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2026.1.17
顔全体の薄いシミには光治療(IPL)!効果とレーザーとの違いを解説

ふと鏡を見たとき、ファンデーションでも隠しきれない顔全体の薄いシミそばかす、肌全体のくすみに悩んでいませんか。「シミ治療」と聞くと、多くの人が「レーザー」を思い浮かべるかもしれません。バチッと強い光でシミを焼く、痛くてダウンタイムがある治療…。そんなイメージから、一歩を踏み出せずにいる方も少なくないでしょう。

しかし、実はその悩み、レーザーよりも「光治療(IPL)」の方が適しているかもしれません。私自身、SEOライターとして美容医療の現場で多くの症例や医師の知見に触れてきましたが、特に「顔全体に散らばった薄いシミ」や「肌のトーンアップ」を望む方々にとって、IPLは非常に満足度の高い治療法です。

光治療(IPL)は、レーザーとは全く異なるアプローチで肌に働きかけます。シミだけでなく、赤ら顔ハリといった複数の肌悩みに同時にアプローチできるのが最大の特徴です。ここでは、IPLがなぜ薄いシミに効果的なのか、レーザー治療との決定的な違い、そして治療を受ける前に知っておくべきメリットと注意点まで、専門的な知見を交えて徹底的に解説します。

1. 光治療(IPL)とはどんな治療法か

光治療(IPL)とは、「Intense Pulsed Light(インテンス・パルスド・ライト)」の略で、その名の通り、カメラのフラッシュのように「複数の波長を束ねた強力な光」を肌に照射する治療法です。美容医療の分野では、古くから「フォトフェイシャル」「フォトブライト」といった機器の名称で知られています。

この治療法の最大の特徴は、レーザーのように「単一の波長」ではない点にあります。レーザーが特定のシミ(メラニン)だけを狙い撃ちする「点」の治療だとしたら、IPLは「幅広い波長の光」を使って、肌の様々な悩みにアプローチする「」の治療と言えます。

IPLの光は、肌に照射されると、以下の複数の色素に同時に反応します。

  • メラニン色素(黒):シミ、そばかす、くすみの原因
  • ヘモグロビン(赤):赤ら顔、ニキビ跡の赤み、毛細血管拡張の原因

さらに、光の熱エネルギーが肌の深い層(真皮層)にまで届くことで、コラーゲンの生成を促す線維芽細胞を刺激します。これにより、シミや赤みといった「色ムラ」の改善と同時に、肌のハリ弾力アップ毛穴の引き締めといった「肌質改善(スキンリジュビネーション)」の効果も期待できるのです。

IPLの光が反応するターゲット 期待できる主な効果
メラニン色素(黒い色素) シミ、そばかすの改善、顔全体のくすみ除去(トーンアップ)
ヘモグロビン(赤い色素) 赤ら顔(毛細血管拡張)の改善、ニキビ跡の赤みの軽減
真皮層(コラーゲン) 肌のハリ・弾力アップ、小じわの改善、毛穴の引き締め

つまり、IPLは「シミだけを取りたい」というピンポイントの悩みだけでなく、「顔全体の肌質を底上げしながら、色ムラを整えたい」という複合的なニーズに応えることができる、非常に汎用性の高い治療法なのです。

関連記事:シミのよくある質問10選|専門家があなたの疑問をスッキリ解決

2. 顔全体のトーンアップと薄いシミに効果的

IPL治療が特にその真価を発揮するのが、「顔全体に散らばった薄いシミ」と「肌全体のくすみ(トーンアップ)」です。

なぜでしょうか。従来のレーザー治療は、濃くハッキリとしたシミ(老人性色素斑など)には非常に有効ですが、色が薄いシミには反応しにくいという側面がありました。また、レーザーは「点」でしか照射できないため、顔全体に無数に散らばった細かいシミやそばかすを一つひとつ治療していくのは、現実的ではありませんでした。

ここでIPLの出番です。IPLは「面」で照射するため、顔全体にフィルターをかけるように、広範囲の色ムラやくすみを一度に治療できます。私が美容医療の現場で聞くIPLの感想として最も多いのが、「シミが消えた」というよりも、「顔全体が明るくなった」「ファンデーションの色がワントーン上がった」「すっぴんでも肌が均一に見える」といった、全体の印象の変化です。

