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2025.9.30
毛穴の悩み、もう終わりにしたい!原因から治し方まで専門家が完全ガイド

「ファンデーションでも隠しきれない、頬のぽっかり毛穴」「鼻の頭の黒いブツブツが、いちごみたいで気になる…」

毛穴の悩みは、性別や年齢を問わず、多くの人々が抱える根深い肌トラブルです。自己流のケアを色々試してはみるものの、角栓パックで悪化させたり、高価な化粧品が効かなかったりと、”毛穴迷子”になっていませんか?その悩み、もう終わりにしましょう。

この記事では、美容皮膚科の専門家の視点から、毛穴問題の核心に迫ります。なぜあなたの毛穴は目立つのかという根本原因の解明から、タイプ別の正しい見分け方、日々のスキンケア、そして最新の美容医療まで、毛穴を本気で改善するための全知識を、網羅的かつ徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたはもう毛穴のことで悩まない。自分の肌と正しく向き合い、自信に満ちた「毛穴レス」な未来へと続く、確かなロードマップを手にしているはずです。

1. 毛穴が目立つ根本的な原因とは?

毛穴は、皮膚に無数に存在する、体毛が生え、皮脂を分泌するための小さな穴です。本来、肉眼ではほとんど見えないほど小さいものですが、なぜ私たちの悩みの種になるほど目立ってしまうのでしょうか。その原因は、決して一つではありません。複数の要因が複雑に絡み合っています。

1-1. 皮脂の過剰分泌

毛穴が目立つ最も一般的な原因は、皮脂腺からの皮脂の過剰な分泌です。

  • メカニズム: ホルモンバランスの乱れ(特に男性ホルモンの影響)、脂質の多い食事、ストレス、高温多湿な環境などによって皮脂が過剰に分泌されると、皮脂の出口である毛穴は、その排出のために常に押し広げられた状態になります。これにより、毛穴の入り口が物理的に大きく見えてしまうのです。
  • 該当しやすい人: 脂性肌(オイリー肌)の方、10代〜20代の若年層、生活習慣が乱れがちな方。

1-2. 肌の弾力低下(たるみ)

加齢や紫外線ダメージは、肌のハリを支える重要な柱を破壊します。

  • メカニズム: 肌の真皮層には、ハリを司るコラーゲンや、弾力を司るエラスチンが存在します。加齢や、長年にわたる紫外線の蓄積(光老化)によってこれらが減少・変性すると、肌は土台を失って重力に逆らえなくなり、たるみ始めます。皮膚がたるむと、本来は丸い形をしていた毛穴も、皮膚の伸びる方向に引っ張られて、涙形(しずく型)に歪んでしまいます。 この歪んだ毛穴同士が連なって見えることで、帯状の「たるみ毛穴」として非常に目立つようになります。
  • 該当しやすい人: 30代後半以降の方、紫外線対策を怠ってきた方。

1-3. 角化異常と角栓の詰まり

肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のリズムが乱れることも、毛穴を目立たせる大きな要因です。

  • メカニズム: 通常、古い角質は自然に剥がれ落ちていきます。しかし、乾燥や紫外線、生活習慣の乱れなどでターンオーバーが滞ると、剥がれ落ちるべき古い角質が毛穴の周りに蓄積し、分厚くなります。この肥厚した角質が、毛穴の出口をすり鉢状に広げて見せるのです。さらに、この古い角質と過剰な皮脂、メイク汚れなどが混ざり合って固まると「角栓」となり、毛穴を物理的に詰まらせてしまいます。
  • 該当しやすい人: 乾燥肌・混合肌の方、スキンケアが不適切な方。

これら3つの原因は独立しているわけではなく、「皮脂が多いから毛穴が開き、そこに角質が詰まり、さらに加齢でたるむ」というように、相互に影響し合いながら、毛穴の悩みを深刻化させていくのです。

2. あなたの毛穴はどのタイプ?種類と見分け方

効果的なケアを行うためには、まず自分の毛穴がどのタイプに当てはまるのかを正確に知ることが不可欠です。鏡をよく見て、自分の毛穴を観察してみましょう。

Type 1:詰まり毛穴(角栓毛穴)

