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2026.2.1
毛穴悩みに効く成分はコレ!ビタミンC・レチノール・グリシルグリシン徹底解説

「朝起きて鏡を見るたびに、鼻の黒ずみが目に入って憂鬱になる…」
「ファンデーションを厚塗りして隠そうとすればするほど、夕方には毛穴落ちしてドロドロに汚れてしまう」

そんな深刻な毛穴悩みと、もう何年も戦い続けていませんか?私自身、かつてはドラッグストアに並ぶ「毛穴が消える!」というキャッチコピーのついた洗顔料や、パッケージが可愛いだけの化粧水を片っ端から試しては、何の効果も感じられずに洗面台の肥やしにしてしまう…そんな日々を過ごしていました。お金も時間も、随分と無駄にしてきたように思います。

しかし、美容のプロとして成分の知識を深め、自身の肌で実験を繰り返す中で、ある一つの真実にたどり着きました。それは、毛穴ケアは、なんとなくの商品イメージや口コミではなく、根拠のある『成分』で選ばなければ意味がないということです。これから、頑固な毛穴悩みを解決するために、私が実際に試して確かな手応えを感じた成分だけを厳選し、そのメカニズムと実践的な取り入れ方を徹底的に解説していきます。もう、雰囲気だけでコスメを選ぶのは終わりにしましょう。

1. 成分を知れば毛穴ケアが変わる

多くの人が陥りがちな間違いがあります。それは、「毛穴ケア」と書かれた商品を、自分の毛穴の状態も確認せずにとりあえず使ってしまうことです。

実は、一言で「毛穴悩み」と言っても、その原因は人によって全く異なります。皮脂が詰まって酸化している黒ずみ毛穴なのか、加齢によって皮膚がたるんで涙型に開いているたるみ毛穴なのか、あるいは乾燥によってキメが乱れて影ができているだけの乾燥毛穴なのか。原因が違えば、効く成分も当然違います。風邪を引いているのに胃薬を飲んでも治らないのと同じで、たるみ毛穴に必死で角栓を取り除くケアをしても、状況は悪化する一方です。

私が以前犯した最大の失敗は、乾燥が原因で毛穴が開いているのに、皮脂をごっそり取る洗浄力の強い「泥(クレイ)」パックを毎日行ってしまったことでした。結果、肌は砂漠のように乾き、防御反応で余計に皮脂が出て、さらに毛穴が開くという負のスパイラルに陥りました。あの時の絶望感は、今でも忘れられません。

正しい毛穴ケアの第一歩は、自分の毛穴の状態」と「それに対応する成分」のマッチングです。まずは、ご自身の毛穴がどのタイプに当てはまるのか、以下の表でチェックしてみてください。敵を知ることが、勝利への最短ルートになります。

毛穴タイプ 見た目の特徴 原因 狙うべき成分
黒ずみ・詰まり毛穴 鼻や顎にポツポツと黒い点がある。
触るとザラザラする。
皮脂と古い角質が混ざり合い、酸化している。 BHA(サリチル酸)
酵素、クレイ
開き毛穴(オイリー) 顔全体がテカりやすく、毛穴が丸く開いている。
ファンデが毛穴落ちする。
過剰な皮脂分泌により、毛穴の出口が押し広げられている。 ビタミンC誘導体
グリシルグリシン
たるみ毛穴 頬の毛穴が涙型(しずく型)に伸びている。
こめかみを引っ張ると目立たなくなる。
加齢による真皮のコラーゲン・エラスチンの減少。肌の弾力低下。 レチノール
ナイアシンアミド
乾燥毛穴 肌のキメが粗く、影ができて毛穴に見える。
保湿すると目立たなくなる。
水分不足により、角層がしぼんでキメが乱れている。 セラミド
アミノ酸

このように整理してみると、これまで使っていたアイテムが自分の悩みとズレていたことに気づく方も多いのではないでしょうか。ここからは、これらの悩みを解決するために欠かせない「スター成分」について、さらに深掘りしていきます。

関連記事:毛穴の悩み、もう終わりにしたい!原因から治し方まで専門家が完全ガイド

2. 【ビタミンC誘導体】皮脂抑制とコラーゲン生成

毛穴ケアの王様といえば、やはりビタミンCです。私自身、365日スキンケアのラインナップからビタミンCを外すことは、怖くてできません。それほど信頼している成分です。