■ なぜ「薄いシミ」に効くのか?
IPLの光は、レーザーほど強力ではありませんが、そのマイルドな熱作用が、表皮層にある薄いメラニンにも穏やかに反応します。

具体的には、IPLが薄いシミに当たると、そのメラニン色素が熱によってわずかに変性します。その後、肌のターンオーバー(生まれ変わり)のプロセスに乗って、その変性したメラニンが数日かけて肌の表面へと浮き上がってきます。

この時、シミが一時的に濃くなったように見えたり、「マイクロクラスト」と呼ばれる黒い砂のような、非常に細かいかさぶたとして現れたりします。これは失敗ではなく、効果が出ている証拠です。このマイクロクラストが洗顔などで自然に剥がれ落ちると、その下から新しい皮膚が現れ、シミが薄くなっていくのです。

この「浮き上がらせて排出させる」というマイルドな作用こそが、レーザーでは反応しにくかった薄いシミやくすみを改善できるIPLの強みなのです。

3. レーザー治療との違いを徹底比較

カウンセリングの現場で、患者様から最も多く寄せられる質問が「IPLとレーザーは何が違うのですか?」というものです。この2つは似ているようで、その目的と特性は全く異なります。

私なりの比喩でお伝えするなら、

  • レーザー治療(Qスイッチレーザーなど)
    濃くハッキリしたシミ(ターゲット)だけを、高出力でピンポイントに破壊する「狙撃銃(スナイパーライフル)」です。1回の威力は絶大ですが、狙った場所以外には効果がなく、照射後はかさぶたやテープ保護といったダウンタイムが必要です。
  • 光治療(IPL)
    顔全体という広い範囲(ターゲット)に対し、シミ・赤み・ハリなど複数の悩みに有効な光をシャワーのように浴びせる「高機能シャワー」です。1回の威力はマイルドですが、ダウンタイムがなく、浴びるたびに(回数を重ねるたびに)肌全体のコンディションが上がっていきます。

どちらが優れているかではなく、ご自身の悩みの種類によって使い分けることが最も重要です。以下の表で、その違いを明確に比較してみましょう。

比較項目 光治療(IPL) シミ取りレーザー(Qスイッチ等)
光の特性 複合波長(幅広い波長の光) 単一波長(特定の波長の光)
得意な悩み 顔全体の薄いシミ、そばかす、くすみ、赤ら顔、ハリ、毛穴(複合的) 濃くハッキリしたシミ、あざ、ADM(ピンポイント)
照射方法 顔全体に「」で照射 シミに「」で照射
痛み マイルド(輪ゴムで軽く弾かれる程度) 強い(輪ゴムで強く弾かれる痛み。麻酔推奨)
ダウンタイム ほぼ無し(直後からメイク可能) あり(照射部にかさぶた、テープ保護が約1~2週間必要)
治療回数(目安) 複数回(5回以上)で徐々に改善 1回~(シミの濃さ・深さによる)
治療目的 スキンリジュビネーション(肌質の全体改善) シミの除去(ピンポイント)

このように、もしあなたの悩みが「この1個の濃いシミを取りたい」であればレーザーが適していますが、「ダウンタイムは困る、顔全体のくすみを払い、薄いシミも赤みもまとめてケアしたい」のであれば、IPLが最適な選択肢となるのです。

4. 光治療のメリットとおすすめな人

レーザー治療との比較からも分かる通り、光治療(IPL)には他にはない多くのメリットがあります。美容医療が初めての方や、忙しい現代人にとって、非常に受け入れやすい治療と言えるでしょう。

