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2026.11.04

  • 脂肪吸引
村上 大悟

美容外科医が本当に解説する顔の脂肪吸引完全ガイド:第13章 症例別に考える顔の脂肪吸引の治療戦略

【連載目次】美容外科医が本当に解説する顔の脂肪吸引完全ガイド

第1章 顔の脂肪吸引とは何か
第2章 顔が大きく見える本当の原因
第3章 顔面解剖学から理解する顔の脂肪吸引
第4章 顔の老化と脂肪の役割
第5章 適応・適応外
第6章 術前診察で美容外科医が見ているポイント
第7章 デザイン理論
第8章 ベイザー脂肪吸引とは
第9章 実際の手術
第10章 ダウンタイム
第11章 合併症
第12章 他施術との違い
第13章 症例ごとの治療戦略
第14章 Casa de GRACIA GINZAが目指す輪郭形成
第15章 FAQ

美容外科医はどのように診断し、どのような治療を提案するのか

この記事のポイント
・顔の脂肪吸引は「すべての人に同じ方法を行う治療」ではありません。
・骨格、脂肪、皮膚の状態、筋肉、加齢変化などを総合的に評価し、それぞれに適した治療方針を立てます。
・症例ごとに原因が異なるため、治療戦略も異なります。

はじめに

「友人が脂肪吸引で小顔になったから、自分も同じ施術を受けたい。」
診察では、このようなお話を伺うことがあります。
しかし、美容外科医の視点では、同じ「フェイスラインの悩み」でも原因はまったく異なることが少なくありません。
輪郭形成で最も重要なのは、「どの施術を受けるか」ではなく、「なぜその輪郭になっているのか」を診断することです。
ここでは、代表的な症例ごとに、診断の考え方と治療戦略を解説します。

症例① 皮下脂肪が主体の丸顔タイプ

特徴

・頬からフェイスラインにかけて全体的に丸みがある
・顎下にも皮下脂肪が認められる
・年齢は比較的若く、皮膚の弾力が保たれていることが多い

診断のポイント

このタイプでは、輪郭が丸く見える主な原因が皮下脂肪であることが多く、顔の脂肪吸引が有力な選択肢になります。
ただし、「丸顔=すべて脂肪」というわけではなく、頬骨や下顎骨の形態、咬筋の発達も併せて評価する必要があります。

治療戦略

皮下脂肪を適切に減量しながら、中顔面の立体感は維持し、フェイスラインを自然に整えることを目指します。

症例② 顎下脂肪が目立つタイプ

特徴

・横顔で顎と首の境界が曖昧
・二重顎が気になる
・正面より側面で悩みを感じやすい

診断のポイント

顎下のふくらみは、皮下脂肪だけでなく、皮膚のたるみや骨格の影響を受けることもあります。
特に下顎後退(オトガイ後退)がある場合は、脂肪吸引だけでは横顔の印象改善が限定的となることがあります。

治療戦略

皮下脂肪が主体であれば脂肪吸引が適応となります。
一方で、骨格や皮膚の要素が強い場合は、それらも踏まえた総合的な治療計画を検討します。

症例③ ジョールによってフェイスラインがぼやけるタイプ

特徴

・口角の外側がふくらんで見える
・フェイスラインが直線ではなく段差を伴う
・加齢とともに変化を自覚することが多い

診断のポイント

ジョール部では、「脂肪が多い」のか、「脂肪が下垂している」のかを見極めることが重要です。
この違いによって、脂肪吸引、リフトアップ、あるいはその組み合わせを検討します。

治療戦略

単独の脂肪吸引ではなく、たるみの程度や皮膚の質を考慮しながら治療方針を決定します。

症例④ 痩せ型なのにフェイスラインがはっきりしないタイプ

特徴

・全身は細身
・体重を減らしてもフェイスラインが変わりにくい
・「顔だけ丸い」と感じている

診断のポイント

体重だけでは説明できない脂肪分布や骨格、皮膚の状態を評価します。
全身が痩せていても、局所的な皮下脂肪によって輪郭がぼやけて見えることがあります。
一方で、ボリューム不足や骨格の影響が主因である場合には、脂肪吸引が適さないこともあります。

