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2026.09.29

  • 傷跡
櫻井 洸貴

ペリカン手術について――二重あごの原因は、首の筋肉のその下にある

1. はじめに:体重は落ちた。なのに、あごの下だけが残る

ダイエットに成功して、頬はすっきりした。体重計の数字も目標に届いた。それなのに、横顔の写真を撮ると、あごの下にはまだ膨らみが残っている。

診察室でよく聞く話です。脂肪吸引や機器の治療を受けたあとも膨らみが残った、というご相談も少なくありません。努力もしたし、お金も使った。それでも消えない。

ここで、ひとつ問いを立ててみます。あごの下の膨らみは、本当に「脂肪」なのでしょうか。脂肪だとして、それは「どの深さ」にある脂肪なのでしょうか。

痩せて減るものと、痩せても減らないものが、あごの下には重なっている。その境界線は、「広頸筋(こうけいきん)」という一枚の薄い筋肉。膨らみが筋肉の上にあるのか、下にあるのか。それだけで、効く治療も、手術の中身も、傷の長さも、リスクも、戻るかどうかも決まる。

2. あごの下には、一枚の薄い筋肉が張っている

首の皮膚のすぐ下には、広頸筋という薄いシート状の筋肉が、鎖骨のあたりから下あごの縁まで広がっています。口角を下げて首に力を入れると、首の両脇に縦のスジが浮き出ます。あれが広頸筋です。

この筋肉を境界線にすると、あごの下は3つに分けられます。

あごの下の層構造(模式図)図1.あごの下の層構造(模式図)。皮膚側から、皮下脂肪、広頸筋、広頸筋の下の脂肪、さらに奥に顎二腹筋と顎下腺が位置します。広頸筋を境に、筋肉の上は痩せると減り、筋肉の下は痩せても減りにくい層です。

広頸筋の上の世界。皮膚と、皮下脂肪です。線維の仕切りが少なく、動きやすい脂肪で、いわゆる「二重あご」の主な正体です。ただし、あごの下の膨らみのすべてがこの皮下脂肪というわけではありません。ご遺体10体で、あごの下の膨らみを作る組織(皮下脂肪、広頸筋の下の脂肪、顎下腺)をそれぞれ取り出して重さを比べた研究では、皮下脂肪は全体の約45%でした。つまり、膨らみの半分以上は、筋肉の下にあったことになります。

広頸筋そのもの。広頸筋は左右一対の筋肉が正中で出会う構造ですが、その出会い方には生まれつき3つの型があります。あごの下でだけ交わる型が約75%、首の全長で交わる型が約15%、正中でまったく交わらない型が約10%です。交わらない型の人は、加齢とともに縦スジが出やすくなります。

広頸筋の正中3型図2.広頸筋の左右が正中で出会う3つの型(I・II・III)。

なぜ縦スジができるのか。広頸筋は皮膚側には支えの靭帯を持たず、深い側の付着だけで固定されています。年齢とともにこの固定が緩むと、力を入れたときに筋肉が前に浮き上がるようになります。顔面神経麻痺で広頸筋が動かなくなった側には縦スジが生じないことから、縦スジは「筋肉が縮む力」で作られると考えられています。

広頸筋の下の世界。ここに、痩せても減らないものが集まっています。

・広頸筋の下の脂肪。先ほど紹介した研究の計測では、膨らみ全体の約30%を占めていました。この脂肪は皮下脂肪と違い、体重の増減の影響を受けにくいことが計測で示されています。男女差もあります。ご遺体26体で皮下脂肪と広頸筋の下の脂肪をそれぞれ取り出して重さを比べた研究では、女性は皮下脂肪が広頸筋の下の脂肪の約3倍ありましたが、男性では両者がほぼ同じ重さでした。男性ほど、膨らみの原因は筋肉の下にあります。
・顎二腹筋(がくにふくきん)。あごの骨から舌骨に向かう筋肉で、肥大すると、正中の脇に膨らみを作ります。
・顎下腺(がっかせん)。唾液腺のひとつで、先ほど紹介した研究の計測では膨らみ全体の約25%を占めていました。年齢とともに「大きくなる」と思われがちですが、大きくなるというより、支えが緩んで下に降りてくると考えられています。
・下顎骨・舌骨。土台となる骨です。あごが小さい、舌骨の位置が低い人は、脂肪をすべて取っても鋭い角は作れません。首のCTを282人分解析した研究では、舌骨は加齢とともに下がり、体格指数(BMI)が5増えるごとに約2mm前に出ることが分かっています。