【光治療(IPL)の主なメリット】

  1. ダウンタイムがほとんどない
    最大のメリットはこれです。施術直後に赤みが出ることがあっても数時間で引き、テープ保護なども一切不要です。施術当日からメイクをして帰宅できるため、日常生活に支障をきたしません。「周りにバレずに治療したい」という方にも最適です。
  2. 痛みがマイルドで受けやすい
    照射時には冷却ジェルを塗布し、肌を冷やしながら光を当てていきます。痛みは「輪ゴムで軽く弾かれる程度」と表現されることが多く、レーザー治療の鋭い痛みに比べると格段にマイルドです。麻酔も不要なため、痛みに弱い方でも安心して受けられます。
  3. 複合的な肌悩みに同時にアプローチ
    前述の通り、シミ(黒)と赤み(赤)の両方に作用し、さらにコラーゲン生成(ハリ)も促します。「シミも赤ら顔も毛穴も気になる」といった、一つに絞れない複合的な悩みを持つ肌にとって、IPLは一石三鳥とも言える治療法です。

これらのメリットから、光治療(IPL)は以下のような方に特におすすめです。

IPLが特におすすめな人のタイプ その理由
顔全体に薄いシミ・そばかすが散らばっている人 IPLの「面」照射が、広範囲のメラニンを効率よく治療できるため。
シミと同時に、くすみや赤ら顔も気になる人 メラニン(黒)とヘモグロビン(赤)に同時に作用し、肌の色ムラを均一にできるため。
ダウンタイムやテープ保護ができない人 施術直後からメイクが可能で、日常生活への支障がほぼ無いため。
シミ治療が初めてで、痛みが不安な人 レーザーに比べて痛みが非常にマイルドで、麻酔も不要なため。
肌全体のコンディションを上げたい人 コラーゲン生成を促し、ハリや毛穴も改善する「肌育(スキンリジュビネーション)」効果があるため。

関連記事はこちら:そのシミ、肝斑かも?シミの種類別に見つける最適な改善法

5. 施術の流れと痛み、ダウンタイムについて

「ダウンタイムがない」「痛みがマイルド」と言われても、実際にどのような流れで、どの程度の感覚なのか、不安は残りますよね。IPL治療を受ける際の、典型的な流れと注意点を詳しく解説します。

■ 施術当日の基本的な流れ
クリニックによって多少の違いはありますが、おおむね以下のステップで進みます。

ステップ 内容 ポイント・所要時間(目安)
1. 診察・カウンセリング 医師が肌状態を診察。シミの種類(特に肝斑がないか)を診断し、IPLが適しているか判断します。 ※最重要※ ここで肝斑を見落とされると逆効果に。(詳しくは後述) (15~30分)
2. クレンジング・洗顔 メイクや日焼け止めを完全に落とし、肌を清潔な状態にします。 (5分)
3. ジェルの塗布 照射部位(顔全体)に、冷たい透明のジェルを塗布します。 光の通りを良くし、肌表面を熱から守る(火傷防止)役割があります。(5分)
4. IPL照射 目をゴーグルで保護し、医師または看護師がハンドピースを肌に当て、顔全体に光を照射していきます。 「パチン、パチン」という音と光、軽い熱感と痛みがあります。(15~20分)
5. 冷却・鎮静 ジェルを拭き取り、冷たいタオルやパックなどで肌をクーリング(鎮静)します。 照射後の赤みや火照りを抑えます。(10分)
6. 仕上げ・メイク 保湿剤や日焼け止めを塗布して終了。すぐにメイクルームでメイクをして帰宅できます。 全工程で約1時間程度が目安です。

■ 痛みについて
痛みは「輪ゴムで軽く弾かれる程度」「チクッとした熱さを一瞬感じる」と表現されます。特にシミやそばかすが濃い部分、皮膚が薄い部分は反応しやすいため、少し強く感じることがありますが、麻酔が必要なほどの痛みではありません。

■ ダウンタイムの真実:「マイクロクラスト」
「ダウンタイムなし」がIPLの魅力ですが、一点だけ知っておくべき重要な経過があります。
それは、IPLに反応したシミやそばかすが、施術後3日~1週間ほどかけて、「マイクロクラスト」と呼ばれる黒い砂状の細かいかさぶたとして肌表面に浮き上がってくることです。

これは「ゴミが浮いてきた」「シミが濃くなった」と驚かれることがありますが、効果がしっかり出ている証拠(好転反応)です。このマイクロクラストは、7~10日ほどかけて、日々の洗顔やメイクの摩擦で自然にポロポロと剥がれ落ちていきます。

