COLUMN
コラム
TOP > COLUMN > 脂肪吸引の費用はいくら?部位別の料金相場と安さのからくりを解説
2026.1.8
脂肪吸引の費用はいくら?部位別の料金相場と安さのからくりを解説

「本気で体型を変えたい」「ダイエットではもう限界…」そう考えたときに、脂肪吸引は非常に魅力的な選択肢です。しかし、いざ調べ始めると、多くの人が最初にぶつかるのが「費用」の壁ではないでしょうか。「同じ『太もも』なのに、Aクリニックは30万円、Bクリニックは100万円。この差は何?」「表示価格は安いけど、後から高額な請求が来たらどうしよう…」

私自身、美容ライターとして多くのクリニックの価格設定や、実際に施術を決断した方々のカウンセリング現場に立ち会ってきましたが、この料金の不透明性こそが、多くの人を不安にさせる最大の原因だと痛感しています。脂肪吸引の費用は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、その「価格のからくり」を正しく理解し、納得して施術に臨むことが不可欠です。

ここでは、単なる料金相場だけでなく、なぜクリニックによって価格が違うのか、その裏側にある理由、そして「安さだけで選ぶ危険性」と「費用対効果」で考えることの重要性について、業界の知見を交えながら徹底的に解説していきます。

1. 脂肪吸引の料金の内訳(施術料・麻酔代・圧迫着代など)

まず、クリニックのウェブサイトなどで目にする「脂肪吸引 ◯◯万円」という表示が、何を指しているのかを正確に知ることから始めましょう。多くの場合、その金額は「施術料」のみを指しており、最終的に支払う「総額」とは異なるケースがほとんどです。

脂肪吸引の総額は、主に以下の項目で構成されています。カウンセリングの際に、これらの項目がすべて含まれているか、それとも別途必要なのかを確認することが非常に重要です。

【脂肪吸引の主な料金内訳】

項目 内容説明 料金目安(変動あり) 備考(注意点)
1. 施術料(基本料) 脂肪吸引の手術そのものに対する技術料。部位や範囲、使用する機械によって変動する。 10万円~100万円以上 ウェブサイトの「◯◯万円~」はこの部分を指すことが多い。
2. 麻酔代 手術中の痛みを管理するための費用。局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔があり、範囲やクリニックの方針で決まる。 5万円~30万円 最も価格差が出やすい項目の一つ。安全管理に直結する。
3. 血液検査代 安全に手術を行うため、術前に貧血や肝機能、感染症の有無などをチェックする費用。 1万円~3万円 必須項目。他院での結果を持ち込める場合もある。
4. 圧迫着(ガードル)代 術後の腫れやむくみを抑え、皮膚の引き締め(拘縮)をサポートするために必須の医療用着衣。 1万円~5万円(部位による) 「料金に含む」場合と、「別途購入」の場合がある。洗い替えで複数枚必要なことも。
5. 薬代・処置代 術後に処方される抗生剤、痛み止め、外用薬などの費用。術後の抜糸や経過観察の費用。 5千円~2万円 「アフターケア一式」として施術料に含まれることが多いか要確認。
6. オプション代 使用する機械の指定(例:ベイザー)、術後の高周波ケア(インディバなど)、ドクター指名料など。 変動(0円~数十万円) 仕上がりや満足度に影響する部分。

このように、脂肪吸引の費用は非常に多くの要素で成り立っています。「安い」と思ったクリニックが、麻酔代や圧迫着代を別途請求され、結果的に「高い」と思っていたクリニックの「総額」を超えるケースは、残念ながら決して珍しくありません。必ず「総額でいくらかかるのか?」という視点を持つことが、賢いクリニック選びの第一歩です。

関連記事:脂肪吸引を考えているあなたへ。後悔しないための全知識

2. 【部位別】お腹、太もも、顔の費用相場を徹底比較

脂肪吸引の料金は、吸引する「部位」と「範囲」によって大きく変動します。ここでは、特に希望者が多い「お腹」「太もも」「顔」の3部位について、その費用相場と特徴を比較してみましょう。

※ここで示す相場は、あくまで一般的な目安です。麻酔代や検査代、圧迫着代などを含む「総額」に近いイメージですが、クリニックの技術力や使用する機器によって上限・下限ともに大きく変動します。

