DOCTOR COLUMN ドクターコラム

  1. TOP
  2. ドクターコラム
  3. ドクターコラム詳細

2026.06.05

  • 自己紹介
樋口 隆男

美しさへの憧れを、医学の手に。

― 私が歩んだ、外科からボディデザインへの道

GRACIA理事長の樋口隆男です。
美しさは、偶然には生まれません。それは、緻密な解剖学的理解と、三次元を見通す美意識とが出会ったところに、静かに宿るものだと私は考えています。幼い頃から美に憧れ、外科医として確かな礎を築き、やがてボディデザインの道へ。このコラムでは、私がGRACIAという場所に込めた思いを、私自身の言葉でお話しさせていただきます。

幼い頃からの「美しさ」への憧れ

私の人生を振り返ると、「美しいもの」への関心は、医師を志すよりもずっと早く、子どもの頃から私の中に確かにありました。整った造形、調和のとれた佇まい、無駄のないしなやかな線。理由をうまく言葉にできないまま、私はそうしたものに人一倍強く心を惹かれる子どもでした。
美しいとは、いったい何だろうか。なぜ人は、あるかたちには心を動かされ、あるかたちにはそうならないのか。幼い私が抱いていたのは、そんな素朴で、けれど一度も消えることのなかった問いでした。今になって思えば、この問いと、美しいものへの尽きない憧れこそが、私という人間の出発点であり、その後のすべての選択の底に静かに流れ続けてきた通奏低音だったのだと感じています。

ですから、私が美容外科という領域に辿り着いたのは、決して偶然ではありません。それは、子どもの頃から胸の奥に灯し続けてきた一つの情熱が、長い時間をかけて、医学という確かな手段とめぐり会った結果なのです。

なぜ、すぐに美容外科へ進まなかったのか

医師という道を選んだとき、私の心の奥には、すでに「いつか、美しさそのものを医学の手で形づくる仕事をしたい」という思いが芽生えていました。それでも私は、最初から美容外科の門を叩くことはあえてしませんでした。これは、私が自分自身に課した、ひとつの大切な決断でした。

美しさを、安全に、そして確実に形にすること。それは、美的なセンスや情熱だけで成し遂げられるものではありません。人の身体にメスを入れ、かたちを変えていく以上、その土台には、外科医としての揺るぎない技術と、解剖に対する深い理解、そして医療としての厳格な安全管理がなければならない。私はそう確信していました。

だからこそ私は、華やかさに先に手を伸ばすのではなく、まず一人の外科医として、生命の最前線でその基礎を徹底的に築くことを選びました。憧れに急いで飛びつくのではなく、その憧れを確かなかたちにできる実力を、時間をかけて自分の身体に刻み込む。遠回りに見えるその道こそが、私にとっては美への最短距離だと信じていたのです。

外科の礎 ― 解剖・安全・責任を、身体に刻む

外科医としての出発点に私が選んだのは、呼吸器外科の世界でした。肺がんや縦隔腫瘍、肺移植など、患者様の生命に直結する疾患を扱う、緊張感に満ちた領域です。手術室でのわずかな判断の遅れや、ミリにも満たない操作の違いが、その後の人生を大きく左右する。そうした現場で、私は外科医としての普遍的な基本を、徹底的に身につけていきました。

手術を安全かつ確実に行うには、まず人体の複雑な解剖学的構造を細部まで理解していなければなりません。どこに重要な血管があり、どの層を丁寧に扱えば組織へのダメージを最小限にできるのか。出血を緻密にコントロールし、目に見えないレベルで組織を愛護的に扱う。術前にあらゆるリスクを予測し、術中は冷静に最善を判断し、術後も責任を持って経過を見続ける。

手術には、事前の緻密な準備があり、術中の的確な判断があり、術後の誠実な責任がある。この外科医としての哲学は、今日の私の美容外科手術を支える、最も強固な土台となっています。診療の目的が変わり、自由診療という枠組みに移ろうとも、「身体に外科的侵襲を加える」という事実は変わりません。だからこそ、医療としての安全性と誠実さは、あの頃と寸分も変わってはならないと、私は考えています。

呼吸器外科時代

転身 ― 人生を、前向きに変える医療へ

長年、呼吸器外科医として多くの患者様の命と向き合ってきたことは、私の医師人生における大きな誇りです。命の危機を乗り越え、回復していく患者様の姿に、私は何度も医療の重みとやりがいを感じてきました。
一方で、外科医として年数を重ねるうちに、私の中ではひとつの思いが少しずつ大きくなっていきました。それは、病というマイナスから身体の機能を守る医療だけでなく、その方が生きていくうえでの満足度 ― すなわち人生の質(QOL)そのものを高める医療にも、力を尽くしたいという思いです。