治療戦略

皮下脂肪が原因であることを確認したうえで、過度な吸引を避けながら自然なフェイスラインを目指します。

症例⑤ たるみを伴うタイプ

特徴

・フェイスラインだけでなく皮膚のゆるみも気になる
・年齢とともに輪郭がぼやけてきた
・ジョールが目立つ

診断のポイント

このタイプでは、「脂肪」だけでなく「皮膚の支持力」も重要です。
皮膚の弾力性やたるみの程度を評価し、脂肪吸引単独で十分な改善が期待できるかを慎重に判断します。

治療戦略

必要に応じて糸リフトやエネルギーデバイスなど、たるみへのアプローチを組み合わせることで、より自然な輪郭形成を目指します。

症例⑥ 骨格の影響が強いタイプ

特徴

・エラや顎の形態が輪郭に大きく影響している
・皮下脂肪はそれほど多くない
・「顔が大きい」と感じているが、原因は骨格であることが多い

診断のポイント

骨格による輪郭の特徴は、脂肪吸引だけでは改善できません。
そのため、脂肪吸引を行うべきかどうかを慎重に判断する必要があります。

治療戦略

骨格、筋肉、脂肪のどの要素が輪郭に最も影響しているかを見極め、その原因に応じた治療を提案します。

「脂肪がある」ことと「脂肪が原因」は違う

診察で私たちが最も重視しているのは、この考え方です。
皮下脂肪が存在していても、それが輪郭の主な原因とは限りません。
骨格や筋肉、皮膚のたるみなど、複数の要素が重なり合って現在のフェイスラインが形成されています。
そのため、画像や触診、表情の変化などを総合的に評価し、「何が原因なのか」を見極めることが治療の第一歩になります。

Casa de GRACIA GINZAが考えるオーダーメイド診療

私たちは、あらかじめ決められた施術を提案するのではなく、診断結果に基づいて治療戦略を組み立てます。
同じ「小顔になりたい」というご希望でも、患者様ごとに最適な治療は異なります。
だからこそ、解剖学的な診断、美的バランスの評価、将来の加齢変化まで考慮したオーダーメイドの輪郭形成を大切にしています。
美容外科医の役割は、施術を提供することではなく、「患者様にとって最適な治療を選択すること」だと私たちは考えています。

まとめ

顔の脂肪吸引は、すべての患者様に同じ方法で行う治療ではありません。
丸顔、顎下脂肪、ジョール、たるみ、骨格など、それぞれ原因が異なるため、診断に応じた治療戦略が必要です。
Casa de GRACIA GINZAでは、一人ひとりの骨格や脂肪の分布、皮膚の状態、ライフスタイルやご希望まで含めて総合的に評価し、その方に最適な輪郭形成をご提案しています。

※顔の脂肪吸引は外科手術であり、腫れ・内出血・むくみ・拘縮・左右差・凹凸・感染などのリスクがあります。術後の経過は第10章、合併症とリスクは第11章で詳しく解説しています。

次章予告

第14章では、「Casa de GRACIA GINZAが目指す輪郭形成」をテーマに、当院の診療理念、解剖学に基づくオーダーメイドデザイン、長期的な美しさへの考え方、そして患者様へのメッセージをお伝えします。本コラムの総括として、美容外科医としての哲学をまとめます。

written by

医師

村上 大悟

DAIGO MURAKAMI

18年にわたり心臓・呼吸器を中心に幅広い手術を経験し、「低侵襲手術」を追求してきました。培った技術と判断力を活かし、科学的根拠に基づいた確かな美容医療で、理想の美を追求します。ぜひお気軽にご相談ください。

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