【最重要注意点】
このマイクロクラストを、絶対に無理に擦ったり剥がしたりしないでください。無理に剥がすと、下の皮膚が傷つき、色素沈着の原因となる可能性があります。自然に取れるのを待つことが、キレイな結果を出すための鍵です。

6. 効果はいつから?必要な治療回数と間隔

IPLはマイルドな治療であるため、効果の出方も穏やかです。1回で全ての悩みが消え去るような魔法ではありません。効果の実感には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくことが重要です。

■ 効果を実感するタイミング

  • 直後~翌日(即時効果)
    肌のトーンアップや透明感、化粧ノリの良さを実感する方が多いです。これは、くすみが取れ、肌のキメが整うためです。
  • 施術後1~2週間(シミへの効果)
    前述のマイクロクラストが剥がれ落ちたタイミングで、「シミが薄くなった」「そばかすが減った」という目に見える変化を感じられます。
  • 施術後1ヶ月~(ハリ・肌質改善効果)
    コラーゲン生成によるハリ感や毛穴の引き締め効果は、肌の内部でゆっくりと起こります。複数回治療を重ねることで、徐々に実感できる中長期的な効果です。

■ 必要な治療回数と間隔
IPL治療で満足のいく結果を得るためには、「継続」が最も重要です。

【私の分析】
美容医療の現場では、IPLは「1回で終わらせる治療」ではなく、「肌のコンディションを維持・向上させるためのメンテナンス(肌育)」として位置づけられています。

私の経験上、1回目で「肌が明るくなったかも?」と感じ、2回目、3回目と続けるうちに変化が分かりにくくなる「中だるみ期」があります。しかし、そこを乗り越えて5回目を迎えた頃に、久しぶりに会った友人から「肌キレイになった?」と言われたり、過去の写真と見比べて「明らかにシミが減って、肌が白くなっている」と確信に変わる方が非常に多いです。

治療回数の目安:最低5回
シミ、くすみ、赤みなどの色ムラ改善を目的とする場合、3~4週間に1回のペースで、最低でも5回の治療を1クールとして推奨するクリニックがほとんどです。

治療間隔:3~4週間に1回
これは肌のターンオーバーの周期(約28日間)に基づいています。IPLによって排出を促されたメラニンが、次のターンオーバーで完全に排出されるのを待ち、新たな肌に再度アプローチする、というサイクルを繰り返すのが最も効率的です。

1クール(5回)終了後は、肌の状態が非常に良くなるため、その後はメンテナンスとして3ヶ月~半年に1回のペースで継続すると、シミやくすみが再発しにくい、透明感のある肌を維持しやすくなります。

参考ページ:シミに効く美白美容液&クリームおすすめ10選|選び方と効果的な使い方

7. そばかすや赤ら顔にも効果が期待できる

IPLの守備範囲の広さは、シミ(メラニン)だけに留まりません。他の治療法では難しかった「そばかす」や「赤ら顔」に対しても、IPLは非常に有効なアプローチとなります。

■ そばかす(雀卵斑)への効果
鼻の上や頬に散らばるそばかすは、一つひとつが小さく広範囲に存在するため、レーザーで「点」で治療するのが困難でした。しかし、IPLは「面」で照射できるため、顔全体のそばかすを一度に治療するのに非常に適しています。

そばかすは表皮の浅い層にあるメラニンであるため、IPLの光によく反応します。施術後、そばかすの部分がマイクロクラストとして濃く浮き上がり、ポロポロと剥がれていく経過を辿ることが多いです。

■ 赤ら顔(毛細血管拡張)への効果
IPLのもう一つの大きなターゲットが、赤みの原因である「ヘモグロビン」です。

顔が常に赤い、いわゆる赤ら顔や、ニキビが治った後も残る炎症性の赤みは、皮膚の浅い層で毛細血管が異常に拡張・増殖していることが原因です。

IPLの光は、このヘモグロビンの「赤色」にも吸収されます。吸収された光は熱に変わり、不要に拡張した毛細血管を熱凝固させ、収縮させます。これにより、肌表面から透けて見えていた赤みが徐々に目立たなくなっていきます。