人が自分らしく、前向きに生きていくためには、内臓の機能が健やかであることと同じくらい、自分自身の外見に対する納得感や、自分の身体を肯定できる感覚が大切なのではないか。外見の悩みから解放された方が、表情を明るくし、着たい服を選び、自信を持って一歩を踏み出していく。私が外科で培った技術を、そうした人生の前向きな変化のために役立てたい。幼い日に抱いた美への憧れが、確かな技術を得たいま、再び私を強く動かし始めたのです。

もっとも、美容外科には保険診療とは異なる難しさがあります。病変を切除して終わり、という医療ではありません。患者様が描く理想を正確に汲み取り、それが医学的・解剖学的に実現可能かを冷静に見極める。時には、専門家として誠実にブレーキをかけることも求められます。正解がひとつではない、このオーダーメイドの奥深さにこそ、私は外科医としての大きなやりがいを見出しています。

ボディデザインという、三次元の思想

美容外科医としての歩みのなかで、国内の脂肪吸引・脂肪注入専門クリニックであるTHE CLINICで研鑽を積んだ時間は、私にとって決定的な意味を持っています。そこで私が学んだのは、局所だけを見る平面的な発想を大きく超えた、「ボディデザイン(体型彫刻)」という三次元の思想でした。
脂肪吸引というと、「ただ身体を細くする手術」だと思われる方も少なくありません。けれども、ただ細くするだけでは、真の美しさには繋がらない。これは私が最も大切にしている事実です。美しいボディラインを生むには、身体を徹底的にひとつの立体として捉えなければなりません。どこから脂肪を引き、どこにあえて残すのか。どの部位に陰影を描くのか。正面はもちろん、横、斜め、後ろ姿まで、どの角度から見ても自然で滑らかなグラデーションを描くこと。服をまとったとき、動いたときに、肌や脂肪がどう追随するのか。そこには、緻密な解剖学的知識と、高度な美的デザインセンスの、両輪が欠かせません。

さらに、脂肪は単なる不要物ではなく、身体の印象をコントロールする貴重な組織でもあります。不要な部分から採取した脂肪を、ボリュームが欲しい場所へ適切に移す。この脂肪をいかに安全に、そしてデザイン通りに扱うかというテーマは、現在のGRACIAにおける豊胸やボディコントゥアリングの、根幹をなす診療方針となっています。

GRACIAという場所のはじまり

私が自身のクリニック「GRACIA」を立ち上げたのは、自分が理想とする美容医療を、一切の妥協なく提供できる場所を創りたいと考えたからです。
美容外科手術は、医師の技術が優れているだけで、患者様に最大の満足をお届けできるものではありません。最初のカウンセリングに始まり、術前の的確な診断、ミリ単位のデザイン、安全に配慮した麻酔、術中の徹底した安全管理、術後の細やかなケア、経過を追う厳密な記録まで。そのすべての工程が網の目のように噛み合って、はじめて美しい結果が生まれます。どれかひとつだけが優れていても、医療としての完成度は決して高まりません。

だからこそ私は、医師ひとりが主役となるクリニックではなく、看護師も、コンシェルジュも、関わるすべてのスタッフが同じ志と医療安全への意識を共有する「チーム」を創りたいと考えました。GRACIAという名には、品格、優雅さ、しなやかさといったイメージが込められています。私が大切にしているのは、時代の流行に過度に流された派手な変化ではなく、その方本来の骨格や雰囲気、年齢やライフスタイルに自然と馴染む、調和のとれた美しさです。周囲から「最近、なんだか素敵になったね」と言われ、何よりご自身が鏡の前で「これが私らしい」と思えること。GRACIAは、そうした美しさをどこまでも丁寧に追求する場所でありたいと願っています。

福岡院の様子

福岡から、銀座へ

GRACIAの歩みは、九州・福岡の地から始まりました。福岡院は、私にとって原点となる、特別な場所です。地域に根ざした親身な美容医療を掲げ、患者様お一人おひとりと時間をかけて向き合う。その誠実な積み重ねが、現在のGRACIAの強固な基礎を築いてくれました。

その後、より高度で専門的な医療をお届けし、技術を正しく発信していくために、日本の美容医療の中心地である東京・銀座に「Casa de GRACIA GINZA」を開院しました。銀座は、美に対する審美眼が高く、国内外から本物の技術を求めて多くの方が訪れる街です。この地での開院は、私にとって大きな挑戦でもありました。銀座院では、上質で落ち着いた空間、プライバシーを厳格に守る環境、そして海外の患者様も安心してお迎えできる体制を整えています。

地域のホームドクターであり続ける福岡院と、専門性を高め、世界へ向けて発信する拠点としての銀座院。二つの院は、それぞれに異なる役割を担いながらも、「患者様に誠実に向き合う」というひとつの信念で固く結ばれています。