【人気部位別・脂肪吸引の費用相場(総額目安)】

部位 一般的な範囲 費用相場(総額目安) 特徴と価格変動の要因
お腹(腹部) 上腹部、下腹部、ウエスト(腰)、側腹部(脇腹) 50万円~150万円 範囲が広いため高額になりやすい。「下腹部だけ」と「お腹周り全体」では倍以上価格が異なる。皮膚のたるみも考慮したデザイン技術が求められる。
太もも 太もも内側、外側(張り出し)、前面、後面、膝周り 60万円~200万円 最も広範囲で高額になりやすい部位の一つ。「太もも全体(全周)」と「お尻(臀部)」をセットで行うと最高額になることも。滑らかなラインを作る高度な技術が必要。
顔(頬・あご下) 頬(メーラーファット)、あご下(二重あご) 30万円~70万円 範囲が狭いため、体幹部に比べると安価。ただし、神経や血管が近く、非常に繊細な技術が求められる。糸リフトやバッカルファット除去との併用で価格が変動する。
二の腕 上腕全周、肩の張り出し(付け根) 40万円~90万円 振袖部分だけでなく、付け根まで吸引すると自然なラインになるため、範囲によって価格差が出る。

この表から分かるように、「お腹」や「太もも」は吸引範囲が広いため、費用は高額になる傾向があります。特に「太もも全周(太もも全体)」となると、吸引量も多く、広範囲のデザイン技術が必要となるため、クリニックの技術力を示す「フラッグシップ(代表的な)施術」として、高めの価格設定になっていることが多いです。

一方、「顔」は範囲が狭いものの、失敗が許されないデリケートな部位です。安価なクリニックもありますが、経験豊富な医師は、その技術料として適正な価格を設定している場合が多いことを知っておくべきでしょう。

「私のお腹はいくら?」と考える際は、「上腹部だけ」なのか「ウエストや腰まで含めた『胴回り全体』」なのかで、料金が全く異なることを理解し、カウンセリングで吸引範囲を明確にすることが重要です。

3. なぜクリニックによって料金がこんなに違うのか?

「太もも全体」の脂肪吸引を例にとっても、50万円のクリニックもあれば、200万円のクリニックもあります。この数倍もの価格差は、一体どこから生まれるのでしょうか。それは、単なる「ぼったくり」や「ダンピング(不当廉売)」ではなく、クリニックが何に価値を置き、コストをかけているかという「姿勢」の違いそのものです。

私が多くの美容外科医に取材して見えてきた、「価格差」を生む大きな要因を解説します。

【脂肪吸引の料金がクリニックによって異なる理由】

比較項目 料金が「安い」クリニックの傾向 料金が「高い(適正~高額)」クリニックの傾向
1. 医師の技術と経験 経験の浅い医師や、アルバイト医師が担当することがある。指名制度がないか、別途高額。 脂肪吸引を専門とし、症例数が圧倒的に多い院長クラスの医師が担当。デザイン力、技術力が高い。
2. 使用する医療機器 従来型の(安価な)脂肪吸引器のみ。最新機器はオプション料金になっている。 ベイザー、アキーセルなど高価な最新機器を標準装備。機器への投資を惜しまない。
3. 麻酔の安全性 麻酔科専門医がいない(執刀医が兼任)。比較的安価な静脈麻酔が中心。 麻酔科専門医が手術に立ち会う(ダブルドクター体制)。安全管理コストをかけている。
4. アフターケアの手厚さ 術後の診察が少ない。圧迫着は別売り。術後のマッサージなどが有料オプション。 術後の定期検診(1, 3, 6ヶ月後など)が無料。圧迫着代や術後の高周波ケア(インディバなど)が料金に含まれている。
5. 広告宣伝費 SNSやWeb広告に莫大な費用をかけ、その分、施術料を安くして集客する(薄利多売)モデル。 広告費をかける一方、技術力や口コミによる紹介患者も多く、価格を維持できる。
6. 料金の透明性 基本料は安いが、オプション(麻酔、機械、部位)が積み重なり、総額が高くなる傾向。 最初から麻酔代やアフターケアを含んだ「総額表示」をしていることが多い。一見高いが透明。

「安い」クリニックが必ずしも「悪い」わけではありません。経験の浅い医師が技術を磨くために価格を下げている場合や、広告戦略として安くしている場合もあります。しかし、「高さ」には、麻酔科専門医の配置や、ベイザーなどの高性能機器の導入、手厚いアフターケアといった「安全性と仕上がりの質を高めるためのコスト」が反映されている場合が多いのも事実です。

