、将来の加齢変化も考慮したうえでデザインを行います。
「今だけきれい」ではなく、「10年後も自然で美しい輪郭」を目指すことが重要です。

Casa de GRACIA GINZAが考える輪郭設計

私たちが目指しているのは、「小さな顔」ではありません。
目指しているのは、その方の骨格や表情を生かしながら、自然で洗練された輪郭をつくることです。
診察では、骨格、脂肪、皮膚、SMAS、加齢変化、そして患者様のご希望を総合的に評価し、一人ひとりに合わせた設計を行います。
輪郭形成とは、脂肪を減らす技術ではなく、美しさをデザインする技術です。
その設計図があるからこそ、手術という工程が生きてきます。

まとめ

顔の脂肪吸引で最も重要なのは、「どれだけ脂肪を取るか」ではなく、「どのような輪郭を目指すか」です。
黄金比やEラインといった美的指標を参考にしながらも、一人ひとり異なる骨格や加齢変化を踏まえ、顔全体の調和を設計することが自然な仕上がりにつながります。
Casa de GRACIA GINZAでは、解剖学に基づいた診断と、美容外科医としての美的感覚を融合させ、患者様それぞれに最適な輪郭形成をご提案しています。

次章予告

第8章では、「ベイザー脂肪吸引とは何か」をテーマに、VASER®システムの原理、超音波エネルギーが脂肪へ与える影響、通常の脂肪吸引との違い、メリット・限界、安全性、そして美容外科医がベイザーをどのように活用しているのかを詳しく解説します。

written by

医師

村上 大悟

DAIGO MURAKAMI

18年にわたり心臓・呼吸器を中心に幅広い手術を経験し、「低侵襲手術」を追求してきました。培った技術と判断力を活かし、科学的根拠に基づいた確かな美容医療で、理想の美を追求します。ぜひお気軽にご相談ください。

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