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2025.10.27
エラボトックスで憧れの小顔へ!効果・持続期間・クリニック選びの完全ガイド

フェイスラインの角張りや、顔が大きく見える原因となる「エラの張り」。骨格の問題だと諦めて、マッサージや小顔グッズで効果のないケアを続けていませんか?実は、その悩みの多くは、骨ではなく「筋肉」の発達が原因かもしれません。そんな筋肉によるエラの張りを、メスを使わずに注射だけで解消し、シャープなフェイスラインへと導くのが「エラボトックス」治療です。エラボトックスがなぜ小顔に効果があるのかという基本的な仕組みから、効果を実感できるまでの期間、持続させるためのコツ、そして後悔しないためのクリニック選びのポイントまで、あなたの疑問と不安を解消するための全知識を、専門的な視点から徹底的に解説します。憧れのVラインを手に入れるための、確かな第一歩を踏み出しましょう。

1. エラが張る原因は骨?筋肉?セルフチェック法

「自分のエラが張っているのは、生まれつきの骨格のせいだ」と思い込んでいる方は、実は非常に多くいらっしゃいます。もちろん、下顎骨(かがくこつ)の角、いわゆるエラ骨そのものが大きいことが原因の場合もありますが、多くの方、特に以前よりエラが目立つようになったと感じる方は、咬筋(こうきん)という筋肉が必要以上に発達していることが原因である可能性が高いのです。

エラを形成する2大要因

エラの張りを理解するためには、まずその原因が主に2つあることを知る必要があります。

  • 骨格による張り
    • 顔の土台となる下顎骨の形そのものが、横に広がっていたり、角張っていたりするタイプです。
  • 筋肉(咬筋)による張り
    • 咬筋は、下顎骨の外側に付着している、食べ物を噛むときに使う非常に力の強い筋肉です。この筋肉が、日常的な癖や習慣によって過剰に発達し、厚みを持つことで、エラが外側に張り出して見えてしまうのです。例えるなら、腕の力こぶがトレーニングで太くなるのと同じ現象が、エラで起きている状態です。

そして、この筋肉の発達によるエラの張りに対して、絶大な効果を発揮するのがエラボトックスなのです。では、ご自身のエラの張りが、骨と筋肉、どちらの要因が大きいのでしょうか。それを簡単に見極めるためのセルフチェック法をご紹介します。

今すぐできる!エラの原因セルフチェック

  1. まず、鏡の前に立ち、リラックスした状態でご自身のフェイスラインを確認します。
  2. 次に、左右のエラの部分(耳の下から顎先にかけての角張った部分)に、指先を軽く当てます。
  3. 指を当てたまま、奥歯を「ぐっ」と強く噛みしめてください
  4. その際に、指を当てている部分で、硬く、大きく、ポコッと盛り上がる筋肉の動きを感じられましたか?

もし、このチェックで指先に明らかな筋肉の盛り上がりを感じたなら、あなたのがエラの張りに悩む原因は、咬筋の発達である可能性が非常に高いと言えます。そしてそれは、エラボトックスによって改善が見込めるサインでもあります。逆に、噛みしめても筋肉の厚みにほとんど変化がなく、触れている部分が終始硬い骨の感触である場合は、骨格的な要因が大きいと考えられます。

多くの方は、骨格と筋肉の両方の要因が合わさっています。しかし、このセルフチェックで筋肉の存在をはっきりと確認できた方は、エラボトックスを試す価値が大いにあると言えるでしょう。

2. エラボトックスが小顔に効く仕組み

セルフチェックで咬筋の発達を確認できた方にとって、エラボトックスは非常に有効な選択肢です。では、なぜ注射一本で、頑固に張り出したエラの筋肉を小さくすることができるのでしょうか。その鍵は、ボトックスの主成分である「ボツリヌス・トキシン」の特異な働きにあります。

ボトックスとは?