あなたは、自分の体を預ける手術に対して、何を優先しますか? 価格差の理由を知ることは、その答えを見つける手助けになります。

4. モニター価格やキャンペーンを賢く利用する方法

「技術や安全性が重要なのは分かる。でも、やはり費用は抑えたい」というのが、多くの方の本音でしょう。その際、選択肢として挙がるのが「モニター価格」や「キャンペーン」です。

これらは、クリニック側にも「症例写真を集めたい」「新規の患者様に知ってもらいたい」という目的があるため、上手く利用すれば、通常の30%~50%オフといった、非常に魅力的な価格で質の高い施術を受けられる可能性があります。

しかし、ここにも注意点があります。賢く利用するためのポイントを見ていきましょう。

【モニター価格・キャンペーンの賢い利用法と注意点】

  1. 「モニター」の条件を正確に把握する
    • 写真の公開範囲はどこまでか?(目元を隠すのか、全顔か、院内資料のみか、ウェブサイトやSNSに無期限で掲載されるのか)
    • 通院の頻度は?(通常よりも多く、術後1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と、指定された日時に必ず通院する必要があるか)
    • レポートの提出は必要か?(体験談やアンケートへの詳細な回答が求められるか)

    単に安くなるからと飛びつくと、「思ったより頻繁に通わなければならず大変」「知り合いにバレるリスクのある写真を使われてしまった」といったトラブルになりかねません。契約書を細部まで読み込み、公開範囲と拘束内容に納得できるかが最大のポイントです。

  2. なぜ「安い」のか理由を確認する
    • 新人医師の症例モニターではないか?:クリニックによっては、経験の浅い医師の技術向上のための「研修モニター」として、破格の安さを提示している場合があります。技術が未熟であるリスクを許容できるか、考える必要があります。
    • 人気の医師・ベテラン医師のモニターか?:逆に、ベテラン医師が新しい手技や機械を導入するにあたり、症例を集めるために短期間だけモニターを募集するケースもあります。これは「当たり」のモニターと言えるでしょう。
  3. 「キャンペーン」の適用条件を疑う
    • 「今月限定価格!」とうたっていても、実際には一年中何かしらのキャンペーンを行っているクリニックもあります。焦って契約を結ばせるための常套句かもしれません。
    • 「◯◯とセットで割引」というキャンペーンも、本当に自分に必要な施術なのか、冷静に判断する必要があります。不要なオプションを付けられて、結果的に高額になることもあります。

私が取材した中で最も賢いと感じたのは、「この医師にやってもらいたい」という本命のクリニックを先に決め、そのクリニックがモニターを募集するタイミングを待つ、という方でした。安さからスタートするのではなく、技術力への信頼からスタートし、費用を抑える手段としてモニター制度を利用する。この順序が、満足度の高い結果に繋がる秘訣です。

関連記事はこちら:失敗しない!脂肪吸引のダウンタイム完全ガイド【痛み・腫れ・拘縮】

5. 安さだけで選ぶ危険性、脂肪吸引の本当の価値

美容医療において、特に外科手術である脂肪吸引を「安さだけ」で選ぶことは、私がライターとして最も警鐘を鳴らしたい点です。低価格には、必ず「低価格にできる理由」が隠されています。

それは、前述したような「医師の経験不足」や「安全管理コストの削減(麻酔科医がいないなど)」「アフターケアの省略」かもしれません。最悪の場合、取り返しのつかない結果を招くリスクが潜んでいます。

【安さだけで選んだ場合の潜在的リスク】

リスクの種類 具体的な内容 発生しうる原因(安さの理由)
1. 仕上がりの不満 凸凹(でこぼこ)になる。取り残しがある。左右非対称。皮膚がたるむ。 医師の経験不足、デザイン力の欠如。カウンセリング時間の不足。
2. 健康被害・安全面 麻酔事故。感染症。皮膚の壊死。多量の出血。 安全管理コストの削減(麻酔科医不在、衛生管理の不徹底)。
3. アフターケアの不備 術後のトラブル(痛み、腫れ)に対応してくれない。拘縮ケアがない。 アフターケアが料金に含まれておらず、別途高額な請求をされる。
4. 精神的苦痛 「安かろう悪かろう」の結果に悩み、他院での修正手術(高額)が必要になる。 修正手術は、初回の数倍の費用と技術が必要になることが多い。

私が以前取材した、他院での修正手術を専門とする医師は、「初回の脂肪吸引が、その人の仕上がりをほぼ決定づける。安いという理由で技術のない医師に凸凹にされた肌を、元通り滑らかにするのは至難の業だ」と語っていました。修正手術は、初回の費用(例えば50万円)の2倍、3倍(100万円~150万円)かかることも珍しくありません。結局、「安物買いの銭失い」どころか、体と心に大きな傷を負うことになるのです。

