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2026.2.19
シミ治療、レーザー・光治療・ピーリングどれが正解?効果と値段を比較

「鏡を見るたびに、頬のシミが以前より濃くなっている気がする」「ファンデーションを厚塗りしても隠しきれなくなり、朝のメイクが苦痛になってきた」……。そんな切実な悩みを持って、美容クリニックの門を叩く方は後を絶ちません。シミ治療と一口に言っても、インターネットで検索すれば「レーザー」「光治療(IPL)」「ピーリング」など、魅力的な言葉が並んでいて、結局どれが自分にとっての「正解」なのか分からなくなってしまいますよね。実は、シミにはいくつかの種類があり、その正体を見極めずに治療を選んでしまうと、効果が出ないどころか、逆にシミを悪化させてしまうことすらあります。ここでは、美容医療の現場で多くの肌悩みを見てきた専門的な視点から、各治療のメカニズム、期待できる効果、そして気になる費用相場を徹底的に比較・解説していきます。あなたの肌に眠る透明感を取り戻すための、最初の一歩を具体的にお伝えします。

1. シミ治療の代表的な3つの方法

シミ治療を検討する際、まず知っておくべきは「メラニン色素をどう処理するか」というアプローチの違いです。私たちの肌に居座るシミの正体は、過剰に蓄積されたメラニン色素。これを物理的に破壊するのか、排出を助けるのか、あるいは代謝を整えるのかによって、治療法は大きく3つに分類されます。

一つ目はレーザー治療です。これは特定の波長の光を非常に高い密度で照射し、ターゲットとなるメラニン色素を粉砕する、いわば「物理的な破壊」の治療です。二つ目は光治療(IPL)です。レーザーよりもマイルドで幅広い波長の光を顔全体に照射し、メラニンをじわじわと浮き上がらせる「広範囲の排出」を得意とします。そして三つ目がピーリングです。薬剤を使用して肌表面の古い角質を剥がし、肌の再生サイクル(ターンオーバー)を強制的に正常化させることで、シミを自然に追い出す「代謝の促進」の治療です。

以前、私の友人が「レーザーなら一発で消えるはず」と思い込み、自己診断で高出力のレーザーを希望したことがありました。しかし、彼女のシミの正体は女性ホルモンが影響する「肝斑(かんぱん)」だったため、強いレーザーの刺激によって、かえってシミが真っ黒に濃くなってしまったのです。このような失敗を避けるためには、まず以下の表にあるように、各治療がどのような「役割」を持っているのかを正しく理解することが欠かせません。

治療カテゴリー 主な作用の仕組み 治療の立ち位置
レーザー治療 高出力のエネルギーでメラニンを直接砕く。 濃いシミの「ピンポイント除去」。
光治療(IPL) マイルドな光を浴びせ、色素を浮かせる。 顔全体の「トーンアップ・一掃」。
ピーリング 薬剤の力でターンオーバーを促し排出する。 くすみ解消・「排出のサポート」。

面白いことに、一つの治療だけで全てを解決しようとするよりも、これらの特性を理解して「まずは光治療で全体のトーンを上げ、残った濃い部分をレーザーで叩く」といった計画を立てる方が、結果的に安く、綺麗に仕上がることが多いのも事実です。シミ治療は「点」ではなく「面」と「時間軸」で捉えるのが、賢明な判断と言えます。

関連記事:シミのよくある質問10選|専門家があなたの疑問をスッキリ解決

2. 【レーザー】濃いシミをピンポイントで除去

「この1cmの茶色いシミさえなければ、5歳は若く見えるのに……」というように、ターゲットが明確な場合に最も威力を発揮するのがレーザー治療です。QスイッチYAGレーザーやルビーレーザー、そして近年注目を浴びているピコレーザーなどがこれに該当します。レーザーの強みは、なんと言ってもその「破壊力」にあります。

メカニズムは非常にシンプルです。特定の色の付いたターゲットにだけ反応する特殊な光を、ナノ秒(10億分の1秒)やピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い時間で照射します。すると、正常な皮膚細胞にはダメージを与えず、メラニン色素だけが衝撃波でバラバラに砕かれます。砕かれた色素は、その後マクロファージという掃除屋の細胞に食べられて運ばれるか、肌の表面からカサブタとなって剥がれ落ちていきます。