  • 見分け方:
    • 鼻の頭や小鼻、あごなどに多く見られる。
    • 毛穴に白い角栓(コメド)が詰まっている「白ニキビ予備軍」の状態。
    • 角栓が酸化して黒く見える「黒ずみ毛穴(いちご鼻)」もこのタイプ。
    • 触るとザラザラとした感触がある。
  • 主な原因: 皮脂の過剰分泌、ターンオーバーの乱れによる角質肥厚、クレンジング不足。

Type 2:開き毛穴

  • 見分け方:
    • Tゾーン(額、鼻)や頬の内側に多く見られる。
    • 毛穴が丸く、ぽっかりと開いているように見える。
    • 特に皮脂分泌が活発な時に目立ちやすい。
  • 主な原因: 皮脂の過剰分泌。遺伝的な毛穴の大きさ。

Type 3:たるみ毛穴(帯状毛穴)

  • 見分け方:
    • 頬に多く見られる。
    • 毛穴の形が、涙形(しずく型)や楕円形に伸びている。
    • これらの毛穴が連なって、線(小じわ)のように見えることがある。
    • 肌を指で軽く持ち上げると、毛穴が目立たなくなる。
  • 主な原因: 加齢や紫外線ダメージによるコラーゲン・エラスチンの減少(たるみ)。

Type 4:メラニン毛穴(黒ずみ毛穴の一種)

  • 見分け方:
    • 毛穴のフチが、色素沈着によって黒〜茶色くリング状に見える。
    • 角栓を取り除いても、黒ずみが改善しない。
    • 触ってもザラザラ感はない。
  • 主な原因: 紫外線ダメージ、毛穴パックや指で押し出すなどの物理的な刺激による炎症後色素沈着。

あなたの毛穴は、一つのタイプだけではなく、例えば「開き毛穴と詰まり毛穴が混在している」「たるみ毛穴のフチが黒ずんでいる(メラニン毛穴との複合)」というケースも少なくありません。自分の肌状態を正しく把握することが、正しいケアへの第一歩です。

3. 自宅でできる正しいスキンケアの全ステップ

毛穴ケアの基本は、毎日の地道なスキンケアにあります。「落とす」「潤す」「守る」の3つの柱を正しく実践することが、全ての毛穴悩みの改善に繋がります。

ステップ1:落とすケア(クレンジング・洗顔)

  • 目的: 毛穴を詰まらせる原因となる、メイク汚れ、過剰な皮脂、古い角質を優しく、しかし確実に取り除く。
  • クレンジング:
    • オイルやバームなど、メイクと素早く馴染む洗浄力の高いものを選びましょう。
    • ポイントは「乳化」です。少量のぬるま湯を手に取り、クレンジング剤と馴染ませて白っぽく乳化させることで、肌に負担をかけずに、毛穴の奥の汚れまでスッキリと洗い流せます。
  • 洗顔:
    • 洗顔料は、レモン1個分くらいの弾力のある泡を、手または泡立てネットでしっかりと作ります。
    • 泡をクッションにして、肌の上で転がすように洗います。指が直接肌に触れないようにするのがコツです。
    • 洗い流す際は、32℃前後のぬるま湯で、最低20回はすすぎましょう。熱すぎるお湯は肌の乾燥を招き、冷水は皮脂が固まってしまい、逆効果です。

ステップ2:与えるケア(保湿)

  • 目的: 肌に十分な水分を与え、バリア機能を整える。肌が潤うことで、過剰な皮脂分泌が抑制され、肌がふっくらとして毛穴が目立ちにくくなる。
  • 化粧水:
    • 洗顔後、500円玉大の化粧水を手に取り、顔全体を優しく包み込むようにハンドプレスで馴染ませます。これを2〜3回繰り返す「重ねづけ」が効果的です。
  • 美容液:
    • 後述する、毛穴に特化した有効成分(ビタミンC、レチノールなど)をここで投入します。
  • 乳液・クリーム:
    • 化粧水で与えた水分が蒸発しないように、油分で蓋をします。
    • 脂性肌の方でも、乳液やジェル状の軽いクリームは必須です。油分が不足すると、肌はかえって皮脂を過剰に分泌しようとします(インナードライ)。
    • たるみ毛穴が気になる方は、ハリを与えるエイジングケア用のクリームがおすすめです。