脂肪吸引の「本当の価値」とは何でしょうか。それは、単に脂肪を数cc(シーシー)取り除くことではありません。理想のボディラインを手に入れ、自信を持って服を選び、人生を前向きに楽しむようになること、その「未来への投資」です。

その価値は、50万円、100万円という金額では測れないかもしれません。しかし、その価値を手に入れるための「対価」として、医師の技術、最新の機器、万全の安全体制、そして手厚いアフターケアに「適正な費用」を支払う。この考え方こそが、脂肪吸引を成功に導く鍵となります。

6. ベイザー、アキーセルなど機械による料金の違い

脂肪吸引の技術は日々進歩しており、「どの機械を使うか」も、料金と「仕上がり」に影響を与える大きな要素となっています。クリニックがどの機械に投資しているかは、そのクリニックが「何を重視しているか」を見る指標にもなります。

特に有名なのは、「ベイザー(VASER)」や「アキーセル(AQUIXCEL)」といった、高価な最新鋭の脂肪吸引機器です。

【脂肪吸引の主な機械と特徴・料金傾向】

吸引方式 特徴 メリット 料金傾向
従来法(シリンジ法など) 医師の手作業(陰圧)で、カニューレ(吸引管)を動かして脂肪を吸引する。 医師の技術が全て。丁寧に行えば滑らかな仕上がりが可能。機械導入コストが安い。 安価に設定されていることが多い。
ベイザー(VASER)
(超音波)
ベイザー波という特殊な超音波で、脂肪細胞だけを遊離させ、液体状にしてから吸引する。 大量吸引が可能。周辺組織(血管、神経)へのダメージが少ない。皮膚の引き締め効果(タイトニング)が高い。 高額。機器が高価なため、施術料に上乗せされる(+10~30万円など)。
アキーセル(AQUIXCEL)
(高周波振動)
カニューレ自体が微細に振動し、脂肪を「ほぐし」ながら吸引する。熱の発生が少ない。 周辺組織へのダメージが最小限。術後の腫れや痛みが少ないとされる。滑らかな仕上がりにしやすい。 高額。ベイザー同様、導入コストが価格に反映される。

ベイザーは、硬い脂肪や、大量の脂肪を安全に吸引したい場合、また、術後の皮膚のたるみが心配な場合に非常に有効です。アキーセルは、とにかくダウンタイムを短くしたい、滑らかな仕上がりを追求したいというニーズに応えます。

これらの最新機器を導入しているクリニックは、初期投資(機械代)が数千万円かかっているため、その分を施術費用に上乗せするのは当然の流れです。逆に言えば、これらの機器の使用料を「オプション」として別途請求するクリニックもあれば、「標準装備」として基本の施術料に含めているクリニックもあります。

重要なのは、「機械が良ければ全てOK」というわけではないことです。ベイザーもアキーセルも、あくまで「道具」です。その道具を使いこなし、美しいボディラインをデザインするのは、他ならぬ医師の技術と経験です。高価な機械を使っているから「高い」のか、医師の技術料として「高い」のか。その両方なのかを見極める必要があります。

参考ページ:【部位別】脂肪吸引で叶える理想のボディデザイン|お腹・太もも・顔

7. 追加料金は発生する?総額で考えることの重要性

脂肪吸引のカウンセリングで、最も不安な瞬間の一つが「追加料金」の発生です。提示された見積もりを信じて契約したのに、術後や会計時に「あれもこれも必要でした」と追加請求されることほど、不信感を抱くことはありません。

こうしたトラブルを避けるため、カウンセリング時には「この見積もり以外に、1円でも追加で発生する可能性のある費用はありますか?」と、強く確認する必要があります。

【発生しうる「隠れた」追加料金の例】

  1. 麻酔のランクアップ「基本料金には局所麻酔代しか含まれていません」「広範囲なので、安全のために静脈麻酔(+◯万円)や全身麻酔(+△万円)に変更必須です」と言われるケース。これは、総額を大きく変動させる最大の要因です。
  2. 吸引量の「追加」料金「基本プランは◯ccまでです」「想定より脂肪が多かったため、追加吸引料として+◯万円です」という、信じがたいような請求が稀にあります。これは完全にクリニック側の問題であり、通常はあり得ませんが、悪質なケースでは存在します。
  3. 必須の「オプション」「この部位は皮膚がたるむので、引き締め効果のある◯◯(ベイザーなど)が必須です(+◯万円)」「術後の拘縮ケアとして、インディバ(高周波)◯回コース(+△万円)の契約が必須です」など、半ば強制的にオプションをつけられるケース。
  4. 圧迫着や薬代「圧迫着はご自身でご用意いただくか、当院でご購入(+◯万円)ください」「痛み止めや抗生剤は別料金(+△千円)です」といった、細かな追加費用です。