まず、「ボトックス」という言葉について正しく理解しましょう。ボトックスとは、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質の一種である「A型ボツリヌス・トキシン」を、医療用に精製した製剤の商品名です(アラガン・ジャパン社製)。このボツリヌス・トキシンには、神経の末端から放出される伝達物質「アセチルコリン」の働きをブロックするという作用があります。

筋肉は、脳からの「動け」という指令が神経を通って伝わり、神経の末端でアセチルコリンが放出されることで、収縮します。ボツリヌス・トキシンは、このアセチルコリンの放出を局所的に抑制することで、筋肉の動きを一時的に麻痺させ、リラックスさせる効果を発揮します。この作用は、医療の現場で、顔面の痙攣や多汗症の治療などにも広く応用されています。

咬筋を「お休み」させて小さくする

このボトックスの作用を、発達しすぎたエラの咬筋に応用するのがエラボトックス治療です。

  1. エラの咬筋にボトックスを注入する
    • 発達した咬筋の適切な位置に、ボトックス製剤を注射します。
  2. 神経伝達がブロックされる
    • 注入されたボトックスが、咬筋を動かす神経に作用し、アセチルコリンの放出を妨げます。
  3. 咬筋がリラックス状態になる
    • 脳からの「動け(噛め)」という指令が伝わりにくくなり、咬筋は過剰な収縮をしなくなります。食事など、日常生活に必要な最低限の動きは他の筋肉が代行するため、問題はありません。
  4. 筋肉が徐々に小さくなる(廃用性萎縮)
    • 筋肉は、使われなくなると自然にボリュームが減っていきます。例えば、骨折してギプスで固定していた腕や脚の筋肉が、ギプスを外した時に細くなっているのと同じ「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」という原理です。過剰な緊張から解放された咬筋は、数週間かけて徐々にその厚みを減らしていきます。

つまり、エラボトックスは、筋肉そのものを溶かしたり無くしたりするのではなく、筋肉の働きを一時的に「お休み」させることで、自然なプロセスで筋肉をボリュームダウンさせる治療法なのです。この科学的なメカニズムにより、メスを使わずにエラの張りを解消し、シャープなフェイスラインを実現することができるのです。

3. 効果はいつから実感できる?変化の過程

エラボトックスの施術を受けたら、すぐに小顔になれるのだろうか?これは、施術を検討している方が抱く最も大きな関心事の一つでしょう。結論から言うと、エラボトックスの効果は、注入直後に現れるものではなく、時間をかけてゆっくりと、しかし確実に現れてきます。この穏やかな変化の過程を事前に知っておくことは、施術後の満足度を高める上で非常に重要です。

施術直後〜1週間:変化のない期間

施術を受けた直後は、注射によるわずかな腫れや赤みが出ることがありますが、小顔効果という点では、見た目にほとんど変化はありません。ボトックス製剤が神経に作用し、筋肉の動きを抑制し始めるまでには、数日間の時間が必要だからです。この時期は、「本当に効くのかな?」と少し不安に思うかもしれませんが、効果が現れるための準備期間と捉え、焦らずに待ちましょう。

施術後2〜4週間:効果を実感し始める期間

施術から2週間ほどが経過すると、少しずつ変化を感じ始める方が多くなります。

  • 触った時の感覚の変化:奥歯をぐっと噛みしめてエラを触ってみると、施術前のような硬い筋肉の盛り上がりが、明らかに弱くなっていることに気づくでしょう。
  • 見た目の変化の始まり:この頃から、フェイスラインが少しすっきりしてきた、シャープになった、と感じ始める方が増えてきます。特に、ご自身の顔を毎日見ている本人や、ご家族など、身近な人が変化に気づきやすい時期です。他人から「痩せた?」と聞かれるようになるのも、この時期あたりからかもしれません。

咬筋の動きが抑制され、筋肉のボリュームダウン(廃用性萎縮)が本格的に始まるのがこの期間です。

施術後1〜3ヶ月:効果のピーク

エラボトックスの小顔効果が最もはっきりと現れるのが、施術後1ヶ月から3ヶ月後です。この時期には、咬筋の萎縮が最大限に進み、誰が見ても分かるレベルでフェイスラインがすっきりとし、シャープなVラインに近づきます。 施術前とこの時期の写真を比較すると、その変化は一目瞭然でしょう。エラの角張りが取れ、顔の横幅が小さくなることで、相対的に目や鼻などのパーツが引き立ち、より洗練された印象になります。