ステップ3:守るケア(紫外線対策)

  • 目的: 毛穴悩みの全ての元凶とも言える紫外線をブロックする。
  • 日焼け止め:
    • 一年365日、天候や屋内外を問わず、必ず日焼け止めを使用する習慣をつけましょう。
    • SPF30・PA+++以上を目安に、ライフスタイルに合わせて選びます。
    • 朝塗って終わりではなく、2〜3時間おきに塗り直すことが、効果を持続させる上で最も重要です。

この3ステップを毎日丁寧に行うことが、遠回りのようで、実は毛穴改善への一番の近道なのです。

4. 毛穴悩みに効果的な成分(ビタミンC・レチノール等)

日々のスキンケアに、毛穴悩みに特化した有効成分を組み込むことで、ケアの効果を飛躍的に高めることができます。

  • ビタミンC(特にビタミンC誘導体):
    • 効果: 皮脂分泌の抑制、コラーゲン生成の促進、抗酸化作用によるメラニン生成の抑制。
    • 適した毛穴タイプ: 開き毛穴、たるみ毛穴、メラニン毛穴の全てに対応できる、まさに万能成分です。皮脂のコントロールから、たるみの引き締め、色素沈着のケアまで、多角的にアプローチします。
  • レチノール(ビタミンAの一種):
    • 効果: 肌のターンオーバーを強力に促進し、角質肥厚を改善。皮脂腺の働きを正常化し、皮脂分泌をコントロール。真皮のコラーゲン生成を促し、肌のハリを高める。
    • 適した毛穴タイプ: 詰まり毛穴、開き毛穴、たるみ毛穴。特に、ターンオーバー促進による角栓の排出効果と、皮脂コントロール効果に優れています。ただし、A反応(赤み、皮むけ)が出ることがあるため、低濃度のものから少量ずつ試す必要があります。
  • BHA(サリチル酸):
    • 効果: 脂溶性であるため、皮脂が詰まった毛穴の内部によく浸透し、角栓を溶かし出す効果が高い。
    • 適した毛穴タイプ: 詰まり毛穴、開き毛穴。特に、いちご鼻のような頑固な角栓に効果的です。
  • AHA(グリコール酸、乳酸など):
    • 効果: 水溶性で、肌表面の古い角質を除去する作用に優れる。肌のゴワつきを改善し、ターンオーバーを整える。
    • 適した毛穴タイプ: 詰まり毛穴。角質肥厚による毛穴の目立ちにアプローチします。
  • ナイアシンアミド(ビタミンB3):
    • 効果: 皮脂分泌をコントロールし、肌のバリア機能を強化。抗炎症作用もある。
    • 適した毛穴タイプ: 開き毛穴、たるみ毛穴。穏やかに作用するため、敏感肌の方でも使いやすいのが特徴です。