ビタミンCがなぜこれほどまでに毛穴に効くと言われているのか。その理由は、単に「肌に良い」という曖昧なものではなく、以下の3つの明確なメカニズムがあるからです。

  • 皮脂分泌の抑制:過剰な皮脂を抑え、毛穴の開きや新たな角栓の発生を根本から断ちます。「夕方のTゾーンのテカリが減った」と感じるなら、それはビタミンCが効いている証拠です。
  • 抗酸化作用:毛穴に詰まった皮脂は、紫外線や空気に触れると酸化して黒くなります(これが黒ずみ毛穴の正体です)。ビタミンCはこの酸化を食い止め、黒ずみを防ぎます。
  • コラーゲン生成促進:肌の弾力を支えるコラーゲンの生成を助け、たるみ毛穴を内側からふっくらと持ち上げます。

ただし、ここで一つ大きな注意点があります。それは「ビタミンCの種類」です。単にパッケージに「ビタミンC配合」と書いてあっても、その中身は千差万別。肌への浸透力や刺激の強さは全く異なります。

大きく分けて、即効性はあるものの刺激が強い「ピュアビタミンC」と、肌の中で酵素と反応して効果を発揮する「ビタミンC誘導体」があります。それぞれの特徴を理解して使い分けることが、失敗しないコツです。

種類 成分表示名の例 特徴とおすすめの肌質
ピュアビタミンC
(活性型)
アスコルビン酸 即効性が高いのが最大の特徴。ただし、非常に酸化しやすく、塗った瞬間にピリピリとした刺激を感じることがある。肌が強い人向け。
水溶性ビタミンC誘導体
(速効型)
リン酸アスコルビルMg(APM)など 化粧水に配合されやすく、さっぱりとした使用感。皮脂抑制効果が高いため、オイリー肌やニキビ肌に最適。乾燥肌には少しつっぱりを感じることも。
油溶性ビタミンC誘導体
(持続型)
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP) クリームやオイルに配合。ゆっくりと浸透し、長時間効果が持続する。刺激が少なく保湿力が高いため、乾燥肌や敏感肌でも使いやすい。
両親媒性ビタミンC誘導体
(進化型)
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS) 水にも油にも馴染む性質を持つ。浸透力が圧倒的に高い(従来型の100倍とも言われる)。効果と低刺激を両立しているが、原料が高価なため商品価格も高くなりがち。

私の場合、朝はメイク崩れを防ぐためにさっぱりとした「APS(水溶性)」配合の化粧水を使い、夜は日中に浴びた紫外線ダメージをケアするために、じっくり効く「VC-IP(油溶性)」配合の美容液を使う、というように使い分けています。乾燥肌でビタミンCを諦めていた方も、油溶性や両親媒性のものなら刺激を感じずに使えるケースが多いので、ぜひ試してみてください。

3. 【レチノール】ターンオーバー促進とハリUP

30代を過ぎてからの「たるみ毛穴」や、何をやっても消えない「居座り黒ずみ」に悩んでいるなら、スキンケアにレチノール(ビタミンA)を取り入れることを強く推奨します。私にとって、肌質を劇的に変えてくれた、まさに救世主的な成分です。

レチノールの最大の武器は、強力なターンオーバー(肌の生まれ変わり)の促進です。通常28日周期と言われる肌の代謝が加齢とともに遅くなると、古い角質が肌表面に溜まり、毛穴を塞いだり、毛穴周りの皮膚が硬くなって開いたまま固まったりしてしまいます。レチノールはこのサイクルを正常化し、赤ちゃんのような新しい細胞を下からどんどん生み出させることで、詰まった角栓を排出しやすくし、毛穴を目立たなくさせるのです。

さらに、真皮層にある「線維芽細胞」を活性化させ、コラーゲンやエラスチンを増やす働きもあります。これにより、重力に負けて縦に伸びてしまった「たるみ毛穴」を、内側からパンッと張らせて目立たなくしてくれます。

しかし、レチノールは効果が高い反面、諸刃の剣でもあります。使い始めに赤み、皮むけ、ヒリつきなどが起きる「A反応(レチノイド反応)」が出ることがあるのです。私も初めて高濃度の海外製レチノールを使った時、翌朝顔中が真っ赤になり、皮がボロボロと剥けてメイクも乗らず、マスクをして隠しながら出社した苦い経験があります。「効果がある証拠」とはいえ、日常生活に支障が出るのは避けたいものです。