3. 筋肉の上は痩せて減る。筋肉の下は、減らない

ここまでの解剖を、悩みに当てはめてみます。

「ダイエットしても顎下だけ残る」。筋肉の上の皮下脂肪は減りました。残っているのは、筋肉の下の脂肪、下がった顎下腺、顎二腹筋、あるいは骨格です。これらは体重が落ちても変わりません。

「脂肪吸引したのに残った」。脂肪吸引の管(カニューレ)が安全に届くのは、広頸筋の上までです。筋肉の下には血管と神経が走っているため、見えない状態で吸うことは危険とされ、深い脂肪はあごの下を切開して直視下で取る、というのが脂肪吸引の教科書の記載です。さらに、皮下脂肪を減らすと、それまで脂肪の厚みで隠れていた顎下腺の形が目立つようになります。これが「取り残し」と誤解されることがあります。

「HIFU(ハイフ)や糸で変わらなかった」。HIFUは皮膚から3〜4.5mmの深さに熱を入れる治療です。働くのは真皮と浅い筋膜まで。広頸筋の離開や、筋肉の下の脂肪には届きません。

「痩せているのに二重あご」。多くの場合、脂肪型ではありません。あごが小さい、舌骨が低い、顎下腺が張り出している、といった「筋肉の下」と「骨格」の問題です。

「骨切り(Vライン、オトガイ形成)の後にたるんだ」。骨を減らせば、その上を覆っていた皮膚と筋肉の袋が余ります。下あごをU字に骨切りした20人のCT追跡では、術後にあごの下の軟部組織が厚くなり、顎二腹筋の形も変化していました。

「首の縦スジが何本もある」。これは筋肉そのものの問題です。正中で交わらない型で離開が3cmを超える場合や、スジの深さが1.5cmを超える場合は、外側から引き上げるだけでは取れず、筋肉そのものを縫い寄せる必要があるとされています。

あごの下のたるみの原因は、6つに整理できます。①皮膚のゆるみ、②皮下脂肪、③広頸筋のゆるみと過緊張、④広頸筋の下の脂肪、⑤顎二腹筋の肥大、⑥顎下腺の肥大・下垂。①②は筋肉の上、③は筋肉そのもの、④⑤⑥は筋肉の下です。実際には、これらが複数重なっています。

4. セルフチェック:鏡の前でできる3つのテスト

診察室で行う見立てを、ご自身でも試せる形にしました。目的はひとつ、膨らみが筋肉の上にあるか、下にあるかを推定することです。

1.力を入れてつまむ。口角を下げ、首に力を入れて縦スジを浮かせた状態で、あごの下をつまみます。このときつまめる厚みが「筋肉の上の脂肪」です。次に力を抜いてつまみます。厚みが増えた分が「筋肉の下の脂肪」の目安になります。

2.軽く下を向く。前屈で膨らむ部分は顎下の脂肪です。前後に首を動かしてボリュームが移動するなら、皮膚のゆるみが主体です。

3.舌を前歯に押しつけて触る。舌を上の前歯の裏に強く押しつけたまま、あごの骨の縁の少し内側、左右の外寄りを指で触ってみてください。しこりのようなものが触れるなら、顎下腺が張り出している可能性があります。

診察室では、これに加えて、触診やエコーでの診察を行い、顎の膨らみを評価します。

自己判定はあくまで目安です。脂肪なのか、たるみなのか、むくみなのかの区別には診察が要ります。

5. 手術が要る人、要らない人

「何歳から受けられますか」「痩せているのに受ける意味はありますか」。よく受ける質問ですが、答えは年齢や体型ではなく、膨らみが筋肉の上か下かで決まります。

年齢ではなく、層で決まる。あごの下に限った問題で皮膚の弾力が保たれていれば、皮膚を切除せず、あごの下の小さな切開だけで筋肉の下を処理する方法が1990年代から報告されています。近年は20〜40歳への適応拡大も論じられています。一方で、軽度の例や若い方には、まず機器や脂肪吸引、糸といった低侵襲の方法を実施することもあります。「20代でも受けられる」と「50代からの手術」という説明が並立するのは、想定している層が違うからです。