これらの成分は、美容液やクリームに配合されています。自分の毛穴タイプと肌質に合った成分を選び、日々のケアに取り入れてみましょう。

5. やってはいけないNG毛穴ケア

良かれと思ってやっているケアが、実は毛穴の状態を悪化させているかもしれません。今すぐやめるべきNGケアを確認しましょう。

  • 剥がすタイプの毛穴パックの使いすぎ:
    • 角栓がごっそり取れて爽快感がありますが、これは必要な角質まで無理やり剥がし取ってしまい、肌のバリア機能を著しく低下させます。また、パックの刺激がメラニン毛穴や、さらなる角化異常を招く悪循環に陥ります。
  • 指や器具で角栓を無理やり押し出す:
    • 指や爪で角栓を押し出す行為は、毛穴の周りの皮膚を傷つけ、炎症やクレーター状のニキビ跡の原因となります。また、毛穴がさらに開いてしまうリスクも非常に高いです。
  • ゴシゴシ擦る洗顔:
    • スクラブ入りの洗顔料での毎日の洗顔や、洗浄ブラシでの強い摩擦は、肌のバリア機能を破壊し、乾燥や炎症を引き起こします。肌は防御反応として、さらに皮脂を分泌したり、角質を厚くしたりしてしまいます。
  • 過度な「あぶらとり紙」の使用:
    • 皮脂を根こそぎ取ってしまうと、肌は「油分が足りない」と勘違いし、かえって皮脂を過剰に分泌しようとします。皮脂が気になる場合は、ティッシュで軽く押さえる程度に留めましょう。
  • 保湿をしない・油分を避けるケア:
    • 脂性肌だからといって、化粧水だけで済ませるのはNGです。油分で蓋をしないと、水分が蒸発し、インナードライ状態に陥ります。これが過剰な皮脂分泌を招き、毛穴を開かせる原因となります。

これらのNGケアを避け、肌を「いたわる」という視点を持つことが、毛穴改善の基本です。

6. 美容皮膚科で受けられる毛穴治療の種類

セルフケアでは改善が難しい、根深い毛穴の悩みには、美容皮膚科での専門的な治療が有効です。毛穴のタイプ別に、様々なアプローチがあります。

詰まり毛穴・開き毛穴に効果的な治療

  • ケミカルピーリング:
    薬剤(AHA、BHAなど)を肌に塗布し、古い角質や毛穴の詰まりを溶かして除去する治療。ターンオーバーを正常化させ、滑らかな肌へ導きます。
  • ハイドラフェイシャル(アクアピーリング):
    • 水流を利用して、古い角質や皮脂を優しく吸引しながら、同時に美容成分を導入する治療。肌への負担が少なく、ダウンタイムもほとんどありません。

たるみ毛穴に効果的な治療

  • HIFU(ハイフ):
    • 高密度の超音波エネルギーを、皮膚の土台であるSMAS筋膜に照射し、熱で引き締める治療。たるみを根本から改善し、リフトアップさせることで、たるみ毛穴を目立たなくします。
  • 高周波(RF)治療(サーマクール、ポテンツァなど):
    • 高周波の熱エネルギーを真皮層に与え、コラーゲンの産生を強力に促進する治療。肌のハリと弾力を内側から再構築し、たるんだ皮膚を引き締めます。

あらゆる毛穴タイプに有効な複合治療

  • フラクショナルレーザー:
    • 皮膚に点状の微細な穴を無数に開け、肌の再生能力(創傷治癒)を利用して、新しい皮膚への入れ替えを促す治療。コラーゲン増生効果も高く、毛穴の開き、凹凸、たるみに総合的にアプローチします。
  • ダーマペン(マイクロニードリング):
    • 極細の針で皮膚に微細な穴を開け、肌の再生を促す治療。レーザーと同様に、コラーゲン増生により、毛穴の開きやたるみを改善します。薬剤を同時に導入することで、さらなる効果が期待できます。

これらの治療は、それぞれに特徴やダウンタイムが異なります。専門医と相談し、自分の毛穴の状態とライフスタイルに合った治療法を選択することが重要です。

7. レーザー・ダーマペンの効果とダウンタイム

毛穴治療の中でも特に効果が高いとされる、フラクショナルレーザーとダーマペンについて、さらに詳しく解説します。これらは、肌をあえて傷つけ、その「自己再生能力」を引き出すことで、肌質を根本から入れ替えるアグレッシブな治療です。