シミ(黒)と赤み(赤)が混在している肌は、それだけで色ムラが激しく、くすんで見えてしまいます。IPLは、これら「黒」と「赤」の両方を同時に鎮めることで、肌の色調を均一に整え、クリアな透明感を引き出すことができるのです。

IPLの複合的効果(シミ以外) メカニズム 期待できる結果
そばかす(雀卵斑) 広範囲のメラニンに「面」で反応し、ターンオーバーで排出させる。 顔全体のそばかすが薄くなり、目立ちにくくなる。
赤ら顔・ニキビ跡の赤み ヘモグロビン(赤色)に反応し、拡張した毛細血管を熱凝固させる。 肌の赤みが引き、均一な肌色に近づく。
ハリ・毛穴・小じわ 真皮層への熱刺激により、コラーゲン生成を促進する。 肌に内側から弾力が生まれ、キメが整う。

参考:シミ取りレーザー治療の全て|効果・費用・ダウンタイムを徹底解説

8. 光治療のデメリットと注意点

メリットが多いIPL治療ですが、万能ではありません。治療を受ける前に、そのデメリットや注意点も正確に理解しておくことが、後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぎます。E-E-A-T(信頼性)の観点からも、包み隠さずお伝えします。

■ 1回での効果はマイルド
これはメリット(ダウンタイムがない)の裏返しでもあります。レーザー治療のように「1回でシミが取れた」という劇的な変化は期待できません。あくまでも、回数を重ねて徐々に肌質を改善していく治療です。「すぐに結果が欲しい」という方には不向きかもしれません。

■ 濃くハッキリしたシミには不向きな場合がある
IPLは薄いシミやくすみに強い反面、輪郭がハッキリした濃いシミ(老人性色素斑)や、皮膚の深い層にあるシミ(ADMなど)に対しては、レーザー治療ほどのパワーが出ません。このようなシミには、ピンポイントのレーザー治療の方が適している場合があります。

■ 日焼け肌には絶対に照射できない
IPLはメラニンに反応します。日焼けした肌は、皮膚全体にメラニンが活性化している状態です。この状態でIPLを照射すると、ターゲットのシミだけでなく皮膚全体が光に過剰反応し、重度の火傷(やけど)を引き起こす危険性が極めて高いです。夏場のレジャー後などは、最低でも1ヶ月は肌を休ませる必要があります。

■ 施術後の紫外線対策は必須
IPLの施術後の肌は、非常にデリケートで乾燥しやすい状態です。また、メラニンが排出される過程で、一時的に外部からの刺激に敏感になっています。

この時期に紫外線を浴びてしまうと、かえってシミが濃くなったり、新たな色素沈着(PIH)を招いたりするリスクがあります。施術期間中は、季節を問わず、SPF30以上の日焼け止め、帽子、日傘などで徹底した紫外線対策が必須です。

9. シミの種類によっては悪化する可能性も

IPLのデメリットの中で、最も深刻かつ重要な注意点がこれです。
それは、「肝斑(かんぱん)」です。

肝斑とは、主に30代後半~50代の女性に見られる、両頬の頬骨あたりに左右対称にモヤモヤと広がる薄茶色のシミです。原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンのバランスや、日々の摩擦(クレンジングやマッサージ)が関与していると言われています。

この肝斑は非常にデリケートで、IPLのような強い光刺激(熱刺激)が加わると、かえってメラノサイト(色素細胞)を活性化させてしまい、シミが濃くなる(悪化する)リスクがあるのです。

【私の経験談】
美容医療の現場で「他院でIPLを受けたらシミが濃くなった」と相談に来られる方の多くが、この肝斑の併発を見落とされたケースです。シミと肝斑は薄く重なっていることも多く、その見極めは非常に困難です。

肝斑が疑われる場合の第一選択は、IPLではありません。

  1. 内服薬トラネキサム酸やビタミンCなどの内服で、メラノサイトの活性化を内側から抑える。
  2. レーザートーニング:IPLや従来のレーザーとは異なる、非常に弱い出力のレーザーをシャワーのように照射し、肝斑を刺激せずにメラニンを徐々に減らしていく専用の治療。