だからこそ、レチノールは「種類」と「濃度」のコントロールが命です。初心者は、穏やかなものからステップアップしていくのが鉄則です。

成分名 刺激レベル 特徴・おすすめのユーザー
パルミチン酸レチノール
(守りのレチノール)
★☆☆
(弱)
非常に穏やかで安定性が高い。A反応が怖い人や、敏感肌の人、朝のケアにも使いたい人はまずここから。紫外線のダメージから肌を守る効果もある。
ピュアレチノール
(攻めのレチノール)
★★☆
(中〜強)
効果が高い分、反応も出やすい。本格的な毛穴・エイジングケアを目指す人向け。容器の密閉性や使用期限に注意が必要。
トレチノイン
(医薬品)
★★★
(最強)
皮膚科での処方が必要。市販のレチノールの約50〜100倍の活性力を持つと言われる。医師の指導下で使用する治療薬レベル。

最初は「パルミチン酸レチノール」配合の化粧水や乳液から始めて、肌が慣れてきたら徐々に「ピュアレチノール」の低濃度美容液へ移行する、というステップを踏むことで、副作用のリスクを最小限に抑えながら、つるんとした陶器肌を目指せます。焦りは禁物です。

4. 【ナイアシンアミド】皮脂コントロールとバリア機能強化

「レチノールを使ってみたいけれど、やっぱり刺激が強そうで怖い…」
「敏感肌だけど、しっかり毛穴ケアとエイジングケアを両立したい」

そんな方に私が真っ先におすすめするのがナイアシンアミド(ビタミンB3)です。ここ数年で一気にデパコスからプチプラまで配合されるようになり、注目度が高まりましたが、その理由は「効果はしっかりあるのに、刺激が驚くほど少ない」という使い勝手の良さにあります。

ナイアシンアミドが毛穴ケアにおいて優秀なのは、以下の2つの相反するような悩みを同時にケアできるからです。

  • 皮脂分泌の抑制:Tゾーンのテカリやベタつきを抑え、毛穴の開きを防ぎます。ビタミンCと同様の働きですが、よりマイルドに作用します。
  • セラミド合成の促進:肌の水分保持に欠かせない「セラミド」を増やし、肌のバリア機能を高めます。これにより、乾燥によってしぼんで目立っていた毛穴をふっくらさせます。

「皮脂を抑えたいけれど、乾燥するのは嫌だ」という、大人の複雑な肌事情にこれほどマッチする成分はありません。さらに、一定の濃度以上であれば「シワ改善」や「美白」の効果も厚生労働省に認められている(医薬部外品の場合)という、まさにマルチプレイヤーです。

私は、生理前など肌が揺らいでいて攻めのケア(レチノールや高濃度ビタミンC)ができない時の「守りの毛穴ケア」として、ナイアシンアミドを愛用しています。刺激を感じることなく、肌の土台を整えてくれる安心感は別格です。

関連記事はこちら:いちご鼻・黒ずみ毛穴を撃退!角栓除去の正しい方法とNGケア

5. 【BHA(サリチル酸)】詰まり毛穴への角質ケア

鼻の頭に点々と黒い角栓が見える、いわゆる「いちご鼻」。あるいは、顎を触るとザラザラする白いブツブツ。これらを解消するために、指で押し出したり、貼って剥がすタイプのパックを使ったりしていませんか?

はっきり言いますが、それは肌を傷つけ、毛穴を余計に広げてしまうだけのNG行為です。詰まり毛穴を安全に、かつ効果的に溶かして排出させるなら、BHA(サリチル酸)が最強の選択肢です。

一般的にピーリング(角質ケア)成分には「AHA(フルーツ酸)」と「BHA(サリチル酸)」がありますが、毛穴ケアにおいては圧倒的にBHAに軍配が上がります。なぜなら、BHAは「油溶性(油に溶ける性質)だからです。

AHAは水溶性なので、肌の表面にある古い角質を落とすのは得意ですが、油分で満たされた毛穴の中までは届きにくい性質があります。一方でBHAは、毛穴に詰まった皮脂汚れにスルスルと馴染んで入り込み、内側から角栓を溶かし出し、毛穴の奥からスッキリさせてくれるのです。さらに、殺菌作用や抗炎症作用もあるため、ニキビができやすい肌質の改善にも役立ちます。