フラクショナルレーザー

  • 仕組み:
    レーザーで皮膚の表面から真皮層にかけて、目に見えないほどの微細な穴(熱凝固層)を点状に作ります。傷つかなかった周囲の皮膚が、傷ついた部分を治そうと活発に働き始め、大量のコラーゲンやエラスチンを生成。新しい、滑らかな皮膚へと生まれ変わらせます。
  • 効果:
    • 開き毛穴・たるみ毛穴の引き締め
    • ニキビ跡の凹凸(クレーター)改善
    • 肌のハリ・弾力アップ、小じわ改善
  • ダウンタイム:
    • 施術直後: 強い赤み、腫れ、ヒリヒリとした熱感が出ます。
    • 2〜3日目: 赤みは続くが、徐々に落ち着いてきます。点状のかさぶたができ始め、肌がザラザラした感触になります。
    • 4〜7日目: 細かいかさぶたが自然に剥がれ落ちていきます。この間、メイクは控えるのが一般的です。
    • 1週間後〜: 赤みはほぼ引き、新しいツルっとした肌が現れます。

ダーマペン(マイクロニードリング)

  • 仕組み:
    ペン型の機器の先端についた極細の針を、高速で振動させながら皮膚に微細な穴を無数に開けます。この傷を修復する過程で、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンの増生が促されます。
  • 効果:
    • 毛穴の開きの改善
    • ニキビ跡の改善
    • 肌のハリ・ツヤ感アップ
  • ダウンタイム:
    • 施術直後: 顔全体に赤み、ヒリヒリ感、場合によっては点状の内出血が出ます。
    • 1〜3日目: 赤みはピークを過ぎ、徐々に引いていきます。薄い皮むけが始まることがあります。
    • 3〜5日目: 赤みはほとんど目立たなくなります。皮むけが落ち着き、メイクも可能です。

どちらの治療も、効果が高い分、一定のダウンタイムを伴います。施術を受ける際は、スケジュールを調整し、術後の紫外線対策と保湿を徹底することが、美しい結果を得るための絶対条件です。

8. 毛穴レス肌をキープするための生活習慣

スキンケアや美容医療でどれだけ毛穴を改善しても、日々の生活習慣が乱れていては、またすぐに元の状態に戻ってしまいます。美しい毛穴レス肌をキープするためには、以下の習慣を心がけましょう。

  • 質の良い睡眠を確保する:
    • 睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、日中に受けた肌ダメージを修復し、ターンオーバーを正常に保つために不可欠です。特に、入眠後3時間の「ゴールデンタイム」に深い眠りにつくことが重要です。最低でも6〜7時間の睡眠を心がけましょう。
  • ストレスを上手に管理する:
    • 過度なストレスは、男性ホルモンや、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を促します。これらは皮脂の過剰分泌に直結し、毛穴を開かせる原因となります。軽い運動や趣味の時間など、自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないことが大切です。
  • 適度な運動を習慣にする:
    • ウォーキングやヨガなどの有酸素運動は、血行を促進し、肌の隅々まで栄養を届けると共に、ターンオーバーを活性化させます。また、汗をかくことで、毛穴の老廃物が排出されやすくなるというメリットもあります。
  • 寝具やメイク道具を清潔に保つ:
    • 枕カバーやシーツ、メイク用のパフやブラシには、皮脂や汗、雑菌が繁殖しがちです。これらが肌に付着すると、毛穴の詰まりや炎症の原因となります。枕カバーは最低でも週に1回、メイク道具も定期的に洗浄し、常に清潔な状態を保ちましょう。
  • 禁煙:
    • 喫煙は、血管を収縮させて血行を悪化させるだけでなく、美肌に不可欠なビタミンCを大量に破壊します。コラーゲンの生成が妨げられ、肌のたるみや老化を著しく加速させるため、毛穴にとっても大敵です。