このように、エラボトックスの効果は、ある日突然現れるのではなく、約3ヶ月という時間をかけて、ゆっくりと完成していくのが特徴です。この穏やかな変化は、周囲の人に美容医療を受けたことを気づかれにくい、という大きなメリットにも繋がります。「急に顔が変わった」のではなく、「なんだか最近、痩せて綺麗になった」という自然な印象を与えたい方にとって、エラボトックスは非常に適した施術と言えるでしょう。

4. どのくらい持続する?効果を長持ちさせるコツ

エラボトックスで手に入れたシャープなフェイスライン。できることなら、この効果を一日でも長く維持したいと思うのは当然のことです。エラボトックスの効果は永久的なものではありませんが、その持続期間を正しく理解し、いくつかのコツを実践することで、より長く効果を享受することが可能になります。

効果の持続期間は「4ヶ月〜6ヶ月」が目安

一般的に、エラボトックスの効果の持続期間は、初回の場合で約4ヶ月から6ヶ月程度とされています。

ボトックス製剤の効果は、時間とともに徐々に薄れていきます。注入後4ヶ月を過ぎたあたりから、ブロックされていた神経伝達が少しずつ回復し始め、咬筋も再び活動を始めます。それに伴い、一度小さくなった筋肉も、使われることで徐々に元の大きさに戻ろうとしていきます。完全に元の状態に戻るまでには、さらに数ヶ月の時間がかかりますが、効果の終わりを感じ始めるのが、およそ半年後と考えておくと良いでしょう。

効果を長持ちさせるための最大のコツ:「継続は力なり」

エラボトックスの効果を最も効果的に長持ちさせる方法は、「定期的に施術を継続すること」です。

  • 完全に元に戻る前に次の注入を:効果が完全に切れて、咬筋が元の大きさに戻ってしまってから次の注入を行うよりも、まだ効果が残っている4〜6ヶ月の間隔で次の注入を行うのがお勧めです。
  • 継続による持続期間の延長:施術を継続すると、咬筋が小さい状態で維持される期間が長くなります。筋肉自体が「あまり使わなくても良い」という状態を記憶し、萎縮した状態が定着しやすくなるためです。回数を重ねるごとに、効果の持続期間が延びていく傾向があり、施術間隔が半年から1年へと徐々に開いていく方も少なくありません。
  • 後戻りの抑制:定期的な注入を続けることで、たとえ施術をやめたとしても、咬筋が施術前のように過剰に発達した状態にまで戻りにくくなる効果も期待できます。

日常生活でできる、もう一つのコツ

定期的な施術に加えて、日常生活の中で咬筋に過剰な負担をかけないように意識することも、効果を長持ちさせる上で非常に重要です。

  • 歯ぎしり・食いしばりの癖を意識する:日中、無意識に歯を食いしばっていることはありませんか?ストレスや集中している時に起こりがちなこの癖は、咬筋を常にトレーニングしているようなものです。意識的に上下の歯を離し、肩の力を抜く習慣をつけましょう。
  • 硬い食べ物を控える:ガムを頻繁に噛む、スルメやナッツ類など硬いものを好んで食べる、といった習慣は、咬筋を鍛え、ボトックスの効果を弱める原因になります。完全に断つ必要はありませんが、過度な摂取は控えるのが賢明です。
  • 歯科でのマウスピース作成:就寝中の歯ぎしりがひどい場合は、咬筋への負担を軽減するために、歯科でご自身に合ったマウスピース(ナイトガード)を作成してもらうのも非常に有効な手段です。

このように、クリニックでの定期的なメンテナンスと、ご自身のセルフケアを組み合わせることで、エラボトックスの効果を最大限に引き出し、理想のフェイスラインを長く維持していくことができるのです。

5. 歯ぎしりや食いしばりへの効果も

エラボトックスは、小顔効果やフェイスラインの改善といった美容目的で注目されがちですが、実は多くの方が悩んでいる「歯ぎしり」や「食いしばり」といった症状に対しても、非常に高い改善効果を発揮します。これは、エラボトックスが持つ、筋肉の緊張を和らげるという本質的な作用によるものであり、見た目の美しさだけでなく、QOL(生活の質)の向上にも大きく貢献する、重要な側面です。