特筆すべきは最新のピコレーザーの進化です。従来のレーザーが「熱」の力で色素を焼いていたのに対し、ピコレーザーは「衝撃波」の力で色素をより細かく、砂のように粉砕します。これにより、周囲の皮膚への熱ダメージが抑えられ、後述する「炎症後色素沈着」のリスクを減らしながら、少ない回数で高い効果を得られるようになりました。私自身、ピコレーザーを受けた直後の肌を観察したことがありますが、照射後の熱感が引きやすく、従来のレーザーに比べてダウンタイムの不快感が大幅に軽減されていることに驚きました。

ただし、レーザー治療には避けて通れない課題があります。それが「カサブタ」と「テープ保護」です。照射部位は一時的に軽い火傷の状態になるため、カサブタができるまでの約1週間、上から医療用のシールを貼り続ける必要があります。「お化粧で隠せばいい」と思われがちですが、シールの厚みはどうしても目立つため、大切なイベントの直前などは避けるのが鉄則です。この「1週間の辛抱」さえ受け入れられれば、長年悩んでいた濃いシミがポロリと取れる快感は、他の治療では味わえないものでしょう。

3. 【光治療】広範囲の薄いシミやそばかすに

「カサブタができるのは困るけれど、顔全体のシミをなんとかしたい」「そばかすをまとめて消して、透明感を出したい」というニーズに完璧に応えてくれるのが、光治療(IPL)です。フォトフェイシャル、フォトRF、M22といった名称で呼ばれることが多く、美容医療初心者の方でも挑戦しやすい治療の一つです。

光治療の最大の特徴は、レーザーが単一の波長で「一点突破」するのに対し、IPLはカメラのフラッシュのような「広帯域の光」を顔全体に浴びせる点にあります。この光はメラニン色素だけでなく、赤ら顔の原因となる毛細血管や、肌の弾力をつくるコラーゲン生成細胞にも同時に働きかけます。つまり、シミを薄くしながら、同時に赤みを抑え、毛穴を引き締め、ハリを出すというお肌の総合メンテナンスが可能なのです。

照射から数日経つと、反応したシミの部分が「マイクロクラスト」と呼ばれる非常に細かい、黒いゴマのような点状になります。これはレーザーのような分厚いカサブタではなく、洗顔などの際に自然にポロポロと剥がれ落ちる程度です。シールの貼付も不要で、直後からお化粧をして帰宅できるため、周囲にバレたくない方にはこれ以上ない選択肢でしょう。

比較項目 レーザー治療 光治療(IPL)
照射範囲 ピンポイント(シミ一つずつ) 全顔(顔全体)
痛み 強め(輪ゴムではじかれる感覚) 中程度(パチッという刺激)
カサブタの有無 しっかりとしたカサブタになる 薄い膜のようなカスが出る程度
直後のメイク 不可(シール保護が必要) 直後から可能

ただ、光治療はマイルドな分、1回で全てのシミが消えるわけではありません。一般的には3〜4週間に一度の頻度で、5回程度の通院が推奨されます。回数を重ねるごとに肌全体の「にごり」が取れていくのを実感できるため、コツコツと自分への投資を続けられる方に向いている治療です。以前、接客業をされている患者様から「大きなダウンタイムがないから、週末に受けて月曜日に普通に仕事に行けるのが本当に助かる」という声をいただきましたが、まさに現代の忙しい女性に寄り添った治療と言えます。

4. 【ピーリング】肌のターンオーバーを促し、くすみを改善

ピーリングは、光やレーザーのような「光エネルギー」を使わず、薬剤の力で肌を再生させる治療です。具体的には、グリコール酸、乳酸、サリチル酸といった酸性の薬剤を肌に塗り、古くなって剥がれ落ちなくなった不要な角質を優しく溶かして取り除きます。これによって「シミそのものを消す」というより、シミを抱えた古い細胞を「追い出す」プロセスを加速させます。

なぜピーリングがシミ治療に欠かせないかというと、年齢とともに肌のターンオーバーはどんどん遅くなっていくからです。20代なら約28日周期だったものが、40代、50代になると40日、50日と延びていきます。すると、メラニン色素がいつまでも肌の表面に留まり続け、シミが定着してしまうのです。ピーリングでこのサイクルを正常に戻してあげることは、シミ治療における「土壌の整備」に他なりません。