これらの事態を防ぐには、どうすればよいか。
答えはシンプルで、「最初からすべての費用が含まれた『総額表示(オールインクルーシブ)』」を提示している、誠実なクリニックを選ぶことです。

Aクリニック:施術料50万円(+麻酔代10万円+圧迫着代3万円+検査代2万円)= 総額65万円
Bクリニック:施術料80万円(上記すべて込み)

一見、Aクリニックの方が安く見えますが、総額はBクリニックの方が安価である可能性すらあります(Bクリニックの80万円には、Aクリニックにはない手厚いアフターケアが含まれているかもしれないため)。

私は、カウンセリングで明確な「総額」の見積書(それ以外かからないという一筆付き)を紙で発行してくれないクリニックは、選択肢から外すべきだと考えています。それが、患者を守る最低限のルールです。

参考:脂肪吸引の失敗例から学ぶ。絶対に後悔しないためのクリニック選びと対策

8. 医療ローンや分割払いの活用法

脂肪吸引の総額が、50万円、100万円、あるいは200万円となると、現金で一括払いできる人は多くありません。そこで現実的な選択肢となるのが「医療ローン(メディカルローン)」や「分割払い」です。

医療ローンとは、美容医療などの自由診療(保険適用外)の費用に特化した、信販会社が提供するローンのことです。多くのクリニックが複数の信販会社と提携しており、カウンセリング当日に審査・申し込みが可能です。

【医療ローンのメリットとデメリット】

メリット デメリット
1. 手元にまとまった現金がなくても施術が受けられる。 1. 金利(手数料)が発生する。(実質年率5%~15%程度)
2. 「美しくなりたい」というタイミングを逃さない。 2. 審査があり、通らない可能性もある。(安定収入が条件)
3. 月々の負担を抑えて計画的に支払いができる。(例:100万円を60回払いで月々約2万円など) 3. 総支払額は、現金一括より高くなる。(例:100万円のローンで総額120万円になるなど)
4. クレジットカードの分割払いより金利が低い場合が多い。 4. 完済まで支払いが続くため、心理的・経済的な負担になることも。

医療ローンを賢く活用するポイントは、「無理のない返済計画を立てる」こと、これに尽きます。
クリニックによっては、「◯回払いまで金利手数料無料!」といったキャンペーンを行っている場合があります。これは、その金利分をクリニックが負担してでも、患者様に施術を受けてほしいというものです。こうしたキャンペーンを利用できると、金銭的なメリットは非常に大きいでしょう。

注意点として、カウンセリングで「月々この金額なら払えますよね?」と、支払い回数を多く(=金利負担が大きく)なるように誘導されるケースです。必ず「総額でいくらになるのか」「金利はいくら払うのか」を正確に把握し、可能であれば頭金を一部入れる、あるいはボーナス払いを併用するなどして、支払回数をなるべく短くする努力をすることが、賢い活用法と言えます。

ローンを組むことは、未来の自分への「投資」であると同時に、「借金」でもあります。そのバランスを冷静に見極めることが大切です。

9. 予算内で満足度の高い脂肪吸引を実現するには

ここまで、脂肪吸引の費用に関する様々な側面を解説してきました。「安全性や技術が重要なのは分かった。でも、予算は100万円まで」といった、現実的な制約の中で、どうすれば満足度を最大化できるのでしょうか。

美容ライターとして、多くの成功例・失敗例を見てきた私が考える「予算内で満足度を高める戦略」は、以下の3ステップです。

ステップ1:自分の「絶対的な優先順位」を決める

まず、紙に書き出してみてください。あなたにとって最も譲れないものは何ですか?