ただし、効果が高い分、刺激も強めです。毎日使うと肌に必要な角質まで取りすぎてしまい、「ビニール肌(キメがなくなりテカテカした状態)」になったり、乾燥して余計に皮脂が出たりする悪循環に陥ることもあります。私も過去に毎日使って失敗しました。週に1〜2回、拭き取り化粧水や洗い流すマスクなどのスペシャルケアとして取り入れるのが、賢い大人の使い方です。

6. 【グリシルグリシン】開き毛穴を整える

「角栓は取れた。皮脂も抑えている。それなのに、なぜか頬や鼻の毛穴がパカーンと開いたまま閉じない…」

そんな悩みに直面した時、私たちはつい「収れん化粧水」で肌を冷やしたり、こってりしたクリームで埋めようとしたりしがちです。しかし、物理的に引き締めても効果は一時的。根本的な解決にはなりません。そんな「ぽっかり開き毛穴」や、毛穴の縁が削れたように見える「すり鉢毛穴」に特化した成分として、私が今最も信頼を寄せているのがグリシルグリシンです。

この成分は、まだビタミンCやレチノールほどの知名度はないかもしれません。しかし、美容皮膚科やスキンケア上級者の間では、もはや常識となりつつある「隠れた名品」です。なぜグリシルグリシンが開き毛穴に効くのか、そのメカニズムは非常に興味深いものです。

実は、毛穴が開いて目立つ原因の一つに、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸(特にオレイン酸など)による炎症があります。過剰に分泌された皮脂中の不飽和脂肪酸が、毛穴の出口付近の皮膚細胞を刺激し、慢性的な炎症を引き起こします。すると、皮膚の防衛反応として角質が異常に厚く積み重なったり(角化異常)、逆に炎症で削れてしまったりして、毛穴の入り口がすり鉢状に広がってしまうのです。

グリシルグリシンは、この炎症による異常角化を正常化し、毛穴をキュッと小さく整える働きがあります。いわば、炎症というボヤ騒ぎを鎮火し、荒れ果てた毛穴の入り口を修復する「現場監督」のような存在です。

私がこの成分を知ったのは、資生堂の研究発表がきっかけでした。実際に、グリシルグリシン配合の化粧水を使い始めてみると、レチノールのような劇的な皮むけや変化はありません。しかし、1本使い切る頃にふと鏡を見ると、「あれ?ファンデーションが毛穴落ちしなくなってる?」「肌の凹凸がフラットになって、光を綺麗に反射している」と気づくのです。派手さはありませんが、地味で確実な底力を感じる成分です。

アミノ酸の一種であるため、刺激が非常に少なく、敏感肌の方でも安心して使えるのも大きなメリットです。「ビタミンCだとピリピリする」「レチノールはお休み中」という時でも、グリシルグリシンなら毎日のケアに組み込みやすく、長期的な「毛穴管理」には欠かせないパートナーと言えるでしょう。

参考ページ:涙型の「たるみ毛穴」は老化のサイン!ハリを取り戻すエイジングケア完全版

7. 自分の毛穴悩みに合う成分の選び方

ここまで、毛穴ケアの主要なスター成分たちを見てきましたが、「どれも良さそうで選べない」「私の肌には結局どれが必要なの?」と迷ってしまう方も多いはずです。成分は、肌悩みとの「相性」がすべて。高価なものが必ずしも効くわけではありません。

そこで、あなたの現在の毛穴の状態を診断し、最優先で取り入れるべき成分を整理しました。鏡を持って、ご自身の肌をよく観察しながらチェックしてみてください。

毛穴タイプ 具体的な症状・特徴 最優先成分(First) 次点成分(Second)
オイリー開き毛穴 顔全体がテカりやすく、毛穴が丸く開いている。
夕方になると酸化してくすむ。
ビタミンC誘導体
(皮脂抑制・抗酸化)
グリシルグリシン
(異常角化の正常化)
詰まり・黒ずみ毛穴 鼻や顎に角栓が詰まり、黒く見える。
触るとザラザラと硬い感触がある。
BHA(サリチル酸)
(角質溶解・排出)
ビタミンC誘導体
(黒ずみ予防)
たるみ毛穴 頬の毛穴が涙型(しずく型)に伸びている。
皮膚を引っ張ると目立たなくなる。
レチノール
(コラーゲン生成・代謝促進)
ペプチド・ナイアシンアミド
(ハリ・弾力)
乾燥・萎縮毛穴 肌がカサついてキメが粗く、毛穴の影が見える。
保湿すると目立たなくなる。
セラミド・アミノ酸
(バリア機能強化・保湿)
ナイアシンアミド
(セラミド合成促進)