特におすすめなのが、肌全体のくすみ」や「ニキビ跡の色素沈着が気になるケースです。顔全体の色ムラが改善されることで、相対的にシミが目立たなくなる効果もあります。また、ピーリングによって肌表面が整うと、その後の美肌施術の効率が良くなるため、他の治療とのセットで提案されることが多いのも特徴です。私自身もピーリングを受けたことがありますが、翌朝の洗顔時のツルツルとした肌触り、そして化粧水の浸透の良さは感動的です。

最近では「リバースピーリング」などのように、肝斑や深いシミに対して特化した薬剤を浸透させる手法も登場しています。痛みはピリピリとする程度で、ダウンタイムもわずかな赤みが数時間出る程度。価格も比較的リーズナブルなため、美容クリニックデビューの「最初の一歩」として選ばれることが非常に多いメニューです。光治療ほどの即効性はありませんが、じっくりと肌質から変えていきたい方には非常に堅実な選択肢となります。

関連記事はこちら:そのシミ、肝斑かも?シミの種類別に見つける最適な改善法

5. 効果の高さ、即効性で比較

治療を選ぶ上で、最終的に重要になるのは「どのくらいの期間で、どこまで綺麗になれるか」という期待値とのすり合わせです。効果の高さと即効性という軸で3大治療を比較すると、明確な序列が見えてきます。

即効性において頂点に立つのは間違いなくレーザー治療です。うまく反応すれば、1回の照射で長年の悩みだったシミが消失することもあります。対して、光治療は「緩やかな改善」を目的としており、ピーリングは「継続による排出サポート」という位置づけです。しかし、ここで注意が必要なのは、「即効性が高い治療=万能」ではないという点です。

例えば、顔中に散らばる小さなそばかすに対して一つずつレーザーを当てるのは現実的ではありませんし、無理に行えば「パッチワーク」のような不自然な色ムラが残ることもあります。このような場合は、1回あたりの効果はマイルドでも、全体を一様に綺麗にできる光治療の方が、最終的な満足度は高くなります。また、レーザーは「消える」までの時間は短いですが、その後の「炎症後色素沈着(戻りシミ)」を防ぐためのアフターケア期間が長く必要になります。

比較の観点 レーザー治療 光治療(IPL) ピーリング
即効性(回数) ★★★(1〜2回) ★★☆(5回〜) ★☆☆(10回〜)
1回の満足度 ピンポイントで消える 全体的に明るくなる 手触りが良くなる
改善できるシミ 濃い、根深い、日光性 薄い、点在、そばかす くすみ、色ムラ、浅い層

以前、私の知り合いで「とにかく早く白くなりたい」と焦り、複数のクリニックを掛け持ちして短期間に強いレーザーを繰り返し当てた方がいました。結果、肌のバリア機能が崩れ、かえって頑固なシミが再発するという悲しい事態を招いてしまいました。シミ治療において「急がば回れ」という言葉は真実です。強力な治療には必ず反動のリスクがあることを理解し、自分の肌の体力を見極めながら、最適なスピードで進めていくことが、最終的に最も美しい肌を手に入れる鍵となります。

6. ダウンタイムと痛みで比較

シミ治療を検討する際、多くの方が最も気にされるのが痛み」と「ダウンタイム(施術後の回復期間)です。どんなに効果が高い治療であっても、仕事やプライベートの予定に支障が出るほどの負担があれば、二の足を踏んでしまうのも無理はありません。ここでは、主要な3つの治療法における身体的・精神的な負担の度合いを、実際の現場での感覚をもとに比較していきます。

まず、最も「覚悟」が必要なのはレーザー治療(スポット照射)です。照射時は、よく「輪ゴムでパチンと弾かれたような鋭い痛み」と表現されますが、濃いシミや面積の広いシミの場合は、それなりの衝撃を感じます。施術直後は患部が白くなり、その後に赤みやヒリヒリ感が出ます。最大のハードルは、約1週間から10日間ほど続く「カサブタ」の状態です。この期間は、患部を保護するために医療用テープを貼る必要があるため、周囲に気づかれたくない方にとっては、スケジュール調整が不可欠な治療と言えるでしょう。