皮膚のゆるみの程度で、術式の方針が変わる。皮膚にゆるみがなければ脂肪吸引だけで足ります。ゆるみが軽度なら、あごの下の切開だけで済む、特に適した状態です。中等度なら剥離を広げ、耳の後ろに小さな切開を加えます。高度なら、フェイスリフト・ネックリフトの領域です。

骨切りの後、脂肪吸引の後。第3節で説明したとおり、筋肉の下と筋肉そのものの問題が残っている典型です。

首が短い、舌骨が低い、あごが小さい。最も難しい群です。あごの骨が足りない場合は、オトガイ形成術(あごの骨を出す手術)を併せることが答えになることがあります。

手術が難しくなる人、避けるべき人。脂肪溶解注射、HIFU、糸リフトの既往がある方は、組織が線維化して手術の難度が上がります。BMIが32を超える方、期待が現実と離れている方は適応外とされます。喫煙者、ケロイド体質、体重変動の大きい方も慎重な判断が要ります。妊娠中・授乳中は行いません。

ここまでが「診断」の話でした。ここからが「手術」の話です。

6. 「ペリカン手術」で何をするのか

あごの下を切開して広頸筋を縫い寄せる手術は、日本の美容外科では「ペリカン手術」「顎下筋肉縛り」と呼ばれています。英語の文献では、open submental neck lift、platysmaplasty(広頸筋形成術)、deep neck contouring などの名前で書かれています。

なぜ複数の名前があるのか。同じ「ペリカン手術」でも、手技の細かい違いがあるからです。

1.筋肉の上の脂肪を処理し、広頸筋を正中で縫い寄せるだけ
2.加えて、筋肉の下の脂肪を切除する
3.さらに、顎二腹筋の減量、顎下腺の部分切除まで行う(海外で deep neck lift と呼ばれる範囲)

1は「筋肉の上と筋肉そのもの」、2と3は「筋肉の下」に降りる手術です。「筋肉を縛るだけでは効かない」という意見を目にすることがありますが、それは段階1だけを指す話です。問題が筋肉の上に限られる人には段階1で足り、筋肉の下に問題がある人には段階3が要る。対象が違うのです。

手術は、おおむね次の順序で進みます。

1.あごの下に2〜3cmの横の切開を置く。上を向いたときにしか見えにくい位置です。

2.皮膚を持ち上げ、筋肉の上の脂肪を減らす。直視下に切除する方法と、脂肪吸引で減らす方法があり、両方を組み合わせることもあります。皮膚がでこぼこしたり、筋肉に癒着したりしないよう、皮膚側に薄く脂肪を残します。

3.広頸筋を正中で開き、筋肉の下へ入る。深い脂肪を、顎二腹筋の表面と同じ高さまで減らします。左右の顎二腹筋の間の脂肪は残します。ここを取りすぎると首の正中が凹み(コブラ変形)、戻すのが難しくなります。

4.必要な人だけ、顎二腹筋と顎下腺の突出部を減らす。詳しくは第8節で述べます。

5.広頸筋を正中で縫い寄せる。左右に離れていた筋肉の縁をつなぎ、一枚のシートに戻します。舌骨の少し下で筋肉の縦の突っ張りを解いておくことが、縦スジの再発予防になります。

6.皮膚に張力をかけずに閉じる。必要に応じてドレーン(血や水を逃がす管)を挿入します。

麻酔は全身麻酔または静脈麻酔で、手術時間は、処理する範囲によって1.5〜3時間ほどです。フェイスリフトを同時に行う場合は、正中の処理を先に、外側からの引き上げを後に行います。順序が逆だと正中の縫合線に張力がかかって切れ、変形の原因になるためです。