診断の結果はいかがでしたか?多くの人は、一つのタイプだけでなく「Tゾーンは詰まっているけれど、頬はたるんでいる」といった混合タイプに当てはまると思います。

プロの視点からアドバイスをするなら、部位ごとの使い分けこそが美肌への近道です。例えば、鼻にはBHAの拭き取り化粧水を使い、頬にはレチノールのクリームを塗る。顔全体に同じものを塗る必要はありません。自分の顔のパーツごとの「要求」に耳を傾け、オーダーメイド感覚で成分を配置していく。これこそが、スキンケア上級者のテクニックです。

参考:毛穴レス肌を目指す!正しいクレンジング・洗顔・保湿の全ステップ

8. これらの成分を効果的に使うスキンケアの順番

使うべき成分が決まっても、塗る順番を間違えれば、せっかくの効果が半減してしまいます。「高い美容液を買ったのに効果がない」と感じる場合の多くは、浸透を妨げる順番で使っているか、成分の特性を活かせていないことが原因です。

スキンケアの基本ルールは水っぽいもの(粘度が低い)から、油っぽいもの(粘度が高い)へですが、機能性成分を使う場合は、さらに「pH(酸性度)」や「浸透圧」を考慮する必要があります。私が実践し、最も効果実感が高かった「最強の毛穴ケアルーティン」をご紹介します。

【朝:防御と皮脂コントロールのケア】
朝の目的は、日中の紫外線や酸化ストレスから毛穴を守り、化粧崩れ(皮脂)を防ぐことです。

  1. 洗顔:寝ている間の皮脂汚れを優しくオフします。
  2. ビタミンC誘導体(化粧水):洗顔後すぐ、または導入液の後に。特に水溶性ビタミンCは、肌に油分がない状態の方が浸透しやすい傾向があります。
  3. グリシルグリシン(化粧水・美容液):ビタミンCの後、または同時配合のものを使用。毛穴を引き締めます。
  4. ナイアシンアミド(美容液):水溶性の美容液として、顔全体に馴染ませバリア機能を強化。
  5. 乳液・UVケア:油分で蓋をし、紫外線対策を徹底します。

【夜:修復と代謝促進のケア】
夜の目的は、日中のダメージを修復し、ターンオーバーを促して毛穴を内側から整えることです。

  1. クレンジング・洗顔:メイクと角栓汚れを落とします。週1〜2回、ここでBHAなどの角質ケアを取り入れます。
  2. 保湿化粧水:セラミドなどでたっぷりと水分補給。
  3. レチノール(美容液・クリーム):化粧水で肌を整えた後、または刺激を抑えたい場合は乳液の後に使用します。油分を含む製品が多いため、お手入れの後半が定位置です。
  4. クリーム:レチノールの乾燥を防ぐため、高保湿なクリームで仕上げます。

特に重要なポイントは、ビタミンCレチノールの使い分けです。これらはどちらも効果が高い反面、同時に使うと刺激が出やすかったり、pHの相性で効果が打ち消し合ったりする可能性があります(詳細は次項で解説します)。

そのため、抗酸化作用のあるビタミンCは、紫外線に弱く修復効果のあるレチノールはと、時間を分けて使うのが最も効率的でリスクの少ない方法です。この「朝C夜A」の法則を守るだけでも、肌の安定感は格段に変わります。

9. 成分の組み合わせと注意点

美容成分には「混ぜるな危険」とまでは言いませんが、相性が悪く肌トラブルの原因になりかねない併用注意な組み合わせと、逆にお互いの良さを引き立て合う相乗効果(シンデレラフィット)な組み合わせが存在します。

ここを知らずに自己流で高濃度成分を重ね塗りし、肌が赤くただれてしまったり、ビニール肌になってしまったりするケースが後を絶ちません。正しい知識で、リスクを回避しましょう。