一方、光治療(IPL)は非常にマイルドです。痛みは「パチパチ」という軽い刺激程度で、冷却ジェルを使用するため、多くの方が麻酔なしでリラックスして受けられます。ダウンタイムも、反応したシミが「マイクロクラスト」と呼ばれる薄いゴマのようなカスになる程度で、直後からメイクが可能です。私が以前お会いした接客業の女性は、「仕事の合間に受けても、コンシーラーで隠せる程度の変化なので本当に助かる」と仰っていました。日常生活を一切止めずに美肌を目指せるのが、光治療の最大の強みです。

比較項目 レーザー治療(スポット) 光治療(IPL) ピーリング
痛み 鋭い痛み(弾かれる感覚) 軽い刺激(パチパチ感) ほぼなし(ピリピリ感)
赤み・腫れ 数日間(赤みが出る) 数時間(火照り程度) ほぼなし(乾燥しやすい)
カサブタの状態 厚くしっかりできる(1週間〜) 薄い膜状のカス(数日で剥落) なし
保護テープ 必須(約10日間) 不要 不要

最後に、ピーリングはダウンタイムという概念がほぼありません。薬剤による軽いピリピリ感を感じることはありますが、終わった後は「肌がつるんとした」という爽快感の方が勝るでしょう。ただし、一時的に肌のバリア機能が変化し乾燥しやすくなるため、施術後数日間は普段以上の保湿が必須となります。面白いことに、痛みが少ないからといって効果が低いわけではなく、肌の基礎体力を上げることで、レーザーや光治療後の色素沈着を防ぐ「守りの治療」としての価値は非常に高いのです。

参考ページ:シミに効く美白美容液&クリームおすすめ10選|選び方と効果的な使い方

7. 費用対効果で考えるベストな選択

「綺麗になりたいけれど、予算には限りがある」というのは、誰もが抱く本音です。シミ治療の費用を考える際、つい「1回あたりの単価」に目を奪われがちですが、真に重要なのは理想の状態に至るまでの総額(トータルコスト)です。安いと思っていた治療が、何度も繰り返すうちに高額になってしまったというケースは、美容医療の現場では珍しくありません。

レーザー治療は、1回の単価が1万円〜5万円程度と高めに設定されていますが、はっきりとしたシミであれば1〜2回で完結することが多いため、短期的なコストパフォーマンスは非常に優れています。「ピンポイントでこのシミを消したい」という目的が明確な方にとっては、最も「安上がり」な選択になることがほとんどです。しかし、顔全体に薄いシミが散らばっている場合、一つずつレーザーを当てると総額が跳ね上がり、さらに顔中がテープだらけになってしまいます。

一方で、光治療(IPL)は1回あたり1.5万円〜3万円程度。これだけ聞くと安く感じますが、光治療は「肌全体のメンテナンス」に近い性質を持つため、5回以上の継続が前提となります。総額で見れば10万円〜20万円程度の投資になることが一般的です。これを「高い」と捉えるか、「シミだけでなく、毛穴やハリも同時にケアできる総合美肌コース」と捉えるかで、価値の感じ方は大きく変わります。私が見てきた中でも、中長期的に最も肌が美しく保たれているのは、この光治療をライフスタイルに取り入れている方々です。

コスト要素 レーザー(スポット) 光治療(IPL) ピーリング
1回あたりの相場 1万円〜5万円 1.5万円〜3万円 0.5万円〜1.5万円
標準的な回数 1〜2回 5〜10回 10回以上
総額の目安 3万円〜10万円前後 10万円〜25万円前後 5万円〜15万円前後
おすすめの方 特定の濃いシミを早く消したい 顔全体を均一に若返らせたい 低予算でじっくり肌質を改善したい

ピーリングは1回あたり数千円から受けられる最も手軽なメニューです。単独での「シミ消し」としての即効性は低いものの、他の治療の効果を高めたり、再発を予防したりする美肌の土台作りとしての役割は価格以上です。費用対効果を最大化するコツは、目的を明確にすること。「シミを取る(レーザー)」のか、「肌を磨く(光治療・ピーリング)」のか。この軸を医師と共有することで、無駄な出費を抑えることができます。