歯ぎしり・食いしばりの原因と悪影響

歯ぎしり(ブラキシズム)や食いしばりは、睡眠中や日中の集中時などに、無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせたり、噛みしめたりする癖のことです。その主な原因は、ストレスや不安、噛み合わせの問題などが挙げられますが、いずれの場合も咬筋の過剰な緊張が背景にあります。

  • 歯へのダメージ:健康な歯が欠けたり、すり減ったり、ひびが入ったりする原因になります。詰め物や被せ物が頻繁に取れる方も、歯ぎしりが原因かもしれません。
  • 顎関節症のリスク:顎の関節に過度な負担がかかり、「口が開けにくい」「顎がカクカク鳴る」「顎が痛む」といった顎関節症の症状を引き起こすことがあります。
  • 頭痛や肩こり:咬筋は、側頭筋など頭部や首の筋肉と連動しています。咬筋が常に緊張していると、その緊張が周囲の筋肉にも波及し、慢性的な頭痛や肩こりの原因となることがあります。
  • エラの張り:そして、美容面での問題として、咬筋が常にトレーニングされている状態になり、筋肉が発達してエラが張ってしまいます。

エラボトックスによる改善メカニズム

エラボトックスは、この問題の根源である咬筋の過剰な働きそのものを、ピンポイントで抑制します。ボトックスを咬筋に注入することで、筋肉を動かす神経伝達が弱まり、無意識下での強力な噛みしめや、歯をこすり合わせる力が物理的に弱まるのです。

これにより、上記のような様々な症状が劇的に改善されることが期待できます。

  • 歯ぎしりのギリギリという音がなくなり、パートナーの睡眠を妨げることがなくなる。
  • 朝起きた時の、顎のだるさや痛みが軽減される。
  • 原因不明の頭痛や肩こりが楽になる。
  • そして、咬筋のボリュームが減ることで、フェイスラインがすっきりとシャープになる。

実際に、歯科医院で歯ぎしりの治療としてエラボトックスを勧められるケースも増えています。小顔になりたいという美容目的で施術を受けた方が、長年悩んでいた歯ぎしりや頭痛まで改善され、その思わぬ効果に驚かれることも少なくありません。エラボトックスは、単に見た目を美しくするだけでなく、健康面での悩みまで解決に導くポテンシャルを秘めた、非常に合理的な治療法と言えるのです。

6. エラボトックスのダウンタイムと副作用

エラボトックスが非常に人気のある施術である理由の一つに、ダウンタイムがほとんどないという手軽さが挙げられます。メスを使う手術とは異なり、日常生活への影響を最小限に抑えながら、効果的な小顔治療が可能です。しかし、医療行為である以上、副作用やリスクが全くないわけではありません。ここでは、ダウンタイムの実際と、考えられる副作用について、正しく理解しておきましょう。

ダウンタイムはほぼ「ゼロ」

ダウンタイムとは、施術を受けてから、通常の生活に戻れるまでの回復期間のことを指します。エラボトックスの場合、このダウンタイムは実質的にない、と言っても過言ではありません。

  • 施術時間:注入自体は5分から10分程度で終了します。
  • 施術直後の状態:注入部位に、蚊に刺されたような小さな膨らみや、針穴程度の赤みが出ることがありますが、これらは数時間で自然に消えます。
  • 日常生活への復帰:施術当日から洗顔やシャワー、メイクも可能です。仕事や学校を休む必要は全くありません。

ただし、ごく稀に、注射針が皮下の毛細血管に当たってしまった場合に、小さな内出血が起こることがあります。これも1〜2週間程度で自然に消え、コンシーラーで十分にカバーできるレベルのものです。

考えられる副作用とリスク

エラボトックスは安全性の高い治療ですが、以下のような副作用やリスクが起こる可能性も理論的には存在します。これらの多くは、医師の技術力や知識によって回避できるものです。