7. 傷跡:どこに、どれくらい残るのか

傷跡は、最も多く寄せられる質問です。原則は、以前投稿した創傷治癒のコラムでお伝えしたことと同じです。ここでは「あごの下」という部位に固有の事情だけを書きます。

どこに置くか。あごの下の皺線か、指で触れられるあごの骨の内側の縁か。流派によって違いますが、いずれも「上を向いたときにしか見えにくい位置」を狙っています。

長さは、何を取り出すかで決まる。文献上の切開長は、1.5〜2cm、2〜3cm、3〜4cmと幅があります。筋肉の上の処理だけなら短く、顎下腺や顎二腹筋まで扱うなら視野が要るので長くなります。つまり「2cm」と「4cm」は、同じ手術ではありません。

皮膚に張力をかけない。目立たない傷跡の鍵は、皮膚を「引き上げの道具」にしないことです。深部の組織をきちんと処理して固定すれば、皮膚は緩い縫合で保持できます。皮膚に張力をかけて閉じると、6か月以降に瘢痕が広がることが指摘されています。

時間の経過。傷跡は術後1か月が最も目立ち、3〜6か月で赤みが引き、1年で白い線に落ち着きます。あごの下に固有の注意は、術後2〜3週の大開口を避けること、うつむく作業を減らすこと、圧迫バンドの縁で傷をこすらないことです。

8. 顎二腹筋と顎下腺:ここを触るかどうかで、結果が変わる

「膨らみが残った」「取り残された」という不満の多くは、ここに原因があります。

術前に見落とされ、術後に現れる。顎二腹筋と顎下腺の膨らみは、脂肪とたるみに隠れています。脂肪吸引で顎下の脂肪を減らし皮膚を引き締めると、隠れていた膨らみが浮かび上がります。術前の触診と事前の説明が欠かせないのは、このためです。

顎二腹筋。肥大は、正中の脇の膨らみの原因になります。広頸筋の手術の失敗と誤認されやすく、舌骨が低い人で目立ちます。処理するとしても、突出している部分だけを削ぐ「減量」です。

顎下腺。第2節で述べたとおり、腺は大きくなるというより、下がってくると考えられています。処理には2つの考え方があります。

ひとつは、切らずに吊り上げる。広頸筋を外側からハンモックのように張り直して腺を支える方法です。

もうひとつは、突出部だけを切除する。切除するのは被膜の内側で、あごの骨の縁より下に突き出た部分(腺全体の3分の1から2分の1ほど)です。

9. リスク:筋肉の下に降りるほど、血管と神経に近づく

起こりうる合併症と、報告されている頻度は次のとおりです。

・漿液腫(水が溜まる):頻度 4.3%、平均12日で消退。最も多い合併症です。穿刺と圧迫で治ります。
・下唇の動きの一時的な麻痺:頻度 3.3%/4.5%/0.59%(報告により異なる)。3〜6か月で回復し、永続例はありません。
・広頸筋を動かす神経の一時的な麻痺:頻度 1.47%。下唇をめくる動きは保たれます。
・血腫:頻度 2.96%、再手術 1.1%。腺の断端からの出血は、閉じた空間で気道を圧迫しうる緊急事態です。ほぼ24時間以内に起きます。血圧管理と監視体制が整っているかを確認してください。
・唾液瘤:頻度 1.4〜4.5%。穿刺と、必要ならボツリヌス毒素で2〜4週で消えます。
・縦スジの再発:筋肉を完全に横断する術式では1年で45%。12研究2,106例の統合解析では1.4%。術式で大きく違います。深部への固定と横方向の切離が予防になります。
・正中の陥凹(コブラ変形):顎二腹筋の間の脂肪の取りすぎで起こります。予防は「残す」ことです。
・皮膚の凹凸・彫り込み:皮膚側の脂肪を残し、腺と筋の過切除を避けることで予防します。
・皮膚の壊死:喫煙、強すぎる圧迫、薄すぎる皮膚の剥離が危険因子です。
・感覚の鈍さ、ピリピリ:一過性で、数か月で回復します。
・感染:どの手術にも起こりうるものです。抗菌薬と処置で対応します。
・左右差・仕上がりの不満:再手術で対処しますが、初回より難しくなります。

これらの頻度は、主に筋肉の下まで処理した641人の報告によるものです。この報告では、何らかの合併症が起きた人は全体の12.3%で、永続的な後遺症はなく、88%が結果を「非常に良い」または「期待以上」と答えています。