  • 例1:「とにかく『お腹』をへこませたい。他の部位は後回しでいい」 → 部位を絞る
  • 例2:「凸凹になるのが一番怖い。仕上がりの滑らかさが最優先」 → 医師の技術・症例を最優先(予算を上げるか、部位を絞る)
  • 例3:「ダウンタイムが取れない。痛いのが怖い」 → 機械(アキーセルなど)や麻酔を最優先
  • 例4:「とにかく『安さ』。仕上がりはそこそこでいい」 → リスクを理解した上で、低価格クリニックを選ぶ

この「軸」が決まらないと、カウンセリングで営業トークに流されてしまいます。

ステップ2:「医師の技術力」で3クリニックに絞る

予算が限られているからこそ、「安さ」からクリニックを探してはいけません。逆です。「予算内でできる、最高の技術を持つ医師」を探すのです。
SNSや口コミサイトで、自分が希望する部位(例:お腹)の症例写真が「美しい」と感じる医師を、価格帯に関わらず(高いクリニックも含めて)3名ほどリストアップします。

ステップ3:カウンセリングで「予算」と「優先順位」を正直に伝える

リストアップしたクリニックのカウンセリング(できれば全て)に行き、ステップ1で決めた優先順位と、正直な予算(例:総額100万円まで)を伝えます。

「私の最優先は『太ももの外側の張り』です。総額100万円の予算内で、先生の技術で最も効果的なプランはありますか?」

このように聞くことで、医師側もプロとして、あなたに最適な提案をせざるを得なくなります。

  • A医師:「それなら、ベイザーで太もも全周をするのがベストだが、予算オーバーだ。100万円以内なら、外側と内側、膝周りに絞ってアキーセルで取るのが、満足度が一番高いだろう」
  • B医師:「うちでは100万円だと太ももは難しい。二の腕なら、その予算で完璧にできる」
  • C医師:「100万円なら、うちのモニター価格が使える。ただし写真は全公開だ」

このように、医師の技術力を「固定」した上で、予算内で「何ができるか」を交渉する。これが、予算内で満足度を高める、最も現実的で賢い方法です。

10. 費用対効果で選ぶ賢い選択

脂肪吸引は、「高いか、安いか」の二択で語れるものではありません。150万円支払っても、仕上がりに満足し、人生が変わったと喜ぶ人にとっては「安い買い物」です。逆に、50万円で施術しても、凸凹の肌に悩み、修正手術を検討する人にとっては「高すぎる授業料」となります。

私たちが選ぶべきなのは、単純な「価格」ではなく、「費用対効果(コストパフォーマンス)」です。

【脂肪吸引における費用対効果とは?】

費用(支払うコスト)
施術の総額(100万円など)、ダウンタイム(仕事を休む数日)、術後の痛みや不安。

効果(得られるリターン)

  1. 安全性(無事に手術を終えること)
  2. 仕上がりの美しさ(滑らかで、理想のラインになっていること)
  3. アフターケアの安心感(トラブル時にすぐ対応してくれること)
  4. 持続性(リバウンドしにくい体型が手に入ること)
  5. 自信(好きな服が着られる、自分を好きになれるという精神的満足)

「安い」クリニックは、「費用」は低いかもしれませんが、「効果」の1~3(安全性、仕上がり、安心感)が低いリスクがあります。結果、トータルの「費用対効果」は最悪になる可能性があります。

「高い(適正価格)」クリニックは、「費用」は高いですが、「効果」の1~5全てを高いレベルで提供しようとコストをかけています。これが、私たちが求めるべき「賢い選択」ではないでしょうか。

総額と価値で見極める、後悔しないための「費用」の考え方

ここでは、脂肪吸引の費用の相場から、価格の内訳、そしてクリニックによる価格差の「からくり」まで、詳しく解説してきました。

脂肪吸引の価格は、クリニックの「技術」「安全」「設備」「アフターケア」への投資額を反映した鏡です。あなたが提示された見積もりは、単なる手術代ではなく、これら全てを含んだ「安心と満足への対価」であるべきです。安さには必ず理由があり、高さにも必ず理由があります。その理由が、あなたの求める価値(安全性や仕上がり)と合致しているかを見極めることが全てです。

これからあなたが取るべき具体的なアクションは、明確です。
まずは、最低3つのクリニックでカウンセリングを受け、「総額の見積書」を必ず紙で入手してください。そして、その金額の内訳を比較し、「なぜこの価格なのか」を自分の言葉で説明できるまで、担当者や医師に質問をぶつけてください。

その上で、最後は医師の「技術」と「人柄」を信じられるかで決断することです。費用はあくまで、あなたの理想を叶えるための一つの「手段」に過ぎません。その手段に振り回されることなく、あなたが望む「効果」を手に入れるための、賢明な判断をされることを願っています。

参考:豊胸手術の費用はいくら?シリコン・脂肪注入の料金相場と内訳を公開

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。