これらの地道な習慣の積み重ねが、揺らがない美肌の土台を作ります。

9. 食事で内側から毛穴ケア

外側からのケアと同時に、体の内側から肌を作る「食事」を見直すことも、毛穴改善には欠かせません。

積極的に摂取したい栄養素

  • ビタミンB群(特にB2, B6):
    • 役割: 皮脂の分泌をコントロールし、肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあります。
    • 多く含まれる食品: レバー、うなぎ、卵、納豆、マグロ、カツオなど。
  • ビタミンC:
    • 役割: コラーゲンの生成を助け、たるみ毛穴をケア。抗酸化作用でメラニン毛穴を防ぎ、皮脂の酸化も抑制します。
    • 多く含まれる食品: パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類など。
  • ビタミンA(β-カロテン):
    • 役割: 皮膚や粘膜の健康を維持し、ターンオーバーをサポートします。
    • 多く含まれる食品: 緑黄色野菜(人参、かぼちゃ、ほうれん草など)。
  • タンパク質:
    • 役割: 肌やコラーゲンの主原料。健康な肌を作るための基本となる栄養素です。
    • 多く含まれる食品: 肉、魚、卵、大豆製品など。
  • 亜鉛:
    • 役割: 新しい細胞の生成を助け、ターンオーバーをサポートします。
    • 多く含まれる食品: 牡蠣、レバー、牛肉など。

過剰摂取を避けたい食品

  • 高GI食品:
    • 白米、パン、麺類、砂糖を多く含むお菓子やジュースなど、血糖値を急激に上げる食品は、インスリンの分泌を促します。このインスリンが、皮脂腺を刺激し、皮脂の過剰分泌を招くことが知られています。
  • 脂質の多い食品:
    • 揚げ物やスナック菓子、動物性脂肪の多い肉類などの過剰摂取は、皮脂の質を悪化させ、毛穴詰まりの原因となり得ます。
  • 乳製品:
    • 一部で、乳製品に含まれる成分が皮脂腺を刺激するという報告もあります。ニキビや皮脂の多さに悩む方は、少し摂取を控えて様子を見るのも一つの方法です。

バランスの取れた食事を基本とし、これらの栄養素を意識的に取り入れることで、体の内側から健やかな肌を育みましょう。

10. 本気で毛穴を改善するためのロードマップ

最後に、これまでの情報を基に、あなたが本気で毛穴を改善していくための、実践的なロードマップを提案します。

フェーズ1:現状把握と基礎固め(最初の1ヶ月)

  1. 自分の毛穴タイプを正確に知る:
    本記事の「タイプ別見分け方」を参考に、自分の主な毛穴悩みが何かを特定します。
  2. NGケアを今すぐやめる:
    角栓パック、指での押し出し、ゴシゴシ洗いなど、心当たりのあるNGケアを全てストップします。
  3. 正しいスキンケアを徹底する:
    「落とす」「潤す」「守る」の3ステップを、正しい方法で毎日、最低1ヶ月は継続します。特に、クレンジングの乳化と、日焼け止めの習慣化は必須です。

フェーズ2:攻めのホームケア導入(2〜3ヶ月目)

  1. 毛穴に効く有効成分を投入:
    自分の毛穴タイプに合った有効成分(ビタミンC、レチノール、BHAなど)を含む美容液を、スキンケアにプラスします。
  2. 生活習慣と食事の見直し:
    睡眠、ストレス管理、食事内容を意識的に改善し、内側からのケアを本格化させます。

フェーズ3:美容医療の検討(3ヶ月目以降)

  1. 専門医への相談:
    3ヶ月間、セルフケアを徹底しても改善が見られない、あるいはさらなる高みを目指したい場合は、美容皮膚科のカウンセリングを予約します。
  2. 治療計画の立案:
    医師の診断に基づき、自分の毛穴の状態、ライフスタイル、予算に合った最適な治療法を選択し、計画を立てます。ダウンタイムも考慮し、スケジュールを調整しましょう。

フェーズ4:維持・予防(治療後〜永続的に)

  1. ホームケアの継続:
    治療で得られた綺麗な状態をキープするため、基本のスキンケアと有効成分によるケアを継続します。
  2. 定期的なメンテナンス:
    必要に応じて、数ヶ月〜半年に一度のペースで、クリニックでのメンテナンス治療を受けることで、毛穴レス肌を長期的に維持します。

毛穴の悩みは、一日してならず。改善にも、やはり時間と正しい努力が必要です。しかし、このロードマップに沿って一歩ずつ着実に進んでいけば、あなたの肌は必ず応えてくれます。もう毛穴で悩む日々とは決別し、自信に満ちた滑らかな肌を手に入れましょう。

 

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。