「失敗したら直せるのか」も、よく聞かれます。取りすぎによる陥凹や彫り込みは戻しにくく、脂肪注入などで補うことになります。取り足りない、縦スジが再発した、という場合は再手術で対処できますが、一度手術した部位は癒着があるため、初回より難しくなります。

10. ダウンタイム:首は1年かけて完成する

腫れ、内出血、硬さ、傷跡の赤み。術後に現れるものは、それぞれ落ち着くまでの期間が違います。傷が治る4つの時期に沿って見ていきます。

当日〜3日目(出血・凝固期)。ドレーンは、出血の状態を見て翌日から数日で抜きます。圧迫は軽く行います。強い圧迫は皮膚の血流を落とし、壊死の原因になるからです。この時期に最も注意すべきは血腫です。急に片側が腫れる、強いつっぱり、飲み込みにくさ、息苦しさ。これらは待たずに連絡してください。

3日目〜2週間(炎症期)。腫れと内出血のピークです。会話も食事もできますが、大きく口を開けることは避けます。腫れの中心はあごの下なので、多くの場合はマスクで隠れる範囲に収まります。抜糸はこの時期に行います。

2週間〜3か月(増殖期)。硬さ、つっぱり、首の動かしにくさが主役になる時期です。正体は、縫い寄せた広頸筋の面が癒着して固まっていく過程と、広く剥離した面の拘縮です。首のストレッチは、硬さが和らいでから段階的に始めます。

3か月〜1年(成熟期)。傷跡の赤みが引き、輪郭が完成に向かいます。文献での効果判定は、術後6か月以降に行われています。「完成」を語れるのは、早くても半年後です。

やってはいけないことには、それぞれ理由があります。大開口は創の離開、うつむきは創への張力と出血、サウナと飲酒は出血、喫煙は壊死、早期の強いマッサージは縫合のずれ。どれも、避けるだけの理由があります。

11. 効果の持続:どれくらい続くのか

「半永久的」「10年はもつ」「加齢でまた垂れる」。説明が食い違う理由も、筋肉の上と下で分けると見えてきます。

戻る層と、戻らない層。筋肉の上の皮下脂肪は、体重が増えれば戻ります。筋肉の下の脂肪は、もともと体重変動に鈍く、切除すれば戻りにくい。顎下腺と顎二腹筋は、切除した分が元に戻ることは基本的にありません。皮膚は、手術の有無にかかわらず老化を続けます。ですから「何年もつか」は一律には言えず、どの層を、どう処理したかで決まります。

12. まとめ:境界線は、首の一枚の筋肉

あごの下の膨らみは、広頸筋という一枚の薄い筋肉を境に、上と下に分かれます。

・筋肉の上(皮膚・皮下脂肪)は、ダイエットや脂肪吸引、HIFUで減らせる層です。
・筋肉の下(深い脂肪・顎二腹筋・顎下腺・骨格)は、痩せても減らず、機器も吸引も届かない層です。

痩せても消えない、吸引しても残った、機器で変わらなかった。この3つの悩みは、いずれも膨らみが筋肉の下にあることを示しています。

「ペリカン手術」は、あごの下を切開して、筋肉そのものと、必要に応じて筋肉の下まで直視下で処理する手術です。ただし同じ名前でも、筋肉を縫い寄せるだけのものから、深い脂肪・顎二腹筋・顎下腺まで処理するものまで、中身は3段階に分かれます。どこまで降りるかで、傷の長さ、リスク、回復の期間、効果の持続が変わります。

膨らみが上にあるのか、下にあるのか。まずそこを確かめることが、治療を選ぶ前の最初の一歩です。

本記事で解説した手術は保険適用外の自由診療です。費用や治療内容の詳細は施術ページをご覧ください。

(本コラムの内容は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針は主治医にご相談ください。)

written by

医師

櫻井 洸貴

KOKI SAKURAI

形成外科で培った精密な技術を活かし、傷跡までを見据えた美しいボディライン形成を追求しています。
細部にこだわるデザインと確かな手技で、理想の仕上がりをともに実現していきます。

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