  • 注入時の痛み
    • 注射針を刺す際に、チクっとした痛みを感じます。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方が我慢できる程度の軽い痛みです。希望すれば、冷却や表面麻酔クリームなどで痛みを和らげることも可能です。
  • 噛む力の低下・だるさ
    • 施術後1〜2週間、咬筋の働きが弱まることで、硬いものを噛む際に少し疲れを感じたり、だるさを感じたりすることがあります。しかし、食事に支障が出るほどの強い症状が出ることは極めて稀で、すぐに慣れて気にならなくなります。
  • 表情の違和感(笑顔が引きつるなど)
    • これは、ボトックスが咬筋の周囲にある、笑顔を作る筋肉(笑筋など)にまで効いてしまった場合に起こるリスクです。解剖学を熟知した経験豊富な医師が、正しい部位に適切な量を注入すれば、まず起こることはありません。医師の技術力が問われる部分です。
  • 頬のこけ
    • 元々頬がこけやすい方や、加齢によって頬のボリュームが減少している方に、必要以上の量を注入してしまうと、エラがすっきりするのと同時に、頬のこけが目立ってしまうことがあります。これも、医師が施術前に顔全体のバランスをしっかりと診察し、注入量を慎重に判断することで回避できます。

7. 失敗しないためのクリニック・医師の選び方

エラボトックスは、注射だけで手軽に受けられる施術ですが、その仕上がりは医師の知識、技術、そして美的センスに大きく左右されます。満足のいく結果を得て、「やってよかった」と心から思うためには、信頼できるクリニックと医師を選ぶことが最も重要なステップです。料金の安さだけに惑わされることなく、以下のポイントを参考に、ご自身の顔を安心して任せられるパートナーを見つけましょう。

ポイント1:カウンセリングの質を見極める

良いクリニックは、必ずカウンセリングを重視します。カウンセリングは、単に施術の説明を受ける場ではなく、医師があなたの状態を正確に診断し、あなたと医師がゴールを共有するための重要な時間です。

  • 医師による丁寧な診察:あなたの話を親身に聞いた上で、実際にエラに触れ、咬筋の発達具合、左右差、骨格とのバランスなどをしっかりと診察してくれるか。流れ作業のように、カウンセラーだけの説明で終わらせるクリニックは要注意です。
  • メリットとデメリットの正直な説明:小顔になるというメリットだけでなく、前述したような副作用やリスク、効果の限界についても、包み隠さず正直に説明してくれるかは、医師の誠実さを見極める大きな指標です。
  • あなたに合った提案:あなたの顔全体のバランスを見て、「あなたの場合は、このくらいの注入量が自然で美しい」「これ以上入れると頬がこけて見える可能性がある」など、画一的ではない、あなた個人に合ったオーダーメイドの提案をしてくれる医師は信頼できます。

ポイント2:医師の経験と技術力

エラボトックスは、シンプルに見えて非常に奥が深い施術です。

  • 解剖学への深い理解:咬筋の位置や大きさ、その周りにある血管や神経、表情筋の走行などを正確に理解していることが、安全で効果的な注入の絶対条件です。
  • 豊富な症例経験:これまでに多くのエラボトックスの施術を手がけている医師は、様々なタイプの患者様に対応してきた経験から、最適な注入ポイントと量を的確に判断する能力に長けています。クリニックのウェブサイトで、医師が監修した症例写真が豊富に掲載されているかも、一つの参考になります。

ポイント3:使用する製剤の品質と透明性

「ボトックス」と一括りにされがちですが、実際には様々なメーカーのボツリヌス・トキシン製剤が存在します。

  • 承認された製剤の使用:日本国内で、眉間の表情じわと目尻の表情じわの治療において厚生労働省の承認を得ているのは、アラガン・ジャパン社の「ボトックスビスタ®」のみです。品質や安全性が公的に認められている製剤を扱っているかは、クリニックの信頼性を測る上で重要です。その他、韓国製の製剤なども広く使われていますが、どの製剤を使用しているのかを明確に提示し、それぞれの特徴を説明してくれるクリニックを選びましょう。
  • 料金体系の明確さ:「エラボトックス一式〇〇円」という表記だけでなく、「1単位あたりいくら」といった、使用量に基づいた料金体系が明示されていると、より透明性が高いと言えます。

8. ボトックス注入後の注意点(硬いものを避ける等)

エラボトックスはダウンタイムがほとんどない手軽な施術ですが、施術効果を最大限に引き出し、不要なトラブルを避けるために、施術後に守っていただきたいいくつかの注意点があります。これらは決して難しいことではなく、少し意識するだけで実践できることばかりです。施術後の数週間を正しく過ごすことが、理想のフェイスラインへの最後の仕上げとなります。