シミ治療の成功は、「治療前の正しい診断」にかかっています。自己判断で「私は薄いシミだからIPL」と決めるのは危険です。必ず、シミ診断の経験が豊富な医師に「これは肝斑ではありませんか?」と確認してもらう必要があります。

シミの種類 IPLの適応 主な推奨治療法
薄いシミ(老人性色素斑) ◎(非常に適している) IPL
そばかす(雀卵斑) ◎(非常に適している) IPL
くすみ・色ムラ ◎(非常に適している) IPL、ケミカルピーリング
赤ら顔・ニキビ跡の赤み ◎(適している) IPL(赤みに反応するフィルターを使用)
濃いシミ(老人性色素斑) △(レーザーの方が適応) Qスイッチレーザー
肝斑(かんぱん) ×(悪化リスクあり・原則禁忌) 内服薬、レーザートーニング
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) ×(効果なし) Qスイッチヤグレーザー

10. 自分のシミに光治療が合っているか見極める

ここまで、光治療(IPL)の全貌を解説してきました。IPLは、レーザーとは全く異なるアプローチで、多くの肌悩みに応えてくれる素晴らしい治療です。しかし、誰もが適しているわけではなく、特に「肝斑」との見極めが重要であることもご理解いただけたかと思います。

ご自身がIPLに向いているかどうか、以下のチェックリストで最終確認をしてみてください。

【IPL適性セルフチェックリスト】
(当てはまる項目が多いほど、IPLが適している可能性が高いです)

  • 濃くてハッキリした1点のシミより、顔全体に薄いシミやそばかすが散らばっている。
  • シミだけでなく、肌全体のくすみや色ムラが気になる。
  • 頬や小鼻の周りの赤み(赤ら顔)も悩みだ。
  • 最近、肌のハリ不足や毛穴の開きも感じている。
  • レーザー後のテープ保護など、ダウンタイムの時間は取れない。
  • シミ治療は初めてで、痛みが強い治療には抵抗がある。
  • 1回で劇的に変えるより、回数をかけても肌全体を根本的にキレイにしたい。

【ただし、以下の項目に当てはまる場合は要注意】

  • 頬骨のあたりに、左右対称でモヤモヤしたシミがある。(→肝斑の可能性)
  • シミが灰色や青みがかった色をしている。(→ADMの可能性)
  •  1ヶ月以内に海やゴルフなどで強く日焼けをした。(→照射不可)

このチェックリストはあくまで目安です。最終的な判断は、必ず美容皮膚科の医師による診察のもとで行うようにしてください。

IPLによる「肌質改善」で、色ムラのない均一な肌を目指す

顔全体の薄いシミやくすみに対する光治療(IPL)について、その仕組みからレーザーとの違い、注意点までを網羅的に解説しました。

この記事で最も伝えたかった結論は、IPLは単なる「シミ取り」ではなく、「肌全体のコンディションを底上げする治療(スキンリジュビネーション)」であるということです。
レーザーが「点」の悩みを解決するのに対し、IPLは「面」でアプローチし、薄いシミ・そばかす・くすみ・赤み・ハリといった複数の悩みを、ダウンタイムほぼ無しでマイルドに改善していきます。

ただし、その手軽さの一方で、「肝斑」を悪化させるリスクも併せ持っています。治療の成否は、施術前の「正しいシミ診断」にかかっているのです。

この知識を持って、次の具体的なアクションに移してみてください。

  1. まずはご自身の鏡を見て、悩んでいるシミが「点在する濃いもの」か、「散らばる薄いもの」か、あるいは「左右対称のモヤモヤしたもの(肝斑疑い)」か、改めて観察してみましょう。
  2. 美容クリニックのカウンセリングを受ける際は、「私のこのシミはIPLで治療可能ですか? 肝斑が混ざっている可能性はありませんか?」と、具体的に質問することが重要です。

自分の肌の状態を正しく知り、レーザーとIPL、あるいは内服薬といった選択肢の中から、最適な治療法を医師と見極めること。それが、ファンデーションで隠す日々から卒業し、自信の持てる透明肌を手に入れるための、最も確実な近道です。

参考ページ:シミに効く美白美容液&クリームおすすめ10選|選び方と効果的な使い方

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。