参考:シミ取りレーザー治療の全て|効果・費用・ダウンタイムを徹底解説

8. あなたのシミのタイプ別おすすめ治療法

シミ治療で失敗する最大の原因は、自分のシミの種類に合わない治療を選んでしまうことです。シミはどれも同じように見えますが、実は発生のメカニズムや深さが全く異なります。ここでは、代表的なシミのタイプと、それぞれに最適な治療の組み合わせを具体的に整理していきます。

最も多くの方が悩まれているのが日光性色素斑(老人性色素斑)です。紫外線が原因で、境界線がはっきりしている茶色のシミです。これにはレーザー治療(スポット照射)が第一選択となります。1回の照射で劇的な変化を得やすく、満足度が高いのが特徴です。一方、鼻の周りなどに散らばる小さなそばかす(雀卵斑)には、全顔に照射する光治療(IPL)が非常に効果的です。そばかすは広範囲に及ぶため、マイルドな光で一掃するアプローチが最も自然で美しく仕上がります。

注意が必要なのは、頬骨のあたりにモヤモヤと広がる肝斑(かんぱん)です。これに対して強いレーザーを当ててしまうと、刺激によって逆にシミが濃くなる「最悪の結果」を招くことがあります。肝斑の場合は、トラネキサム酸などの内服薬をベースに、ピーリングや低出力のトーニングで慎重にアプローチするのが王道です。以前、ご自身で「ただのシミ」だと思い込み、強引なレーザーを希望された患者様がいらっしゃいましたが、丁寧な診察の結果、肝斑が判明して治療方針を切り替えたことで、トラブルを未然に防ぐことができました。

シミの名称 主な特徴 おすすめの治療方針
日光性色素斑 境界がはっきりした丸いシミ。 ピコレーザー等のスポット照射
そばかす 遺伝性が強く、鼻周りに散在。 光治療(IPL)による全顔照射
肝斑 左右対称で、地図状の薄暗いシミ。 内服 + ピーリング / トーニング
ニキビ跡・色素沈着 ニキビや傷の跡が茶色く残ったもの。 ピーリング + ビタミン導入

面白いことに、多くの方の顔には複数の種類のシミが混在しています。例えば「肝斑の上に日光性色素斑が乗っている」といった複雑なケースです。このような場合、自己判断で強い治療に飛び込むのは危険です。まずはプロの診断を受け、どのシミが支配的なのかを見極めることが、無駄な出費とリスクを回避する唯一の方法です。

9. 複数の治療を組み合わせるコンビネーション治療

現代の美容皮膚科において、最も効率的で仕上がりが美しいとされるのがコンビネーション治療です。単独の治療を繰り返すよりも、異なるアプローチを掛け合わせることで、副作用のリスクを抑えつつ、治療期間を劇的に短縮できることが多いためです。これは、シミの「原因・所在・排出プロセス」のすべてに多角的にアプローチする戦略的な考え方です。

例えば、ピーリング + 光治療(IPL)の組み合わせは、非常に高い相乗効果を発揮します。まずピーリングで肌表面の余計な角質を取り除いておくと、光の透過率が良くなり、より低い出力で高い効果を得られるようになります。また、光治療で浮き上がらせたメラニンを、ピーリングがターンオーバーを促進して素早く排出させるという「完璧なリレー」が成立します。私が支援したケースでも、このセットプランを選んだ方は、単体治療の方に比べて肌のトーンアップを実感するまでの期間が明らかに短縮されていました。

さらに、レーザー + 内服・外用薬の併用も欠かせません。レーザーは物理的にメラニンを破壊しますが、その後は肌が非常にデリケートな状態になります。この時にトラネキサム酸の内服やハイドロキノンの外用を行うことで、レーザー治療の天敵である「炎症後色素沈着」のリスクを最小限に抑えることができます。いわば、攻めの医療と守りのケアを同時に行う「万全の体制」です。ここでは主要なコンビネーションの利点を整理します。

治療の掛け合わせ 主な目的と役割 期待できるシナジー
ピーリング + 光治療 代謝促進 × 広範囲の色素反応 透明感の出現が早まり、肌質も整う。
レーザー + イオン導入 物理的破壊 × 鎮静と栄養補給 術後の赤みを抑え、再生をサポート。
トーニング + 内服薬 深層刺激 × メラニン抑制 肝斑の悪化を防ぎつつ、底上げする。