銀座のスタッフと

Body Contouring Surgery への、こだわり

いま私が、診療と研究において最も情熱を注いでいる専門分野が、Body Contouring Surgery(ボディコントゥアリング・サージェリー)です。これは、身体の輪郭や立体感を整える美容外科手術の総称であり、脂肪吸引や脂肪注入、豊胸、ヒップライン形成、腹部の形成、たるみの切除、乳房の吊り上げ、さらには他院で受けられた手術の修正まで、体型のラインをトータルに美しく作り変える外科的治療を広く含みます。

この領域で美しい結果を生むために最も重要なのは、「全身を、ひとつの繋がった立体として捉える」という視点です。たとえばウエストのくびれを作りたいからと、お腹の脂肪だけを闇雲に吸引しても、美しいラインは生まれません。ウエストから腰への繋がり、背中の厚み、バストのボリューム、ヒップの位置、太ももへと続く外側のライン。これらはすべて、有機的に連動しています。一部分だけを見て手を加えれば、かえって全体の均衡が崩れてしまうのです。私はこの手術を、患者様の身体が本来持つ魅力を引き出す、医学的な彫刻のようなものだと考えています。

ただし、それは医師の感覚だけに頼る芸術では決してありません。脂肪を取りすぎれば不自然なくぼみや段差が生じ、残しすぎればメリハリが失われます。出血をいかに抑えるか、皮膚の収縮をどう予測するか。呼吸器外科で培った緻密な手技と解剖学の知識が、この美しさを生むために不可欠なのです。美を追求するからこそ、安全のための徹底した計画が要る。安全を重んじるからこそ、確かな技術で理想に挑める。このデザイン性と安全性の両立こそが、GRACIAが誇るボディコントゥアリングのこだわりです。

世界の技術を、日本の美意識へ

美容外科の世界では、技術革新が目覚ましい速さで進んでいます。私はこれまで、海外の学会への参加や各国の医師との交流を通じて、常にグローバルな視点で最先端のトレンドに触れ、学びを続けてきました。欧米や南米には、ダイナミックなボディラインを形づくる潮流と、それを支える解剖学的アプローチ、そして医師同士が技術を高め合うアカデミックな文化が根づいています。

一方で、私たち日本の医療には、世界に誇るべき繊細さと、組織を丁寧に扱う姿勢、そして高い安全性へのこだわりがあります。これからの時代に求められるのは、海外の新しい手法をそのまま模倣することではなく、その本質を正しく理解したうえで、日本人の骨格や独自の美意識に合わせて昇華させること。そして、私たちが積み重ねてきた丁寧で安全なアプローチを、今度はアジアを中心とする海外へ発信していくこと。私自身も、生涯学び続けるひとりの外科医として、教育や学術活動にも力を注ぎ、美容外科医療全体の健やかな発展に貢献していきたいと考えています。

ペルーのDr.Manzanedaを招聘し、国内で初めて開催したRIBXCAR TAKES TOKYO

おわりに ― 患者様へ

美容外科手術を受けることは、どなたにとっても、人生における大きな決断です。期待が膨らむ一方で、本当に思い通りに仕上がるのか、痛みやダウンタイムはどれくらい続くのか、将来後悔しないだろうか。そうした不安を抱かれるのは、ご自身の身体に関わることである以上、ごく自然なことだと思います。

だからこそ私は、美容医療が「広告や一時の勢いで決めてしまうもの」であってほしくないと、強く願っています。GRACIAのカウンセリングでは、できること・できないこと、向いている治療・そうでない治療を、すべて正直にお伝えしています。必要がないと判断した施術を、無理におすすめすることはありません。患者様の希望に寄り添う存在であると同時に、医学的な判断を担う専門家として、長期的に見ても納得していただける選択肢を、一緒に考えてまいります。

美容医療がもたらす本当の価値は、必ずしも「別人のようになる」劇的な変化だけではありません。朝、鏡を見るのが少し楽しみになること。諦めていた服を、綺麗に着こなせるようになること。写真に写る時間を、心から楽しめるようになること。そうした日々の小さな、けれど温かい変化の積み重ねこそが、私の考える美容医療の本質です。

幼い日に抱いた美しさへの憧れを胸に、私はこれからも、外科医として培った厳格さと責任感を忘れず、患者様お一人おひとりの「美しさと人生」に、誠実に向き合い続けてまいります。どんな小さなお悩みでも、どうぞまずは、リラックスしてご相談にいらしてください。

written by

GRACIA理事長 / 総院長

樋口 隆男

TAKAO HIGUCHI

長年の手術経験と全身管理の視点、
細やかなデザイン力と技術を活かし、
一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、
美しさを引き出すお手伝いをいたします。

無料カウンセリング・
お問い合わせはこちら

福岡院

092-791-8675

受付時間 10:00 - 19:00

銀座院

03-5579-9601

受付時間 10:00 - 19:00

福岡院

092-791-8675

受付時間 10:00 - 19:00

銀座院

03-5579-9601

受付時間 10:00 - 19:00

LINE予約について