組み合わせ 判定 理由とプロの対策
レチノール × ビタミンC △ 注意 ピュアビタミンC(酸性)とレチノール(弱酸性〜中性)は、効果を発揮するpH領域が異なるため、同時塗布は推奨されません。また刺激も強くなります。
対策:朝夜で分けるか、刺激の少ない誘導体(VC-IPなど)を使う。
レチノール × BHA/AHA × 非推奨 どちらも「剥離作用(ピーリング)」があるため、肌を削りすぎてバリア機能が崩壊します。赤み、ヒリつきの最大要因。
対策:同日使用は避ける。BHAを使った日はレチノールを休む。
ナイアシンアミド × レチノール ◎ 最高 ナイアシンアミドがセラミドを増やしてバリア機能を守るため、レチノールの刺激(A反応)を緩和してくれます。非常に相性が良く、同時配合された製品も多いです。
ビタミンC × グリシルグリシン ◎ おすすめ 開き毛穴対策に最適です。皮脂を抑えつつ(VitC)、毛穴の炎症を鎮める(グリシルグリシン)ことで、多角的に毛穴を小さく見せます。

特に注意が必要なのは、「効果を出したい」と焦るあまり、ピーリング石鹸で顔を洗った直後に高濃度レチノールを塗り、さらにビタミンC美容液を重ねる…といった「攻めすぎ」のケアです。これは肌への拷問に等しい行為です。

肌には「受け入れられるキャパシティ」があります。特に新しい成分を取り入れる時は、1品ずつ追加する」「最初は週2〜3回から始めるという慎重さが、結果的に最短で美肌を手に入れるコツとなります。

10. 攻めと守りの成分で最強の毛穴ケアを

ここまで「攻め」の成分(レチノール、ビタミンC、BHA)を中心にお話ししてきましたが、毛穴ケアにおいてこれらと同じくらい、いや、それ以上に重要なのが守りの成分です。

どんなに良い成分でターンオーバーを促しても、肌の土台となる「保湿」と「バリア機能」がボロボロでは、毛穴は決して綺麗になりません。むしろ、乾燥してしぼんだ肌は、毛穴をより一層目立たせてしまいます。これは、空気が抜けた風船の表面がシワシワになるのと同じ理屈です。

最強の毛穴ケアとは、攻め守りのバランスを保つことに他なりません。

  • 攻めの成分:レチノール、ビタミンC、BHA→ 肌の代謝を上げ、不要なものを排出する「アクセル」の役割。
  • 守りの成分:セラミド、ナイアシンアミド、CICA(ツボクサエキス)、ヒアルロン酸→ 肌を鎮静し、水分を抱え込み、刺激から守る「ブレーキ・メンテナンス」の役割。

私の場合、肌の調子が良い時は「攻め8:守り2」で積極的にレチノールを使いますが、生理前や季節の変わり目で肌が敏感になっている時は、潔く「攻め0:守り10」に切り替えます。たっぷりのセラミド化粧水とナイアシンアミド美容液だけで過ごす期間を作るのです。

「毛穴を消したいから」といって攻め続けることは、疲労骨折しているランナーに「もっと走れ!」とムチを打つようなもの。休ませる勇気、守る勇気を持つことこそが、長期的な毛穴ケアの成功の鍵を握っています。あなたの肌の声を聞きながら、その日その瞬間のベストな「攻守バランス」を見極めてあげてください。

科学的なアプローチで毛穴との戦いに終止符を

長年、私たちを悩ませてきた「毛穴問題」。しかし、ビタミンC、レチノール、グリシルグリシンといった、科学的根拠のある成分を正しく理解し、自分の肌タイプに合わせて使いこなすことができれば、必ず改善の兆しは見えてきます。

この記事でお伝えしたかった結論は、雰囲気やパッケージで選ぶのはやめて、成分で選ぶこと、そして自分の毛穴タイプに合った成分を、適切なタイミング(朝C夜Aなど)で使うことの重要性です。

明日から、いえ、今日からできる具体的なアクションを提案します。
まずは、今お手持ちの化粧水や美容液の「全成分表示」を裏返して見てみてください

もし、あなたの悩みが「黒ずみ」なのにビタミンCが入っていなかったり、「たるみ」なのにレチノールが入っていなかったりするなら、次の買い替えのタイミングで、それらの成分が配合されたアイテムを一つだけ取り入れてみましょう。

一度にすべてを変える必要はありません。正しい知識という武器を一つ手に入れるだけで、あなたのスキンケアは劇的に変わり、鏡を見るのが楽しみになる日が必ず訪れます。

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美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。