「複数のメニューを提案されると、高額になるのでは?」と身構えてしまうかもしれませんが、賢いクリニック選びにおいては、この提案こそが誠実さの証でもあります。大切なのは、セット売りに流されるのではなく、「なぜこの組み合わせが自分に必要なのか」という根拠に納得することです。最短で最大の成果を出すための投資として、コンビネーションという選択肢は無視できません。

10. カウンセリングで希望を伝え、最適な治療を選ぶ

シミ治療の成功は、治療当日ではなく、その前に行われるカウンセリングで8割が決まると言っても過言ではありません。どれほど最新の機械が揃っていても、あなたのシミの種類、肌質、そして生活スタイルが正しく把握されていなければ、望む結果は得られないからです。ここでは、納得のいく治療を選ぶために、読者の皆様がカウンセリングで必ず確認すべきポイントを具体的にお伝えします。

まず、ダウンタイムの許容範囲を明確に伝えましょう。「来週大事な商談がある」「しばらくテープは貼りたくない」といった情報を伏せたまま治療を受けるのは非常に危険です。信頼できる医師であれば、スケジュールを優先したマイルドなプランを提案してくれます。また、シミ診断機(VISIAなど)を導入しているクリニックを選ぶことも重要です。肉眼では分からない「隠れた肝斑」や、深層にあるシミの状態を数値で可視化することで、客観的な根拠に基づいた治療計画が立てられます。私の経験上、データに基づいた診断を行うクリニックほど、トラブル後の対応も迅速かつ論理的です。

最後に、治療費用の内訳を徹底的に確認してください。提示された金額に、再診料や麻酔代、万が一のアフターケア費用が含まれているか。「1回あたりの安さ」だけで判断せず、ゴールまでの総額提示を求めてください。カウンセリングで以下の項目をチェックすることをおすすめします。

カウンセリング時のチェックリスト 良いクリニックの対応例
シミの診断根拠 拡大鏡や肌診断機を使い、論理的に説明する。
リスクと副作用 色素沈着や再発の可能性を包み隠さず話す。
料金の透明性 見積書を出し、追加料金の有無を明言する。
アフターケア トラブル時の相談窓口や再診体制が整っている。

「何も知らないからお任せします」という姿勢ではなく、この記事で得た知識をもとに質問をぶつけてみてください。医師の回答が誠実で分かりやすいかを確認するプロセスそのものが、あなたの大切なお顔を預けるにふさわしいパートナーを見分けるリトマス試験紙となります。シミのない未来は、納得感のあるカウンセリングの先に待っています。

シミのない健やかな肌を取り戻すために

これまで、レーザー、光治療、ピーリングという3大治療の本質的な違いから、費用対効果、そしてクリニック選びのコツまでを詳しく解説してきました。シミ治療の成功は、単に高価な機械を使うことではなく、自分のシミの正体を正しく知り、適切な手法を組み合わせることにあります。即効性を求めるならレーザー、全体の底上げなら光治療、基礎を整えるならピーリング。それぞれの特性を理解し、自分の生活スタイルに合った計画を立てることが、最短で透明感のある肌を手に入れるための唯一の道です。

この記事を読み終えた皆様に、明日から実践していただきたい具体的なアクションは以下の2点です。

  • 鏡を見て、自分のシミの「境界線」を確認してください。:輪郭がくっきりしていればレーザー、ぼんやりと散らばっていれば光治療が検討の第一候補となります。
  • 「肌診断機」を完備しているクリニックで、一度カウンセリングを受けてみてください。:目に見えない隠れたシミの状態を数値化することで、無駄のない最適な治療プランが明確になります。

シミ治療は、単に見た目を変えるだけでなく、鏡を見る時間を楽しみに変え、自分に自信を持つためのプロセスです。過度な広告や感情的な言葉に惑わされず、客観的で論理的な視点を持って一歩踏み出し、あなたらしい健やかな輝きを取り戻してください。

こちらも読まれています:顔全体の薄いシミには光治療(IPL)!効果とレーザーとの違いを解説

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。