施術当日の過ごし方

施術当日は、注入されたボトックス製剤が安定し、内出血などのリスクを最小限に抑えるために、以下の行為は避けるようにしましょう。

  • 血行が良くなる行為
    • 長時間の入浴やサウナ、岩盤浴:体温が上がり、血流が促進されると、注射部位の内出血のリスクが高まります。当日は、軽いシャワー程度で済ませるのが賢明です。
    • 激しい運動:ランニングや筋力トレーニングなど、心拍数が上がる運動も同様の理由で控えましょう。
    • 飲酒:アルコールは血管を拡張させる作用があるため、施術当日の飲酒は避けてください。
  • 注入部位への刺激
    • マッサージやエステ:注入部位を強く揉んだり、マッサージしたりすると、注入したボトックスが周囲の意図しない筋肉にまで拡散してしまう可能性があります。少なくとも1週間程度は、顔のマッサージやエステは控えましょう。

施術後、数週間〜1ヶ月の注意点

ボトックスの効果が現れ始め、咬筋が小さくなっていく大切な期間です。この時期に、咬筋を再び鍛えるような行為をしてしまうと、効果が十分に得られない可能性があります。

  • 硬い食べ物を頻繁に食べる習慣の見直し
    • これが最も重要なポイントです。咬筋の働きを弱めている期間に、ガム、スルメ、ナッツ類、せんべいなど、強い力で噛みしめる必要がある食べ物を日常的に摂取することは、いわば「弱った筋肉を無理やりトレーニングする」ようなものです。
    • もちろん、食事でたまに食べる程度であれば問題ありませんが、習慣的に硬いものを好んで食べる方は、効果が安定するまでの少なくとも1ヶ月間は、意識的に控えることをお勧めします。
  • 歯ぎしり・食いしばりの意識
    • 日中に無意識に歯を食いしばる癖がある方は、意識して上下の歯を離し、顎の力を抜くように心がけましょう。「リラックス」と書いた付箋をPCに貼るなど、視覚的に意識する工夫も有効です。
  • うつ伏せ寝
    • うつ伏せで寝ると、長時間にわたって顎に圧力がかかる可能性があります。できるだけ仰向けや横向きで寝るように心がけましょう。

これらの注意点を守ることは、ボトックスの効果を最大限に発揮させるだけでなく、咬筋を再び発達させないための良い生活習慣を身につけるきっかけにもなります。施術を機に、ご自身の日常の癖を見直してみてはいかがでしょうか。

9. 必要な注入量と費用相場

エラボトックスを受けようと決めた時、具体的にどのくらいの量が必要で、費用はいくらかかるのかは、誰もが気になる現実的な問題です。これらは、エラの張り具合やクリニックの方針によって異なりますが、一般的な目安と費用の考え方について解説します。

必要な注入量:「単位(たんい)」で考える

ボトックスの量は、「単位(Unit)」という世界共通の基準で表されます。エラボトックスに必要な注入量は、咬筋の大きさや厚みによって個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 標準的なエラの張りの方:片側20〜30単位(両側で合計40〜60単位)
  • 筋肉がかなり発達している方(男性など):片側30〜50単位(両側で合計60〜100単位)

カウンセリングの際に、医師があなたの咬筋を実際に触診し、最適な注入量を提案してくれます。初めての方は、まず標準的な量から始め、効果の出方を見ながら次回の注入量を調整していくのが一般的です。少なすぎると効果が十分に得られず、逆に多すぎると頬がこけてしまうリスクがあるため、医師の的確な診断が非常に重要になります。

費用相場と価格差の理由

エラボトックスの費用は、クリニックによって大きく異なり、両側で2万円台から10万円以上と、かなりの幅があります。この価格差は、主に以下の要因によって生まれます。

  • 使用するボツリヌス・トキシン製剤の種類
    • アラガン社製「ボトックスビスタ®」:厚生労働省承認の製剤であり、品質や安全性が高く評価されています。その分、価格も高めに設定されています。
    • 韓国製などの後発品:ボトックスビスタ®のジェネリック医薬品に相当する製剤です。価格は比較的安価ですが、効果の持続期間やタンパク質の含有量などに違いがあるとされています。
  • 料金設定の方法
    • 部位ごとの一律料金:「両側エラ 1回 〇〇円」という設定。必要な単位数に関わらず料金が固定されているため、分かりやすいのがメリットです。
    • 単位ごとの料金:「1単位 〇〇円」という設定。ご自身の筋肉量に合わせて、必要な分だけ注入してもらえるため、無駄がなく合理的です。
  • 医師の技術料やクリニックのブランド価値
    • 経験豊富な医師による施術や、手厚いアフターフォロー、立地条件なども価格に反映されます。

なぜこれほど価格差があるのかを理解し、安さだけで選ばないことが重要です。例えば、極端に安いクリニックの場合、承認された製剤を薄めて使用していたり、経験の浅い医師が担当したりする可能性も否定できません。カウンセリングの際に、使用する製剤の名前、必要な単位数とその根拠、そして総額費用を明確に確認し、ご自身が納得できる、信頼のおけるクリニックを選ぶようにしましょう。

10. エラボトックスでシャープなフェイスラインを

エラの張りという長年のコンプレックスは、もう骨格のせいだと諦める必要はありません。その原因が咬筋の発達にあるならば、エラボトックスは、あなたの悩みを解決するための、非常にスマートで効果的なソリューションとなり得ます。

メスを使わない、という大きなメリット

エラボトックスの最大の魅力は、メスを一切使わずに、注射だけでフェイスラインを劇的に変えることができる点にあります。

  • 手軽さと短い施術時間:施術はわずか5〜10分。ランチタイムの時間を利用して受けることも可能です。
  • ダウンタイムがほぼない:施術後に腫れや痛みが長引くことはほとんどなく、すぐに日常生活に戻れます。周囲に気づかれることなく、自然に美しくなりたいという願いを叶えます。
  • 可逆性(元に戻る)という安心感:万が一、仕上がりがイメージと異なったとしても、効果は4〜6ヶ月で自然に切れて元に戻ります。外科手術のように、一度行ったら後戻りできない、という精神的な負担が少ないのも大きなメリットです。

美容と健康、両方へのアプローチ

エラボトックスは、単にエラをすっきりさせて小顔に見せるという美容的な効果に留まりません。咬筋の過剰な緊張を和らげることで、歯ぎしりや食いしばりといった、健康に関わる問題の改善にも繋がります。これにより、歯の健康を守ったり、慢性的な頭痛や肩こりが軽減されたりと、QOL(生活の質)そのものを向上させる効果も期待できるのです。見た目のコンプレックス解消が、心身の健康にも良い影響をもたらす、非常に合理的な治療と言えるでしょう。

成功への鍵は、あなた自身の選択に

エラボトックスで理想のフェイスラインを手に入れるための最後の、そして最も重要なステップは、正しい知識を持って、信頼できるクリニックと医師を選ぶことです。この記事で解説した、エラの張りの原因、ボトックスの仕組み、効果の過程、そしてリスク。これらの情報を武器に、ぜひ複数のクリニックでカウンセリングを受けてみてください。あなたの悩みに真摯に向き合い、あなたにとって最善の提案をしてくれる医師が、きっと見つかるはずです。

エラの張りが解消されると、フェイスラインがシャープになるだけでなく、顔全体の印象が洗練され、自信に満ちた表情が生まれます。エラボトックスで、新しい自分に出会うための一歩を踏み出してみませんか。

まとめ

エラの張りの多くは、骨格ではなく咬筋(こうきん)の発達が原因であり、これは簡単なセルフチェックで確認できます。エラボトックスは、この発達しすぎた咬筋の働きをボツリヌス・トキシン製剤で一時的にリラックスさせ、筋肉を自然にボリュームダウンさせることで、シャープな小顔効果をもたらす治療です。効果は施術後2〜4週間で現れ始め、1〜3ヶ月でピークに達し、約4〜6ヶ月持続します。ダウンタイムはほとんどなく、歯ぎしりや食いしばりの改善といったメリットもあります。成功の鍵は、自身の状態を正しく理解し、リスクや費用相場も把握した上で、信頼できるクリニックと医師を選ぶことです。メスを使わずに憧れのフェイスラインを手に入れたい方にとって、エラボトックスは非常に有効な選択肢と言えるでしょう。

 

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。